![]() 11.11総がかり国会包囲行動(国会前) |
日本史教科書選定への不当な介入 | みつはし ひさお(船橋啓明高校分会) |
「口元チェック」の大阪府・中原教育長のパワハラ問題と デマゴギー集団「チーム橋下」の泥舟航海 |
渡部秀清(千葉高退教) |
二人の鈴木さんのこと | T.T.0528(千葉高教組市川 支部「ひょうたん島研究会」) |
県教研「平和・人権・民族」分科会 12月6日(土)10:00〜 県教育会館302にて 『千葉朝鮮初中級学校の今〜「ウリハッキョ」と多文化共生』 ─今こそ朝鮮学校を学び交流しよう!─ 講師 金 有燮先生(千葉朝鮮初中級学校校長) |
推進委員 石井 泉(天羽高校分会) |
東京・大阪・神奈川・埼玉などで発生した、実教出版「高校日本史A・B」教科書採択不当介入問題が、今年度になって千葉県にも波及してきました。この間の経緯と問題点・今後の対応を、AMさんとYTさんにまとめてもらいました。なお、都合上、固有名詞はイニシャルにさせていただきます。
また、千葉では、以下のような攻撃にもかかわらず、なお10校の県立高校と1校の特別支援学校が、来年度、実教出版「高校日本史A・B」の採用を決定しています。
1.2012年6月〜14年3月の経緯(AM)
2.2014年度 実教出版「高校日本史B」選定問題の経過−S高校の状況(YT)
7月初旬 | 教科会において、新3年生(新課程)の日本史B(文系生徒必修)の使用教科書として、実教出版 日B304『高校日本史B』を選定 | |
10日 | 管理職より、通常の「選定理由」(60字以内)ではなく、詳細な[1]「選定理由書」(A4版1枚程度)・[2]「他の教科書との比較」(表)・[3]「日本史教科書選定想定Q&A」(Qは管理職が作成)の提出を要請される | |
11〜25日 | 書類作成・教科会・修正後提出 | |
8月4日 | 管理職より「選定理由の追加提出について」(指導課教育課程室長発「事務連絡」)の文書を提示並びに書類作成指示(〜13日提出) | |
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8日 | 校長より、選定教科書の変更要請あり →提出書類(4点)について指導課との事前協議を実施の上、提出することを要望する 校長は、書類提出については了解したが、今後、状況によって学校運営上、校長判断で変更を求める場合がある旨、教科に伝達依頼 |
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9〜11日 | 書類作成・教科会・提出 | |
11日 | 教科会(5/8名出席)にて、改めて実教教科書の選定を確認し、さらに提出書類の検討を経て、管理職を通して指導課に提出(事前協議) | |
11〜13日 | 指導課から修正・追加資料の提出依頼あり →2度の修正を経て、提出 | |
25日 | 指導課より、再々の修正・追加資料提出の依頼あり ※教頭より、指導課としては、選定教科書の変更は求めない方針である旨を伝えられ、その上でさらなる追加資料の提出を求められる |
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28日 | 指導課へ提出([4]4点+補足資料等) | |
9月2日 | 指導課より、再三の修正(文書・参考資料の一部削除・追加)要求あり →修正の上提出 |
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3〜4日 | 指導課よりさらなる文言、体裁の修正、参考資料の加除を求められ、教頭が対応 | |
9月17日 | 教育委員会会議において、採択決定 | |
18日 | 朝会において、校長より「実教高校日本史B」を含む来年度使用教科書の「採択決定」が報告 | |
10月6日 | 指導課教育課程室長より校長宛に「教科書採択に係るヒアリングの実施について」の連絡文書が届く | |
10月14日 | 指導課長ら(5名)からヒアリングを受ける(校長・日本史担当者) 内容〜選定理由・「国旗・国歌法」の指導・太平洋戦争中の犠牲者数に関する指導など提出書類の内容確認並びに指導要領に即した適切な指導の要請 |
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11月20日 | 職員会議にて、一連の経過(選定から採択・ヒアリング実施まで)説明予定 |
【備考】 これまでに作成(提出)した書類の合計は21枚(A4版)
3.問題点(YT)
4.不当な支配から教育を守る取り組み−“3つの包囲網”による反撃(YT)
不当な支配による歴史改ざんの実態、ならびにこれに対抗する歴史研究の到達点を広く教職員、市民に知らせる運動を推進していくことが喫緊の課題。
(1)
10月29日の大阪府教育委員会で、中原教育長のパワハラが立川教育委員に暴露されました。(これは当日すぐに、大阪府高教組の新聞で伝えられました。)彼は以下のようなことを立川委員に言っています。(アンダーラインは筆者)
立川さんなんかが何を言っても何も変わりませんよ。例えば、安倍総理が集団的自衛権を言っているのに、その内閣の大臣が全く違うことを言うのと同じこと。裏切り。すべて組織で動いているんです、「同じチーム」でしょ。裏切るんですか? 共産党と一緒に、後ろから知事を刺しに行くようなもの、何のためにそんなこと言うのか。(子どものためと言ったら)え?? 何を言ってるんですか。誰のおかげで、教育委員でいられるのか、誰のおかげかって。大きな権限、こんな地位を与えられているのか、他でもない知事でしょう。 |
しかも、このパワハラが暴露されたあとに、松井府知事と橋下市長はともにパワハラを問題にせず中原教育長を擁護し、松井氏に至っては問題をはぐらかし、「やめるのは立川委員の方だ」というようなことまで言っています。
10月30日の毎日新聞には、「<中労委>君が代義務づけの条例 団交拒否は不当労働行為」という記事が出ました。そこには、次のようなことが書かれています。
教職員に君が代の起立斉唱を義務づける大阪市条例を巡り、中央労働委員会は30日、大阪教育合同労働組合が求めた団体交渉を市が拒否したのは、不当労働行為に当たると認定し、市に交渉に応じるよう命令した。橋下徹市長の就任以降、中労委が市の不当労働行為を認定したのは、全職員を対象にした政治・組合活動に関するアンケート実施に次いで2件目。・・・中労委は、団交の申し入れは、勤務労働条件や待遇に影響する交渉事項で、応じなかった市に「正当な理由はない」として再審査の申し立てを棄却した。 |
これは明らかに、「日の丸・君が代」強制に対し、泣き寝入りせずに闘った大阪教育合同労働組合の快挙です。
(2)
11月7日には大阪府教委が開かれ、中原教育長のパワハラ問題が論議されました。以下はそれについての大阪からの報告です。
18時からの臨時の教育委員会は、・・・開始がなぜか10分遅れ、冒頭から波乱を予感させる展開でしたが、委員の発言は「衝撃的」とも言えるものでした。 開始直後に当事者の教育長と立川委員が退場後に、陰山委員長は、今や委員会の基盤となる信頼関係が全く崩れているので、このままでは次回の教育委員会会議そのものがもてない(11月21日予定の会議では統廃合について決定をすべきなのに)との認識を吐露。 井上委員が私も調査をすべきとの認識だが、最初から余りにも対象を広げるべきでない、教育長の人権にも配慮し、公正な手続きですることも担保されるべきとの発言。 これに対して小河委員は、一般職員から自身がパワハラについて相談を受けており、それも相当深刻なものであり少なくとも全幹部からの事情聴取をして問題がないか調査すべきと主張。 さらに陰山委員長は、教育長が教育委員会での論議をしないまま、一方で「代決」(教育委員会会議が開催できない時に教育長が決定すること)した経過について納得できず、会議の開催のあり方そのものにも疑いをもつようになっているので、第3者に調査を委ねて事実関係を明らかにしない限り、一歩も前に進めないところに追い詰められている、議会からも問い詰められることが予想される等々の発言。 そこで井上委員も「公正性」より「緊急性」が優先との他委員の認識なら私もそういう調査の方向に同意すると発言。 最終的に、[1]立川委員と教育長のやりとりの発言の事実関係、[2]9/19教育委員会会議打ち合わせ会からの「認定こども園」の定員上限の25人から35人への引き上げの件にかかわる一連の経過・運営・論議がどのようなものであったのか、[3]一般職員へのパワハラ・・・の3点についての調査を3名の弁護士に委任する、(可能なら11/21までに)ことを出席3名の一致で決定。(アンダーラインは筆者) |
また、教育合同のHP(http://www.ewaosaka.org/index.html)にも教育委員会議の傍聴記がアップされていますが、これは次のような出だしで始まります。
「がまんにがまんを重ねてきた。もういやだ」 これはだれの発言でしょうか。実は、これは、11月7日の大阪府臨時教育委員会会議の場で、陰山教育委員長自身が吐いた言葉です。府教委に限らず、これまで教育委員会会議を傍聴したことは何度もありますが、ここまで感情的な言葉が飛び出たのは、ある意味衝撃的でした。 |
こうした動きに対し、現在大阪では<「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会>や<「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク>などが中心になり、中原徹教育長の辞任を求める請願行動や署名活動が勢力的に取り組まれています。
(3)
デマゴギー集団「チーム橋下」が泥舟状態になりつつあります。10月27日、大阪都構想の協定書(設計図)議案が、府・市両議会の本会議で、野党の反対多数で否決されました。
にもかかわらず、松井府知事、橋下市長は住民投票をやるなどと言っています。意味のなかった出直し市長選で6億もの金を使い、さらにまた6億もの金を使うというのです。大阪の人々も「もういい加減にしてくれ!」と立ち上がるでしょう。
さらに、橋下市長が連れてきた他の人物も問題を起こしています。11月6日の「朝日新聞デジタル」には、<駅の催事中止、大阪市に「損失」 交通局長の知人が提案>という記事が出ました。記事によると、大阪市交通局が800万円を支払った地下鉄駅構内でのイベントが中止になったが、イベントは藤本昌信局長の知人と関わりのある会社と随意契約を結んでいた、というものです。
また、11月8日の「毎日新聞」には、<大阪市交通局:書道家、交通局に書寄贈 地下鉄公募で採用>という記事も出ました。記事には、「大阪市交通局が2012年末に実施した地下鉄駅ホームの壁面飾りの公募審査で作品のデザインを採用された書道家が、交通局に書や色紙などを寄贈していたことが7日、関係者への取材で分かった。この書道家は審査委員長を務めた藤本昌信局長の知人で、作品は交通局長室にも飾られており、審査する側とされる側の関係のあり方が問われそうだ」とありました。
なお、この藤本交通局長は、「入れ墨調査」を拒否した職員に対し「戒告処分」を出した人物です。(現在「入れ墨裁判」が闘われています。)
(4)
「口元チェック」の中原といい、「入れ墨調査」の藤本といい、とんでもない人間たちが橋下の周りにはいます。
ところで、橋下の政治は「ハシズム」などと言われます。かつて、アメリカでは「マッカーシズム」(1950年代の反共産 主義に基づく政治的運動)が吹き荒れたことがありました。当時上院議員だったマッカーシーは「アメリカが生んだ最も天分豊かなデマゴーグ」とも言われました。しかし、彼の政治運動は現実にぶつかりあっけなく破綻しました。そのことについて、岩波文庫の『マッカーシズム』には次のようなことが述べてあります。
マッカーシーはロイ・M・コーンを小委員会の主任弁護士として雇い、コーンがG・デイビッド・シャインを「主任コンサルタント」(いんちきな肩書きで、カッコつきで記す価値十分)として引っぱって来たのだが、マッカーシーの終焉の物語はここに始まる。 マッカーシー最大の敵は彼自身であったかもしれないが、そうであったとしても、そこにはいくらかの距離があった。このものぐさな扇動政治家は小委員会の仕事の大部分をコーンとシャインに委任してしまい、コーンとシャインが一年とたたないうちにかれを失脚させることになった。 |
いま、橋下も同じ道を歩いているようです。デマゴギー集団「橋下チーム」は、いまや大衆の集中砲火を浴びながら、あてどない泥舟航海中です。さらに水をかけてやりましょう。
世の中には、「惜しい!」と思うことが、たしかにある。
『朝日新聞』の「土曜版赤be」に、「逆風満帆」という欄がある。11月1日のその欄が、俳優の太川陽介を取り上げている──が、書きたいのは、太川のことではない。
その文章の中に、次の記述がある。「福田」というのは、太川が所属したサンミュージックプロダクションの名誉顧問・福田時雄(84)のことである。
福田によると、最初に売り出した森田健作(現・千葉県知事)以来、同社のタレントの多くはデビューにあたって親から猛反対を受けることが多かった。 |
本当に「惜しい!」と思う。親御さんがもう少し頑張ってくれていたら、「TVに出ただけで知事になった」森田の下(もと)(千葉の県立高校)で働くことなど、なかっただろうに・・・。(たまたま今、背中のNHK-FMが、「さらば涙と言おう」のピアノ演奏バージョンをかけている。)
*
世の中には、「その通り!」と思うことが、たしかにある。
同じ「土曜版赤be」に、「NIPPON映画の旅人」という欄がある。10月11日に取り上げたのが、『社長漫遊記』(正・続、1963年)。この映画について真面目に書こうとすると、森繁久弥・三木のり平・小林桂樹・・・の話になるはずだが、ぼくの興味はそこには向かない。
ぼくの琴線に触れたのは、冒頭の次の文章。書いているのは、井上秀樹記者。
バブルを謳歌し、仕事に遊びがある先輩たち。超就職氷河期を乗り越えた優秀な後輩たち。その間で大した天国も地獄も味わわなかった団塊ジュニアは、職場でなんだか肩身が狭い。 昭和の会社は、こうではなかったらしい。サラリーマンが主人公の喜劇を書いてきた「劇団ラッパ屋」主宰の鈴木聡さん(55)が言っていた。 「会社ってね、昔っから仕事できる人ってそんなにいないんだよね。ただ、対面コミュニケーションが得意だとか、飲み会の幹事は抜群にうまいとか、そういう人が役割を果たしてたんですよ。だから営業成績が悪くたって、自分の居どころがちゃんとある」。自身も大手広告会社でサラリーマンをしていた。昨今の能力主義に違和感を覚え、「共同体を大切にする日本では、弱い人にも舞台を与える優しさがあった」と指摘する。 |
こういうの、好きだな〜。「能力主義」とか「成果主義」って、トゲトゲしくていけないよな〜。ぼく、「弱い人」自覚の人間だから、こういう風に言ってくれると、嬉しいよな〜。毎日一緒に勉強している生徒たちだって、強い人間ばかりじゃないもんな〜。
・・・というぼくの感性は、特別なものではなかったようだ。翌週10月18日の「編集後記」みたいな欄が、読者の声を紹介している。
〈みなさんから〉 11日付赤be1、2面「NIPPON 映画の旅人」は高度経済成長期の会社を舞台にした「社長漫遊記」を取り上げました。「今時の若い人は、会社の旅行や行事に昔ほど思い入れがないような気がする。この作品で描かれたサラリーマン社会は古き良き時代の象徴かもしれない」(千葉、54歳男性)、「心に残ったのは、『弱い人にも舞台を与える優しさがあった』というところです」(鳥取、50歳女性)など、「昭和の会社」に郷愁を抱いた方が多かったようです。 |
安倍極右反動政権が派遣法改悪を強行しようとしている今、一人ひとりを大事にする社会に変えるために努力をしていこうと軽く(「固く」ではありません、念のため)心に誓う(T_T)であった。
*
これで、「二人の鈴木さん」の話を終わりにします。
エっ!? 「森田さんと鈴木さん」じゃないかって? いいんです。だって、森田健作って、本名は鈴木栄治なんだから・・・。
(14/11/12早朝)
千葉市にある県内唯一の民族学校、千葉朝鮮初中級学校は、JR総武線新検見川駅から徒歩10分、東大検見川総合運動場近くにあります。日本の小学校1年生〜中学校3年生にあたる在日の80名余りの児童・生徒たちが毎日通っています。現在、全国に63校の朝鮮学校がありますが、その中でも最も古い学校の一つで68年の歴史を刻んでいます。在日の一世たちが自力で作り上げ、二世、三世、四世へと世代を越えて守り続けています。朝鮮学校の歴史は、様々な無理解・差別と闘う苦難の歴史でした。近年も、2009年京都朝鮮学校への在特会襲撃事件、2010年高校授業料無償化法からの朝鮮学校の適用除外、2013年東京新大久保や大阪での大規模なヘイトスピーチ(デモ)など、学校や子どもたちを脅かす差別行為・事件が続きました。今も女子生徒たちが制服のチマ・チョゴリを着て通学出来ない状況が10年以上続いています。
朝鮮学校の子どもたちは、学校を「ウリハッキョ」(私たちの学校)と呼び故郷のように愛し、卒業後も彼らの心のよりどころとなっています。実際に訪れてみれば、学校での子どもたちの元気な姿や先生方の熱心な授業風景は、日本の学校と変わりなく、いやそれ以上の学校や民族教育に対する熱い思いを感じることが出来ます。勉強や部活動に頑張り学校を心から愛する子どもたちと先生に、日本の先生方が学ぶことが沢山あります。しかし、以前から国や地方からの財政措置はなく、少額の補助金さえもカットされ、どの学校も財政的に非常に厳しい状況です。
朝鮮学校を支援・交流しようという動きもあります。今年7月には「千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(略称:千葉ハッキョの会)」が結成され、10/30に橋哲哉氏の講演会が会場満員の大成功をおさめました。千葉高教組もこれまで支援や交流を続けてきました。今年も、5/18に千葉市も後援する「第4回フレンドシップフェスタ2014」が行われ、鄭栄桓明治学院大学准教授の講演や沢山の楽しめる体験で多く人々が文化交流しています。9/28には千葉や北海道・愛知・静岡など各地の日本の先生方14名が朝鮮学校の児童生徒を相手に授業を行う「第1回日朝教育文化交流会」の試みも成功しました。10/11には千葉県教組とともに毎年実施している授業参観と交流を深める「千葉朝鮮学校を支える会の学校訪問」にも多くの参加者がいました。もちろん、今年も千葉朝鮮初中級学校支援カンパに取り組んでいます。
今こそ、朝鮮学校について学びませんか? 子どもたちや先生方が、自分自身を、日本社会をどう感じているのか? 私たち日本人はどういう関係を作り、どういう社会を目指していくべきか? 千葉朝鮮初中級学校の校長先生を招き、たっぷりと話を聞きます。日本の高校でこの問題についてどんな授業をしてるか、参加者の交流もしたいです。是非、多くの先生方、県民の方に参加して頂きたいです。