ひのきみ通信 第189号

2014年8月25日



白馬三山
(14.8 長野県)

目次

許すな!「日の丸・君が代」強制
 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊
 全国ネットワーク(仮称・準備会)
 第4回全国会議(大阪合宿)報告
みつはし ひさお(船橋啓明高校分会)
千葉(高校)の「日の丸・君が代」をめぐる状況 石井 泉(千葉高教組
 「日の丸・君が代」対策委員会)
「僕、国歌歌わないもん」(石原慎太郎)
 東京五輪に「国旗も国歌も必要ない」(ビートたけし)
渡部秀清(千葉高退教)
ジュリーと上野千鶴子とホリエモンと
 ついでに、清志郎に賛成っ!!
T.T.0526(千葉高教組市川
 支部「ひょうたん島研究会」)

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許すな!「日の丸・君が代」強制
止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊

全国ネットワーク(仮称・準備会)
第4回全国会議(大阪合宿)報告

みつはし ひさお(船橋啓明高校分会)

 8月19〜20日、大阪市「エルおおさか」において、標記会議が開催されました。まだ未定、あるいは継続協議の部分も多いので、簡単に概要を報告します。
 まず、参加者自己紹介のあと、愛知の小野さんから基調提案が行なわれ、これまでの到達点と今回会議の課題が提示されました。その中で、「新たな戦前」「新たなファシズム」というべき時代にあって、わたしたちの新しい運動が果たすべき歴史的意義について、提案がありました。
 つづいて東京の永井さんから、自衛隊の教育への介入について、報告がありました。高校3年生(一部には中学3年生へも)への自衛隊勧誘の手紙送付、小中学校の「職場体験」・高校の「防災訓練」の自衛隊での実施など、全国各地の生々しい事例が報告されました。なかでも、殺人を目的とした競技である「銃剣道」が教育現場への侵入を目論まれている事例として、都立光が丘高校と北豊島工業高校の国体参加問題が取りあげられました。
 東京の青木さんからは、「新たな都立高校改革推進計画」および第3次教育ビジョン体制(2013.4〜)についての報告がありました。つづいて、安倍「教育再生」に反対する闘いの中間総括と今後の展望について提案がありました。そのなかで、安倍「教育再生実行本部」体制の下で教育の国家統制が強力に推進されている現状が指摘されました。
 つぎに、「日の丸・君が代」をめぐる全国各地の状況が報告されました。東京からは、田中さんに対する不当な「服務事故再発防止研修」についての報告などがありました。大阪からは、井前さんに対する不当な「戒告」処分に対する闘争の報告などがありました。福岡からは、不起立の動きに加えて、九電に対する脱原発の運動も報告されました。千葉からは、「実教」日本史採択妨害問題などが報告されました(これについては、別項目で掲載します)。神奈川からは、個人情報保護条例を活かす運動に関連して、国連人権規約委員会の動きを活用する運動が報告されました。
 引き続いて、19日から20日にかけて、運動に関する活発な討論が展開されましたが、現段階でまとめることはできませんので、割愛させいてただきます。
 最後に小野さんが、現時点で確認できることがらをいくつかまとめました。おもなものは、つぎのとおりです。

 ◎リーフレットを作成する。
 ◎ウェブ・サイトを立ち上げる。
 ◎研究者のネットワークを立ち上げる。
 ◎現在の連絡先を、世話人とする。
 ◎年度内正式結成を目指して、次回会議を開催する。

 次期通常国会に向けて、安倍政権は教育の国家統制のみならず、集団的自衛権容認法制、共謀罪など、憲法無視・民主主義破壊の政策実効化を狙っています。わたしたちは、連帯を強めつつ、安倍ファッショ政権の打倒に向けて、がんばりましょう。

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千葉(高校)の「日の丸・君が代」をめぐる状況

石井 泉(千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会)

 今年3月、ある県立高校の卒業式で、国歌斉唱時に3人の教職員(3年担任二人含む)が不起立しました。後日、保護者と名乗る人から学校に「ちゃんと指導しろ(起立斉唱させろ)」という電話があり、県教委にも連絡したようです(県教委から校長に電話あり)。校長は担任2人を呼び事実確認したところ、一人は「座った」と認め、もう一人は「答えない」の返事。3人目も誰か特定できず。結局、校長は「自分は現認していない。思想良心の自由の議論はしたくないし、今年で定年なのでもめたくない。」と説明し、その後の事情聴取や処分はありませんでした。このように、千葉県では少数の不起立者が存在し続けていますが、強い処分攻撃はありません。最後の処分は2003年(文書訓告)です。
 業績評価制度の賃金反映もまだありませんが、いつ強行されてもおかしくない状況です。2014年度は高校への主幹教諭の配置が強行されました。森田健作知事の肝いりで、昨年度から高校でも「道徳」授業(1年生のLHRで10時間を含み総合的学習・行事等で合計35時間)がスタートしています。
 現在、高校日本史の実教教科書の採択問題が大きな焦点となっています。昨年は船橋や松戸の市立高校で選定後の市教育委員会会議の場で問題となりましたが、最終的には採択されました。しかし、その後も県議会で一部の右派議員による実教教科書攻撃が続き、県教委は11月に「11・20通知」(別紙:実教日本史教科書の国旗国歌法のページをあげ丁寧に指導するよう強調)を出しました。ある高校へは右派系組織の市民が実教問題について学校に抗議にくる行動もありました。県教委は、校長会や教頭会の度毎に通知を念押しし、「実教を選ぶ場合は相当詳しい選定理由が必要、もめ事になるかもしれない」と思わせ、実質的に実教排除の圧力をかけました。今年2〜6月には、関係校(今年度の実教教科書使用校)の校長が社会科主任或いは社会科教員を呼び出し、来年度使用教科書の選定で実教を変更する意向を告げる校長が複数いたようです。また、7/11選定理由書の県報告期限までに、社会科の実教選定の決定を校長が覆し実教以外に変更させて報告した学校も複数存在します。さらに、7/22県教委は実教を選定して報告したいくつかの学校に対し、電話連絡で選定理由書の理由の追加を求めました。当該校の教員は「理由書の書き直しは今までしたこともなく、昨年も同じ内容で問題となっていない、日本史だけ直せとはおかしい」と憤慨しました。そしてついに、8/4に事務連絡「選定理由の追加提出について」(裏面)が実教日本史選定の全高校に送付されました。内容は、[1]国旗国歌法に関する注釈、[2]巻末の太平洋戦争の犠牲者数、[3]南京大虐殺の犠牲者数、この3点についてどんな資料を使い具体的にどう指導する計画か8/13までに提出せよ、というものです。8月中にヒアリングを実施するとも脅かしています。「指導案を書け」と要求された学校もあるとの情報もあります。不当な排除であることが明白であるにも関わらず、なりふり構わない難癖攻撃です。東京・神奈川を真似るような異常な事態が進行中です。組合では委員長が直接県教委に抗議し、現在、全県的状況の把握と該当校会議を開催して何とか、該当校を支え連帯して闘えないか、模索してる最中です。
 千葉高教組の組織率は一割前後まで低下しましたが、定期大会スローガンには「『日の丸・君が代』の強制を許さない」があり、「日の丸・君が代」対策委員会は活動を続けています。今後も、「日の丸・君が代」強制反対のために、同じ志を持つ全国の教組や裁判闘争の仲間・市民運動グループ・学者・政治家らと連帯を強め闘っていきたいと考えています。

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「僕、国歌歌わないもん」(石原慎太郎)
東京五輪に「国旗も国歌も必要ない」(ビートたけし)

渡部秀清(千葉高退教)

(1)

 7月23日の『日刊スポーツ』一面全面に、上に掲げたビートたけしの言葉が載った記事が掲載された。日刊スポーツではこの日から開幕までの6年間、大型特集連載企画として『6年輪っしょいTOKYO五輪』を毎週水曜日に掲載することになったようだ。その第一回目がビートたけしだった。記事には次のようなことが書かれていた。

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 「最近の五輪は先祖返りしているな。まるでベルリン五輪みたいに国の威力を見せつけるようになっちまっている」。ヒトラーがプロパガンダに利用したとされる36年ベルリン五輪を引き合いに痛烈に批判した。
 ・・日本は今、平和の祭典を成功させようとする中、集団的自衛権の議論も進めている。「それでも(五輪を)やろうとするのは相反しているんじゃねえかな」。韓国や中国と微妙な関係にある中、東京五輪で日本の力を見せつける。そんな考えには否定的だ。
 ・・国旗も国歌も必要ないという。「何で表彰式で国旗を掲げ、国歌を歌うんだ。全部、国と国の戦いに結びつくじゃん。五輪のテーマソングでも作って、歌えばいいんだ」。五輪はあくまでも選手の戦い、国の戦いではないという。国境の意識を薄くする。たけし独特の大胆なアイデアだ。慣例や常識なんてぶち壊す。いつだってそうしてきた男は、国威発揚アピールから離れた五輪こそが、アジア情勢を変え、本物の平和の祭典になると考える。

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(2)

 前号で6月10日に行われた、東京の田中聡史さんへの「再発防止研修」(都教委が学校に来てやる)について報告した。7月28日、田中聡史さんへの「再発防止研修」が再び行われた。学校は再び警察を導入、要請行動の市民らをまたしても校門外に追い出した。以下は根津公子さんの報告からである。今、沖縄でも問答無用で辺野古基地建設が進められつつある。ここでも同じように問答無用で「再発防止研修」が行われている。

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 ・・前回6月10日の「研修」では、中止を求める要請書を校長に手渡そうと訪ねた私たちを、学校側は警察を使って排除しましたから、私たちはこのようなことをやめるよう、事前に申し入れをし、今日の行動に臨んでいました。しかし、今日も、学校側は面会を求める私たちを、警察の力で排除しました。・・
 朝は出勤する職員に4人でチラシを配布しました。・・途中から主幹教員が私たちの前に立ち、監視を始めました。12時半、学校の正門前に行くと、すでにパトカーが学校の周りをまわっていました。校長が要請したということでしょう。12時37分、副校長が玄関から出てきて、私たちの数メートル手前でとまり、私たちに向かってお辞儀をし、それだけで玄関の中に入っていきました。13時、副校長は今度は正門まで来て門扉越しに、「暑いのに大丈夫ですか」と言いました。しかし、続けざまに、「敷地に入らないようにしてください。もう一度言います。敷地に入らないよう、お願いします」と言いました。「どういうことですか」と訊きましたが、副校長は答えずに中に入ってしまいました。
 私たちは25日に「質問と要請」書を校長にファックスで送り、その「質問と要請」書の下には、「28日13時30分頃、これに対する回答をお聞きするために伺います。数分、立ち話で結構ですので、時間をとってください。もし、この時間帯がご都合悪ければ、この日の中で時間をご指定くださいますようお願い申し上げます。」と手書きしておきました。その後、学校にファックス到着確認の電話を入れ、校長にしっかり伝えてほしいと話していたのです。
 副校長は私たちの質問には答えないし、校長には事前に連絡をしていたので、13時半、私たち14人は校長から回答を得るべく、玄関の中の受付に行こうと門をくぐりました。
 と、玄関から副校長と2人の主幹が走ってきて両手を広げ、「敷地には入らないでください。申し訳ありませんが、敷地に入らないでください。」 「宣言します。敷地から出てください。」「出ていかなければ、警察に通報します」と続けざまに言いました。
 私たちは校長に回答をもらうために受付窓口に行きたい旨を、経過を含めて話しましたが、副校長は全く聞く耳を持っていませんでした。
 Hさんは「憲法16条・請願権『何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。』、 請願法第5条『この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない』」と、大きく表示した用紙を副校長の前に広げ、市民には請願権があること、官公署の一つである公立学校、そして公務員は憲法及びこの法を遵守する義務があることを言いました。
 要請や抗議については、法的には請願権の範疇ではないですが、国民の意見を広く聞くという点で、官公署は請願権に準じた取り扱いをすべきです。問答無用な対応はとりわけ教育の場にあってはならないことについても、何人かが副校長をただしました。
 これについても副校長は無言でした。弁解も説得しようとする気もないようでした。校長たちは教員に対しては、「説明責任がある」とよく言いますが、この学校の校長や副校長にこそ、それを求めたいと思います。
 副校長が反応したのは、「教員になった時に、憲法を遵守すると宣言したでしょう』の問いに、「しました」。「都教委は“開かれた学校”を掲げますが、この学校はそれを謳っていますか」の問いに、「当然です」。「敷地から出ろ、警察を呼ぶ、というのは校長の判断ですか」の問いに大きく頷いたことくらい。終始、「出てください。警察に通報します」を繰り返すだけでした。
 この間、副校長は何度か、携帯電話を手にして校舎内に入っていきました。警察と連絡を取っていたのでしょうか。
 14時7分、制服警官11名、私服警官7人が入ってきました。制服警官2名が入り、その後さみだれしきに制服警官9名、やや間をとって私服警官7名が校内にはいりました。警官は「管理者が出て行けと言っている。出てください。」と言い、私たちは敷地外に追い出されました。
 しかし、私たちは『学校側が「学校は開かれている。都民、市民の声を聴きます。」と言っているではないか。私たちは学校が作ったルールにのっとり請願、要請に来ている。にもかかわらず私たちをどうして排除するのか。その理由を言ってほしい』とそれぞれが訴え、抗議し続けました。
 とりわけジョニーH氏は、ギターを爪弾き、学校の横暴をあばく歌、田中さんを応援する歌を即興で作り、歌い上げ、その場を大いに盛り上げました。
 前回は通報から10分と置かずに23人もの警官が出動、それに比べれば今回は警官出動は37分後。多少は慎重さを見せなければいけないと警察は判断したということなのでしょう。前回よりも丁寧な言葉づかいでした。しかし、結果的には何の反省もありません。
 校長にとって都合の悪い市民からの質問、要請は徹底して排除する。そのためには警察の力も借りる。警察と連携して「秩序維持」を図り、思想の転向を迫る再発防止研修を強行するとは、あまりに恥ずかしいことです。
 敷地外に出された私たちは「研修」終了予定時刻の15時、田中さん支援、都教委・校長糾弾のシュプレヒコールをし、監視行動を終えました。私たちは黙ってはいません。引き続き、「日の丸・君が代」の強制・「君が代」不起立処分・それに伴う「服務事故再発防止研修」に反対し、行動していきます。
 最後に参加した一人、Hさんの感想を紹介します。
 私たちは、一都民として権利を行使しようとしました。学校側は、公務員として、法に基づいて行動しなければならないのにも関わらず、法的根拠も示さずに、都民の権利行使を妨害しました。あまつさえ、警察権力を導入して私たちを排除しました。警察も、排除の根拠を説明できず、ただ校長の「パシリ」になってました。都民の抗議や陳情に対しては、高島平警察署だって人数と時間は不当に制限したけれど受けることは受けたのに、校長の行動には教育者としても公務員としても何の正当性もありません。再発防止研修は、警察権力に守られた、思想弾圧であるとの性格が益々はっきりしたといえるのではないでしょうか。

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(3)

 やはり前号で、6月26日の県議会文教委員会に関する千葉高教組OBのKさんの報告を紹介した。そこには川井議員という「スーパー右翼の出現」があったようである。
 その後、千葉高教組の仲間からの次のようなメールが届いた。

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 8月4日、実教出版の日本史教科書を選定した高校の校長あてに、千葉県の教委教育振興部指導課が文書を出しました。「選定理由の追加提出について」と題したその文書は、前代未聞の代物です。
 「採択のための説明が不十分ですので、〔中略〕下記の(1)〜(4)について再度作成の上、8月13日までに担当者あてEメールで提出してください」とあり、「今後、提出資料等を踏まえ、ヒアリングを実施させていただきます」「提出資料の内容が十分でない場合は、ヒアリングを8月中に実施する場合もあり得る」と続きます。
 (1)は長いのですが、「国旗・国歌の取り扱いに関して〔中略〕どのような資料を使って、具体的にどう指導する計画か」といった内容です。
 (2)は「太平洋戦争における各国の犠牲者数の表記や考え方(巻末記載)について、どのような資料を使って、具体的にどう指導する計画か」というもの。
 (3)は、「「南京大虐殺」の 犠牲者数について、どのような資料を使って、具体的にどう指導する計画か」というもの。南京大虐殺には、カギ括弧が付いています。
 (4)は、「(1)〜(3)以外に、当該教科書を使用するに当たって補足すべき事項」です。
 県教委には、よほど強力に、右翼団体や右翼県議からの政治的圧力がかかっているのでしょう。その点は同情しますが、特定の教科書を対象にこんな文書を出すとは、あんまりです。(1)〜(3)は、某右翼団体の主義主張そのものではないですか。右翼の政治介入で教育内容が左右されたり、現場が混乱することはあってはならないわけで、それを防ぐのが県教委の仕事ではないでしょうか。

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 一部の右翼勢力による実教出版教科書選定への圧力に県教委が屈し、選定した学校に対し、東京や神奈川同様の圧力をかけているわけである。まるで、戦前、軍部の圧力に政府も屈服し無謀な戦争に突入して行ったことの現代版である。自分たちがやっていることを客観視できないまま、教育の国家統制に血道を上げている為政者たちの姿が浮かび上がる。彼らは再び同じ誤りを繰り返そうとしているのである。しかし、デマゴギーはいずれ必ず現実にぶつかり破綻する。すでに石原慎太郎は(先を読んで?)「僕国歌歌わないもん」と公言しているし、ビートたけしのような声も上がっている。私たちは簡単に屈することなく長期戦を闘い抜こう。

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ジュリーと上野千鶴子とホリエモンと
ついでに、清志郎に賛成っ!!

T.T.0526(千葉高教組市川支部「ひょうたん島研究会」)

 この『ひのきみ通信』の前号(7/5号)に、「12年10月に『安倍にはアッカンベーを!』というキャッチコピーを考えた」と書いた。誰にも評価されなかったので「つまらんコピーだったのか?」と残念に思っていたのだが、そうでもなかったかもしれない。
 もうかなり古い話だが、『日刊スポーツ7/14号』の記事を紹介する。

 沢田研二(66)が(7月)13日、全国ツアー「三年想いよ」を東京・渋谷公会堂でスタートさせた。ステージ上で「アッカンベー」をもじり、「アッカン『アベ(安倍)』〜」とコメント。原発再稼働の方針を進め、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した安倍政権を批判したとみられる。

 この記事については、少なくとも『朝日』と『日刊ゲンダイ』では続報は出ていないと思う。「脱原発」業界や「反戦」業界でも話題になっていないような気がする。
 まあ、ジュリーもぼくと同じで誰にも評価されなかったようだが、あのジュリーとぼくの感性が似ていることがわかって、嬉しかった。

 話はもっと遡る。6月26日(木)の『朝日』論壇時評欄で、高橋源一郎が、上野千鶴子とホリエモンについて書いている。

 上野千鶴子は、いわゆる「改憲」でも「護憲」でもなく、憲法を一から選び直す「選憲」の立場をとり、その際には、天皇の条項を変えたい、とした(『上野千鶴子の選憲論』)。象徴天皇制がある限り「日本は本当の民主主義の国家とはいえ」ないからだ。いや、理由はそれだけではない。「人の一生を『籠の鳥』にするような、人権を無視した非人間的な制度の犠牲には、誰にもなってもらいたくない」からだ。

 上野千鶴子ってちょっと怖そうなお姐さんなんで一緒に飲みたいとは思わないが、紹介されている言葉は、けっこう真っ当だと思う。

 皇太子の移動のための交通規制で足止めを食った堀江貴文が「移動にヘリコプターを使えば」とツイートした。それに対して、皇室への敬愛が足りないと批判が殺到した。皇太子のことを何だと考えているのかという質問に、堀江は簡単にこう答えた(〈@takapon jp〉によるつぶやき)。
 「人間。」
 いいこというね、ホリエモン。

 ホリエモンもそんなに好きなタイプの人じゃないけど、「人間」って答える感性は、けっこう好きだな〜。

 今回の雑文、実はここまでで終える予定だったのだが、実は今日は8月の17日(日)。ついさっき読んだ『朝日夕刊8/16号』で、湯川れい子が、忌野清志郎の言葉を紹介している。

【清志郎の言葉】
 地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。

 復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。私の国だ。

 政治家は・・・人を助けるとか世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。(中略)憲法第9条は・・・戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。

 清志郎が亡くなったのは、09年。蛇足だが、彼が言う地震は、阪神大震災。都立日野高校の愛すべき先輩・清志郎の言葉を胸に刻んでこれからも恥じない生き方をしようと心に誓う(T_T)であった。

(14/08/17早朝)

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