ひのきみ通信 第182号

2013年9月7日



「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会(8.25.東京・日比谷)

目次

「8・25全国学習交流会」と文科省交渉について 渡部秀清(千葉高退教)
「君が代」不起立・田中聡史さんへの
 「再発防止研修」抗議行動
根津公子(河原井・根津らの
 君が代解雇をさせない会)
たぶん誰も書いていないこと・・・ T.T.0515(千葉高教組市川
 支部「ひょうたん島研究会」)

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「8・25全国学習交流会」と文科省交渉について

渡部秀清(千葉高退教)

 8月25日東京で、2013年「8・25全国学習交流会」開かれました。(全国から計116名の参加)。この会は、単に「日の丸・君が代」強制反対の全国学習交流会というだけではなく、安倍政権による「教育再生」と「改憲」に反対するための「全国ネットワーク」作りの第一歩という性格がありました。読みにくいのですが、記録の意味もありますので、学習交流会の概要を箇条書き風に報告します。

(午前中)

<首都圏からの報告>
(1)最高裁判決後の都教委による新たな攻撃の段階
 児童・生徒を対象にした教育内容の管理・統制の具体例として、
 ・「学力スタンダード」
 ・「生活指導統一基準(ゼロトレランス)」
 ・「田無工業高校の自衛隊での宿泊防災訓練(参加生徒33人)」
  (わずか33人に学校から校長他数名、都教委からも6名が参加。
  宿舎には自衛隊員も宿泊。全都のモデルに?)
 などが報告されました。
(2)東京の「君が代」不起立処分反対闘争の報告
 [1]田中聡史さんの闘い [2]「君が代」2次訴訟 [3]「君が代」3次訴訟
 [4]再雇用拒否撤回2次訴訟 [5]河原井さん・根津さん停職取り消し訴訟
 うち、[3]の報告者は、「若い教職員たちは厳しい状況に置かれている。私たちは現場の灯火にならなければならない」と述べました。
(3)神奈川 個人情報保護裁判とその後の動き(教科書採択)
 報告者は、「裁判所自体『日・君』強制の応援団になっている」と述べました。
(4)千葉 森田県政「道徳教育」強制について
 千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会・みつはしさんが、道徳教育強制に反対する「タウンミーティング」について報告しました。

<全国からの報告・一部> 大阪
 ここでは、7人の方が報告しました。その中で、大阪では闘っている様々な人々が結集して8月21日に「大阪ネットワーク」が結成されたことが報告されました。また、東京の田中聡史さんと同じような状況に置かれているOさんの報告がありました。

(午後)

<全国からの報告・二部> 北から南から
[1]「日の丸・君が代」自主教研14年の歩み(北村小夜さん)
 1970年〜1990年の福岡伝習館闘争支援の「自主教研」が前身、1999年の「日・君」法制化とピアノ処分による危機感の中2000年1月に再生、以来毎年、日教組全国教研開催地で開かれ、全国の闘う仲間たちを結びつけてきた。
[2]新潟 「闘いは組合依存ではダメ」。
[3]愛知 河村たかし名古屋市長と藤岡信勝の結びつきなど。
[4]兵庫 尼崎市の「日・君」条例制定と職場での闘い。
[5]福岡 現場で見られる教育介入、職場統制は「日・君」強制という形で始まった。
 その他、以下の文書報告がありました。<宮城>誇り高く生きることをあきらめません。<静岡>わたしたちは「君が代」を歌いません、斉唱中はすわります。<香川>不起立闘争や教育をめぐる現状と課題。<北九州>「日の丸・君が代」強制反対の状況。

<全国ネットワークの提起>(愛知・Oさん)
 5つの柱として、[1]「日の丸・君が代」強制に対する闘い、[2]改憲と連動した「教育再生」=第二の教育基本法改悪に対する闘い、[3]安倍政権の改憲・集団的自衛権行使などとの闘いと市民運動との連携、[4]原発再稼働・原発輸出などの運動との連携、[5]子どもの人権侵害、様々な人権侵害との闘い、が提起され、さらに ・新しいメーリングリスト、・ワーキンググループプロジェクトチーム、・全国合宿、・「確認事項」、なども「たたき台」として提案されました。

<質疑>では、多くの意見が出されました。
 その中では次のようなものもありました。「参議院選挙で吉良さん、山本さんが当選した。若い人たちが動いた。特徴は『明るい』、『軽い』ということだ。若い人たちは失うものは何もない。60代くらいの人々はセクト主義が強い。自己変革を!」

<討議のまとめと今後の課題>(東京・Aさん)
 10年前、東京で「10・23通達」が出された。政治権力の教育内容への露骨な介入だった。今、闘いの現場は東京から、大阪、神奈川へと広がった。安倍は戦後民主教育を壊し、教育でのファシズム体制づくりを進めている。こうした状況と本日の討議を踏まえ、以下の4点を確認したい。
[1]全国各地での「日・君」裁判情報を交換し、勝利へ!
[2]懲戒処分・分限免職をはね除ける闘いを!
[3]安倍「教育再生」「改憲」に対抗する新しい「全国ネットワーク」に結集を!
[4]来年も交流集会を!大阪での全国集会(来年2月11日)にも結集を!

 以上のように、今回の学習交流会には、「日・君」強制反対闘争に取り組んでいる全国の多くの仲間たちが結集しました。そして、現情勢下での「日・君」強制反対闘争の意義(=改憲反対闘争の重要な一翼)をも深めることができました。新たな「全国ネットワーク」の提案もなされました。そういう意味で、今回の『8・25全国学習交流会』は、困難な状況下、「全国ネットワーク」結成への新たな第一歩を踏み出した会だったと思います。

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 翌日(8月26日)は、<文部科学省交渉>と<最高裁要請>が取り組まれました。ここでは前者の報告だけをします。交渉の冒頭、文科省の体質を表すようなことがありました。それに関して、大阪のTさんから「文科省にもいた”水野靖久復興庁参事官”」というメールが届いていますので、その一部を紹介します。
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   文科省にもいた“水野靖久復興庁参事官”
 (前略)2カ月ほど前、水野靖久復興庁参事官(当時)が、ツイッターで「左翼のクソども」などと市民団体への中傷を行なっていた事件が報道され全国的に批判の対象となった。根本匠復興相はすぐさま6月21日記者会見を開き、国家公務員法に基づき水野氏を停職30日の懲戒処分にすると発表した。根本復興相自身も1カ月の大臣給与の自主返納を表明した。この報道に接して思い出した。昨年の屈辱的な文科省の若い官僚のツイートのことがありありとよみがえってきた。そのツイートは、今でも、だれでも閲覧できる状態として黒沼一郎氏のツイッターにある。当時、こちらのツイッターに「リツイート」(引用)したので、まず、それを見てもらおう。
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2012年08月11日(土)
Ichiro Kuronuma@kouro16
↓ 昨年は私も出席したが、今年は部下に行ってもらった。どうやら、他の課も同じ判断をしたようだな。……大体、こっちの説明を聞く気もなく、何を説明しても自分の意見で怒鳴るだけの人達には、誰が応対しても(応対しなくても)一緒なんだが。まぁ、部下には悪いことをした。
Ichiro Kuronuma@kouro16
↓ 「日の丸・君が代」裁判全国学習・交流集会とかいう集団のようだが、文科省に来て、どこどこの自治体がやっているこれこれは、どういうことなんだ、的な話をしにくるのは、来る場所を間違えている。その自治体に聞いてくれ。……まぁ、紹介する議員の問題でもあるが。
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 (中略)本来なら謝罪を求めてしかるべきところであるが、全国からの交渉参加者にとっては、時間はいくらあっても足りない状況であり交渉時間を削るわけにはいかず、冒頭、若い官僚たちに注意喚起をするに留めた。ところが、である。応答した若い文科省役人は「私は、フェイスブックもツイッターもしないので…」を何度も繰り返すありさまだ。(後略)
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 <文科省交渉>の詳しい中身は省略しますが、彼らがいかに無知で無責任かということがよくわかる交渉でした。その例を幾つか紹介します。(⇒は文科省の答弁)
・韓国では、国歌とは言わない。愛国歌というのだ。
   ⇒改めて確認する。
・アメリカのバーネット判決を知っているか。
   ⇒知らない。
・中国では義務づけていない。学校の判断で行っているのだ。
   ⇒知らなかった。
・日本のように処分している国が他にあるか。
   ⇒知らない。
・国際規約では、敬意を強制して自由を侵害してはいけない、と書いているが、知っているか。
   ⇒知らない。確認する。
・大阪府・市職員基本条例の免職規定、累積加重処分規定は、2012・1・16最高裁判決に反するか否か、文科省の見解を明らかにされたい。
   ⇒直接コメントする立場にない。司法の判断だ。
・大阪府中原教育長は9月までに、「起立と斉唱を確認する客観基準」を作成すると発表している。このような強制について文科省の見解を明らかにされたい。
   ⇒任命権者の責任と権限としてすべき。教員は職務命令に基づき、起立斉唱する責を負う。
・従軍慰安婦問題について「公衆を教育する」「あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること」と、日本政府に示された勧告に対し、どう対応していくか。
   ⇒教科書への記述については、発行者、執筆者の判断。
・都教委の(実教出版日本史教科書使用は切ではないとした)「見解」に反するという理由で、採択を禁止することは許されるのか。また、それは「検閲」に当たるのではないか。
   ⇒検定を否定したとは考えない。「検閲」に当たらない。
・神奈川県教委は「採択した学校には街宣車が来る」と脅した。知っているか。
   ⇒学校を脅したことは知っている。住民が質せばいい。自治事務の問題。住民と県との間の問題だ。

 ご覧のように呆れるばかりです。これが文部科学省の実態です。日本の民主教育は「無知」と「無責任」の文科省により完全に破壊されつつあります。
 「全国ネットワーク」はこうした動きに抗し、「民主教育再生」を目指す新たな、闘うネットワークです。その第一歩が今回踏み出されました。

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「君が代」不起立・田中聡史さんへの
「再発防止研修」抗議行動

根津公子(河原井・根津らの君が代解雇をさせない会)

 「君が代」不起立した田中聡史さん(都立板橋特別支援学校)に対し、都教委は8月30日に「服務事故再発防止研修」を強行しました。それに対して私たちは抗議行動をしたので、以下、報告をします。

写真付きの報告をレイバーネットの佐々木さんがされています。
http://www.labornetjp.org/news/2013/0830shasin

 8月30日は田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対し、都教委管理主事3人が学校に押しかけての「再発防止研修」4回の4回目。
 2011年入学式以降「君が代」不起立処分をされ続け、今春の卒業式・入学式ともに減給1ヶ月処分にされた田中さんは、この他に都教職員研修センターに呼び出されて3回、校長によるものが12回、計19回の「再発防止研修」を受けさせられます。思想の転向強要を19回もやられるのです。
 昨年、最高裁判決が「戒告を超えるより重い処分を選択する時には慎重な考慮が必要」としつつ、「不起立前後の態度等」がよくなければ(=不起立が止まらなければ)「戒告を超える重い処分」をしてもいいと判じたことを悪用し、都教委は判決直後に「再発防止研修」の内容、日数を改悪しました。
 そして、わずか1年にしてこの春、田中さんに対し減給1ヶ月処分を出しました。
 この先、都教委は徹底して不起立を続ける者に対しては、「教員不適格」として分限免職処分を狙っているのではないかと危機感を抱きます。田中さんを分限免職にさせない!市民のその声を都教委にきっちり届け、分限免職を阻止せねばと考え、私たちはこの日、板橋特別支援学校前で行動をしました。
 河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会、地域と学校を結ぶ板橋の会、都教委包囲ネットのメンバー15人が参加しました。
 7時15分、出勤する教職員に解雇をさせない会と板橋の会がそれぞれ用意したチラシを配布。受け取りはかなり良かったです。
 8時半、主幹2人が門を閉めにやってきたので、私は校長に用事のあることを告げ、敷地に足を入れました。経営企画室(=一昔前までは事務室と言った)受付に行くまでの間、主幹は「事前のアポがない。校長の許可なく入れば不法侵入」「学校関係者以外は立ち入り禁止」を繰り返しましたが、「通常の受付は経営企画室でしょう」と言うと、それには反論できずじまい。
 経営企画室の前には「待っていました」とばかりに副校長が立ちはだかっていて、私たち(4人)を見るや、主幹と同じセリフを繰り返しました。経営企画室の受付の扉に手をかけると、施錠されていました。校長の指示によるのだということでした。でも、「訪問者は通常受付を通ることになっているのに、それをさせないというのはおかしいではないか」と訴えると、室長は窓口の戸を開けてくれました。
 私たちは室長に校長への要請文を渡し、回答を求めたい旨を話し、校長の回答を訊きに行った室長を待ちました。その間、副校長は何度も「警察に通報する」と言い、傍らにいる主幹の一人に私たちを撮影するよう指示しました。カメラを持つ主幹の手は震えて見えました。指示で動かされる人間の、自己の良心を失っていく初期の段階と感じました。結局前回と同じく、副校長のことばは私たちへの脅しだったようで、警察は来ませんでしたが。
 しばらくして校長の回答を受けて室長が戻ってきました。回答は、「2つ(の団体)に回答はない」というものでしたが、そこで粘るのは止め、応対してくれた室長にお礼を言って、門の外に出ました。
 9時をかなり回っても、都教委指導主事3人の姿が玄関に現れません。「再発防止研修」開始予定の10時少し前に、田中さんが校長室に向かう姿が見えました。ということは、指導主事は玄関以外から校舎に入ったということ? 一体全体どういうこと? 指導主事の判断で?それとも“上司”の判断で? 恥ずかしい行為がなぜとれてしまうのか、理解できません。
 田中さんが取り囲まれ思想の転向を迫られている1時間、私たちは、「『日の丸・君が代』の強制を許さない。処分を許さない」「都教委は『再発防止研修』をやめろ」とシュプレヒコールをし、都教委を監視している私たちの存在をわからせようとしました。
 11時、校長室を出た田中さんの姿が見えました。『再発防止研修』は終了したのだと分かった私たちの次の関心は、指導主事はどこから帰るのか。どこで待ったら会えるか、ということでした。
 5分後、北側に一つある出入口(給食関係の)付近で見ていた私たちの一人が、「職員が靴を持って行った」と叫びました。その直後、校長・副校長に見送られて3人の指導主事が玄関から出てきたので、その靴は3人のうちの一人の靴だったのでしょうか。
 私たちは3人のところに抗議に行きました。前回と同じ指導主事3人でした。「田中さん一人を取り囲んで、今日は何をしたか、説明してください」。「公務でしたことなのだから、あなた方には市民に対し説明責任があるでしょう」。「あなた方には仕事に対する誇りや、良心がないのですか」等々、聞きましたが、3人は都教委のマニュアルどおり、≪目を合わせない、答えない≫に終始。
 駅までの5分ほどの時間では訊きたいこと、伝えたいことが残ったままだったので、私を含む3人は電車で都教職員研修センターのある水道橋駅まで同行しました。高島平駅で電車を待つ時間、そこにいた人たちは私たちの声にこちらを見ます。そこで私はその人たちに事情を説明。すると、何人かの人は大きく頷いてくれました。
 電車に乗ってからは、「都教委のやっていることは拷問だ。拷問は国際的には禁止されているのを知っていますか」などの問いかけも。3人は目を下に向けたままでした。
 しかし、「あなた方3人は良心をなくしたようですが、都教委・研修センターの人の中にも良心を捨てきれなかった人がいますよね。再発防止研修の時に、私たちの監視役で立っていた方が自殺をされたと聞きました。その人は良心を捨てきれなかったのでしょう。私はその方を覚えています。私たちが声をかけると、目を動かして動揺を隠しきれなかった方ですものね」と言うと、男性指導主事はこの時には掟を破って声を発しました。「そんなこと知らない。誰ですか」。この指導主事のことばを聞いて、都教委にとって不名誉な“自殺”は、隠し通す、あるいは揉み消すということなのかと、ぞっとしました。
 3人ともが水道橋で下車しましたが、3人ともが都教職員研修センターに勤務するのではなく、新宿の都庁が勤務地である指導主事や、板橋特別支援学校を管轄する池袋の西武支援センター支部が勤務地である指導主事もいたはずです。ということは、これから3人で今日の報告書の作成をするのだろうか。情報開示請求をしてみよう。
 9月17日(火)には、田中さんを都教職員研修センターに呼び出しての最後の「再発防止研修」が強行される予定です。どうぞ、抗議の声をあげて下さいますように。
  ――――――――――――――――――――――――――――――――――
(注)都教職員研修センター前の抗議行動(9:00〜11:30前後)に参加される方は、
JR水道橋駅、御茶ノ水方面出口で下車、神田川を渡るとすぐです。(徒歩2分)。

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たぶん誰も書いていないこと・・・

T.T.0515(千葉高教組市川支部「ひょうたん島研究会」)

 ここだけの話だが、ぼくは自分のことを、かなり「普通」だと思っている。そんなに「素っ頓狂」なことは考えない、「普通」の人。だがしかし、この間のマスコミ報道を見て、「ぼくってかなり変かも?」と思うことが多々あったりする。
 二つの例を挙げる。「7/21(日)に投開票された参議院議員選挙」と、「8/15(木)の『全国戦没者追悼式』での安倍発言」のこと。

 「参院選挙」については、ぼくが見たマスコミではたぶん誰も書いていないが、「最高殊勲候補は誰か?」ということが、ずっと気になっている。まあ、「殊勲」と言ってしまえば当選者だろうから、東京選挙区の山本太郎とか吉良よし子辺りが該当者なのだと思う。
 実はぼくが本当に気にしているのは、最高「敢闘」候補──つまり、落選者の中で一番「活躍」したのは誰か?──ということであった。
ぼくの一押しは、「新党大地の比例区候補」鈴木宗男さんである。この鈴木さん、『朝日7/4号』によると、次のような人である。

 なお、新党大地はこの日(7/4)、(代表の)鈴木(宗男)氏と同姓同名の木工会社長、鈴木宗男氏(73)を比例区候補として届け出た。

 ぼくはこの立候補した宗男氏のことは、全然知らなかった。いい人なのか悪い人なのか、カッコイイ男なのかそうでないのか? 木工会社に知り合いなどいないので、ぼくがこの人に投票する可能性は、文字通り「ゼロ」だと思う。
 その宗男さん、立候補した7/4からわずか2週間半で、「6万票強」の投票を得た。この票数、当選した渡辺美知太郎(みんな)の5万強より、同じく当選した藤巻健史(維新)の3万票強より、圧倒的に多いのだ。ぼくがこの落選した宗男さんを「最高敢闘候補」として推薦する理由である。
 ただしここまでの文章、最初は見出しを「出す方も出す方(大地代表の鈴木宗男氏)、出る方も出る方(立候補した鈴木宗男氏)、入れる方も入れる方(有権者)」とするつもりだったが、「ポルノ小説」と間違えられると嫌なのでやめたことを、告白しておく。

 次は、「8/15の安倍発言」について。この発言に関連した記事は、ほとんど「語られなかった」ことについてのものであった。例えば、『朝日8/16号』に載った次の言説。

 きのうの政府主催の全国戦没者追悼式で、首相の式辞からアジア諸国への加害責任への反省や哀悼の意を示す言葉が、すっぽりと抜け落ちたのだ。
 今回は、これまで表明されてきた「不戦の誓い」という表現も使わなかった。

ぼくも、この二つのことを「どうでもいいことだ」などと言うつもりはない。でも、この日の安倍発言について言えば、次の部分の方が、ぼくには気になる。

 戦後わが国は、自由、民主主義を尊び、ひたすらに平和の道を邁進(まいしん)してまいりました。
 今日よりも明日、世界をより良い場に変えるため、戦後間もない頃から、各国・各地域に、支援の手を差し伸べてまいりました。
 内にあっては、経済社会の変化、天変地異がもたらした危機を、幾たびか、互いに助け合い、乗り越えて、今日に至りました。

 ぼくもそれなりに多くの文章を読んできたつもりだが、これほど嘘に満ちて傲慢な文章に出会ったことはない。

(13/09/01夜)

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