![]() PAC-3 強行配備1周年 抗議行動 (08.11 自衛隊習志野駐屯地前) |
教育基本法改悪後の教育の現状と私たちの課題 〜11・15大内裕和講演・討論会から〜 |
渡部秀清(松戸馬橋高校分会) |
キョンキョン2題 | (T_T)0440(千葉高教組東葛支部 「ひょうたん島研究会」) |
06教育基本法の実働化と 「日の丸・君が代」強制の現局面(2) |
被処分者(東京都) 近藤順一 |
お知らせ |
11月15日、『教育の現状と私たちの課題』と題して、松山大学の大内裕和氏の講演と討論会(主催:都教委包囲首都圏ネットワーク)が東京で開かれました。
大内さんの講演に先立ち、東京の教育現場から二つの報告がありました。一つは、「分限対応指針」(都教委が2008年7月15日に出したもので「首切り自由ガイドライン」とも言われる)についてです。これについて報告した町田教組のKさんは、以下の三つの大きな問題点を上げました。[1]病休、産休、育休、介護を抱えている教職員に対して、休暇取得の方法までとりあげた配慮を欠いた内容であること。(休みが多ければ分限免職ができるような内容。)[2]東京独自の「主任教諭」職の導入、また教員免許更新制と連動することによって、教職員の使い捨て、低賃金労働化に拍車をかけるおそれがあること。[3]「君が代」不起立による処分者に適用されかねないこと。そしてKさんは、「ここで都教委のさらなる暴走を許せば、『分限指針』も一人歩きし、教免法と相俟って全国に教育破壊を進めることになる」、「来年3月は、今年度解雇阻止を実現した全国の仲間の結集を再度呼びかけます。都教委の『分限処分』攻撃を粉砕する闘いを、根津さん分限解雇阻止の実現から切り開いていきましょう。」と結びました。
もう一つは、都高教のFさんが報告した都教委による「主任教諭導入と人材育成基本計画」についてです。それによると、[1]義務制(小中学校)と高等学校給与表を統合する、[2]主任教諭職を新たにつくり、管理職以外の給与を削減し、現在の賃金水準維持のためには主任教諭⇒主幹と受験しなければならなくする、[3]主任教諭になるには業績評価と職務レポートによる選考がある、[4]レポートテーマは、「自らの実践等をふまえた主任教諭としての具体的な改善策について」。そして、その「主任教諭」は教諭に対する研修責任者となり、現場における教員の階層化がさらに進むだろうとのことでした。
その後、大内さんの『教育基本法改悪以降の教育の現状・問題点と私たちの課題』という講演に移りましたが、非常にわかりやすくかつ新情勢に応じた問題提起もなされました。その中で大内さんは、この間の日本の動きとして、―――1985年のプラザ合意以降、日本企業の多国籍化・グローバル化が進み、海外資産・権益の維持のための財界による自衛隊海外派兵要求が強まり、教育基本法改悪と改憲の動きが強まったこと。しかし、それに対する反対運動の高まりと小泉構造改革が生み出した格差拡大により、2007年7月の参議院選挙による安倍政権の惨敗となったこと。格差社会は1995年に日経連が出した『新時代の「日本的経営」』(注)により一気に進行してきたこと。アメリカに見られるように貧困層を作り出すことにより、兵士へのリクルートが行われるようになること。しかし、安倍・福田内閣は、格差問題と米軍への給油活動延長が困難になって退陣せざるを得なくなったこと。麻生内閣も同じ問題を抱えていること。―――などを述べられました。
最後に「今後の教育運動の課題」として、(1)改悪教育基本法の具体化への反対、(2)格差社会と憲法改悪(特に9条と25条改悪)への反対、の重要性を強調されましたが、とくに「自由」と「社会主義」として、[1]<「日の丸・君が代」「愛国心」強制などの国家・行政による介入に対しては、「自由」を主張すること>、[2]<教育の市場化・商品化をもたらす新自由主義(教育の自由化)に対しては、平等を実現するための「公的規制」(=社会主義)を主張すること>が重要だと述べられました。この[2]にある「社会主義」という言葉に対しては、多くの参加者から「新鮮だ」との感想が出されました。世界金融危機が進行し、仕事や生活が脅かされつつある中、「社会主義」が再評価される時代になりつつあるのかもしれません。
その後包囲ネットから、日教組が十分闘えない状況下で、私達が下から運動を作り上げていく武器になるようなパンフ(季刊予定)を作るために、全国各地から「レポーター&サポーター」を募集することが提案されました。また来年2月8日には、東京お茶の水の全電通会館で、全国の仲間にも呼びかけて、[1]首切り自由の「7・15分限対応指針」反対!、[2]「日の丸・君が代」強制・処分反対!、[3]改悪教育基本法の実働化を許すな!、の三本柱で、『2・8総決起集会』を開くことも報告されました。
(注)日経連が1995年に出した「新時代の『日本的経営』」によると、財界は日本の労働者を以下の3つのグループに分け、労働力の「弾力化」「流動化」「低コスト化」を始めました。
[1]「長期蓄積能力活用型グループ」・・・約1割
<雇用形態>期間の定めのない雇用契約
<対 象>管理職・総合職・技能部門の基幹職
<賃 金>月給制か年俸制、職能給、昇給制度あり
<賞 与>定率+業績スライド
<退職金・年金>ポイント制
<昇進・昇格>役職昇進、職能資格昇進
<福祉施策>生涯総合施策
[2]「高度専門能力活用型グループ」・・・約2割
<雇用形態>有期雇用契約
<対 象>専門部門(企画、営業、研究開発)
<賃 金>年俸制、業績給、昇給なし
<賞 与>成果配分
<退職金・年金>な し
<昇進・昇格>業績評価
<福祉施策>生活援護施策
[3]「雇用柔軟型グループ」・・・5割以上
<雇用形態>有期雇用契約
<対 象>一般職、技能部門、販売部門
<賃 金>時間給制、職務給、昇給なし
<賞 与>成果配分
<退職金・年金>な し
<昇進・昇格>上位職務への転換
<福祉施策>生活援護施策
それから10年以上経ち、小泉構造改革(「新自由主義」の規制緩和政策)により、[3]のグループが急増してきたわけです。つまり格差拡大は政策的になされてきたわけです。しかも、これに対応する形で、「学力テスト」による学校と生徒のグループ分け、「教員免許更新制」や「業績評価」による教員のグループ分け、が現在進みつつあります。
ここだけの話だが、11月16日の日曜日、昼前から夕方にかけて、キョンキョンこと小泉今日子と、「一緒に」過ごした。残念ながら、もちろんデートをしたわけではなく、前半はスクリーン上の、後半は遙か遠くのステージ上の、キョンキョンと一緒だったわけである(たまたまだが、いま11/25の夜、背中のTVから「ヤマトナデシコ七変化」がかかった)。
スクリーンのキョンキョンに出会ったのは、新宿三丁目・角川シネマ新宿で上映された黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』で。映画評など当然書けないし、終盤の「強盗(役所広司)によって強引に家の外に連れ出されてしまう」(朝日9/18夕刊より)場面など、この映画に本当に必要だったのか?とさえ思ってしまう人間なので、ここでは、印象に残った2つのシーンだけ紹介する−キョンキョンの場面ではないが。
映画が始まった途端に首を切られたキョンキョンの連れ合い(香川照之)は、職探しのため、ハローワークで面接を受ける。いくつかの仕事を紹介されたが、「私はある企業の総務課長をやった人間だぞ」と、香川は断る。ハローワークの職員が、「今までと同じ待遇の仕事などないですよ」と言う。
次は、ある会社での面接場面。面接担当者が、香川に、「あなたの得意なことは何ですか?」と問う。香川が自信なげに、「カラオケとか・・・」と答える。若干のやり取りの後、担当者が、「そこのボールペンをマイク代わりに、歌ってみてください」と言う。香川が歌いそびれているところで、場面は切り替わる。
ぼくは、「人材」とか「能力開発」という言葉−というより、考え方そのものがキライである。人間は誰にでも、能力などそんなになくったって、そこそこ幸せに生きる権利があると思っている。
夕方に会ったキョンキョンは、遠くではあったが、生身のキョンキョンである。場所は、三軒茶屋・世田谷パブリックシアター。場面は、『時間ですよ』等をプロデュースした久世光彦(てるひこ)のトリビュート・コンサート。歌とピアノが浜田真理子(この人の事をぼくは知らない)で、久世の文筆作品の朗読者がキョンキョン。ぼくの席は、2階の最上段。キョンキョンの表情など見えない。
一番よかったのが、ディランUの西岡恭三のカバー『プカプカ』。「オレのあん娘(こ)はタバコが好きで〜、いつもプ〜カプ〜カプカ」(漢字等、違うかもしれない)という、アノ歌である。これがなかなかよかった。チャンスがあったら、今度カラオケで歌ってやろう。
一番残念だったのが、『プカプカ』の直後に突然始まった歌。「海〜ゆかば〜、水漬(みづ)くかばね〜。山(や〜ま〜)ゆかば、草むすか〜ば〜ね〜」。
突然だったので、意図がよく分からなかった。歌の後、キョンキョンが久世の文を朗読。「大陸から引き揚げてきたが、戦争の悲惨さを、たくさん見た。繰り返してはならない。『海ゆかば』は、荘厳なメロディーで、戦意を高揚などさせない。良い歌で、好きである」−みたいな話だったと思う。
ぼくは、久世の反戦の意志と善意を疑いはしない。浜田とキョンキョンについても同じである。だがしかし、『海ゆかば』を良い歌だとは、絶対に思わない。
以前、小沢昭一がステージでこの歌を唄うのも聴いたが、その時、小沢は言っていた。「『海ゆかば、山ゆかば』、カバばっかり出てくる歌だ。『大君の辺(へ)にこそ死なめ』、人を殺してばっかりの歌だ」。ぼくは、久世の感性によりも、小沢の感性に同感する。
それにつけても、キョンキョンに会えて、ウレピかった。まさに、『あなたに会えてよかった』って感じである。
最後に、この『ひのきみ通信』の読者に質問を一つ。キョンキョンの「デビュー曲」って何? 実はぼく、売れる前のキョンキョンを間近に見たような記憶があるのだが、あまり自信がない。曲名が分かれば、ぼくの記憶の正しさが証明されるかもしれない。
(08/11/25夜)
2.戦後史の偽造
前項1で、06教育基本法の具体的な実働化について「日の丸・君が代」強制とも関連させて見てきた。ここでは06教育基本法の理念ともいえる戦後史のとらえ方から検討したい。47教育基本法が、アジア・太平洋戦争による帝国の崩壊と反ファショ国際戦線の勝利を背景として成立したことは言うまでもない。日本国憲法や47教育基本法の成立に一部の日本人も貢献したことは明らかだが、基本的な枠組みは国際的に規定されていたと思う。そのことをもっていわゆる「押しつけ憲法論」や「改憲」の根拠とする浅はかな傾向が今もある。そうではなく、戦後体制確立期に能動的に機能した日本人が少なかったことは、逆に戦後における「不断の努力」が一層要請され、これからも必要な犠牲が払われなければならないこと、そうしてこそ「理想」を一歩一歩実現できることを示していると思う。けだし、日本の周辺諸国人民が身をもって示したごとく「独立、民主や人権はただではない」のである。
軍備増強と海外派兵の肯定
さて、敗戦を背景とした47から06へもう一つ決定的に改変、付加されたのは戦後史の規定である。06教育基本法はその冒頭で言う。
「我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家をさらに発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。」
さすがにここでは「平和的な国家」とは言わないが、「民主的で文化的な国家」という。本当にそうだろうか。警察予備隊から保安隊そして今では世界有数の軍事力、自衛隊を保有し海外派兵に至った。戦後一貫して朝鮮、ベトナム、湾岸、アフガン、イラクの各戦争へとアメリカに追随しつつ参入し、「経済成長」のバネとし、今もイラク戦争に参戦している。国家の基本法である憲法に違反して派兵を続ける「民主的で文化的な国家」があろうか。
小泉元首相の靖国参拝の論理は次のようであった。「首相は元日の靖国参拝について『A級戦犯がいようがいまいが、戦没者の犠牲のうえに日本の平和と安定がある』と述べ、A級戦犯の合祀とは無関係と説明。」(04.2.11毎日新聞)戦後の「平和と安定」は、帝国の軍部はじめ戦争を推進、継続しようとする勢力が打倒されてこそ成立したことを知るべきだ。福田首相は「国としても、唯一の被爆国として、広島、長崎の悲劇を二度と繰り返してはならないと固く決意し、戦後一貫して国際平和への途を歩んでまいりました。」(2008.8.6広島平和記念式典でのあいさつ)と述べた。歴史修正主義とは、あのアジア・太平洋戦争を“「自存自衛」「アジア解放」の戦争”として侵略戦争の責任をとろうとしないことだが、戦後史の偽造と認知も歴代政権の悲願だった。戦後日本が「平和の途を歩んできた」ことを内外に認知させることに腐心してきた。そして、06教育基本法でその第1歩を踏み出した。
「平和国家」の「国際貢献」
これは、すぐさま国際関係にも波及した。2008年5月に行われた胡錦濤訪日による「日中共同声明」では次のように展開された。
「中国側は、日本が、戦後60年余り、平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献してきていることを積極的に評価した。…中国側は日本の国際連合における地位と役割を重視し、日本が国際社会で一層大きな建設的役割を果たすことを望んでいる。」(外務省ホームページより)
そして、ほとんどのマスコミ・ジャーナリストはこれを評価した。
「成熟した関係」として「今年の胡錦濤訪日では『戦後日本の平和発展』『中国の経済成長に対する日本の協力』『戦争への反省』につき日本の言い分の通りと認めた。」(2008.7.30朝日新聞「論壇時評」松原隆一郎)
また、『世界7月号』は「胡錦濤訪日の意義 日中は新たな関係を築くことができるか」として3氏の対談を掲載しているが、3氏がともに手放しでこの部分を評価した。
「日本の戦後の歩みを評価して文章化し、戦争についてはあまり言わないというのは、政治レベルでも大きな動きです」(興梠一郎)
「この一文も画期的です。」(東郷和彦)
「両国とも相手の現在の体制―中国の改革・開放政策、日本の戦後六〇年の平和の歩み─を評価し…わずか一年前までいわゆる『価値観外交』が出されていましたが、明らかにそれを越えるものです。」(朱建栄)
餃子、チベット、オリンピックなどを背景として、日本は譲歩を迫ったものと見られる。「互恵関係」が進展することに異論はないが、虚構はいつか歪みを来す。何よりも日本の戦後史がまるごと平和の歩みとして肯定されるなら、今後も国益と国際貢献のために日本国軍自衛隊は世界に乗り出していくことが容認される。
こうして06教育基本法は教育の「統制」と「排除」を推進するとともに、日本国憲法と対立する理念と現実を肥大化させて行くであろう。
3.現在の局面と動向
これまで述べてきたように06教育基本法の実働化により、教育内容、教員への統制など全般的な教育再編成が進められている。いくつかの具体的な結節点を指摘しておく。
A: 憲法を撃つ「教育」
06教育基本法の歴史観、理念は日本国憲法の理想と対立するものであり、他の改憲の動向とも合わせて矛盾は激化するであろう。さらに、この法律及び関連する教育施策によって進められる教育内容で育てられる国民は、日本国憲法との相違を感じるかも知れない。憲法を包囲し、憲法を蚕食していく土壌が日々つくられていくことを意味する。
「日の丸・君が代」を語ることは、結局のところ国家のあり方、その最高法規である憲法を問題にすることである。06教育基本法第14条でも規定されている「政治的教養」の意味が問われている。今後、現場の教育実践と市民との連携はますます重要になっている。
B: 教育の統制と「日の丸・君が代」強制の全国化
06教育基本法とその具体化である施策によって、教育の統制は全国化し、一層深化するであろう。これに対してどのようなとりくみを進めるかは教職員個人にも、教職員組合にも問われている。これは、教育の自由、子どもの権利である学習権の侵害の問題であり、日々、学校現場で問われる。
そして、予断を許さない段階に来た「日の丸・君が代」強制反対運動は、不起立・不斉唱を含む多様で広範な持続的とりくみが求められている。先述したように現職の教職員には誰にも効果的行動を起こす可能性があり、その可能性を追求し実現することが要請されている。特に我々被処分者は、自らの理念と行動(不起立・不斉唱・不伴奏)の意義や共同の訴えを、人事委員や裁判官に語るだけでなく、同僚の教職員、市民、都民に直接提起しなければならないと思う。
C: 問題の核心が追求されるべき
「日の丸・君が代」強制の本質は教育の統制であり、それを突破口に従順な国民、国家主義を容認する国民を創出することである。それに抵抗する者を排除する挙に出ている。被処分者の部分的損害が回復されて済むものではない。
名古屋高裁の「自衛隊イラク派兵違憲」判決は、教訓的だ。
「なによりも原告である市民たちにとっては、この違憲判断によって自分たちが提起した訴訟目的は実際上十分に満足すべき程度において達成されたのである。しかるがゆえに、本件訴訟は─…かれらの訴え(「平和的生存権」にもとづく請求)は退けられたにもかかわらず─かれらは勝ったも同然であった。(そう感じたればこそ、かれらは、あえて上告手続きをとらなかった)。」(『世界2008.7』「“違憲”判決の意義」奥平康弘)
「傍論」であっても核心部分の前進は運動にプラスである。
「日の丸・君が代」裁判では、「2.7判決」や都教委の「分限事由に該当する可能性がある教職員に関する対応方針」などから見ると、次のような方向も予想される。
このような悪質な妥協をけっして許してはならない。私たちの目的は、学校現場における強制を止めることであり、人事委員会審理、裁判も1つの方法であるが、その前進のためにも現場でのとりくみが重要である。
おわりに
都教委のやり方はずいぶん荒っぽいものであり、現在さらにエスカレートしている。その点で意表をつくものであるが、06教育基本法成立以後の矢継ぎ早の実働化施策は、これまで見てきたように学校現場の統制を進め、沈滞化させるだろう。特定の無差別殺傷事件、「不登校児童・生徒」の増加などを逆手にとって規範教育を強化しようとしている。
ナチスドイツの台頭支配の情況を証言している『彼らは自由だと思っていた』(M.マイヤー)には、「どのステップもきわめて徐々に、しかも気がつかない形で進行し」「考える時間がなかった。どんどん事態が進行した」こと、「何十人、何百人、何千人の人たちが、あなたと一緒に行動するというショッキングな大事件は絶対に起きません。」という戒めの言葉を伝えている。これは何人かの論者がとりあげている。
もう一つ、「第14章 集団の罪意識」で証言されていることがある。
「私たちがしようとしたのは、つねに行き過ぎにたいする反対でした。計画の全体にたいする反対や…精神全体にたいする反対ではありませんでした。しようとすれば毎日何らかの効果をあげることができる精神全体にたいする反対に比べれば、したところでもちろん効果のない行き過ぎにたいする反対のほうが、ずっと容易なことです。」
「日の丸・君が代」強制反対運動も、多くの教職員、市民が“これはまずい”と思いながらも、実際に学校現場で行動を起こす者はきわめて少数であり、この少数者に対して徹底的な攻撃がかけられているのである。“「停職・解雇」や「分限処分」まで至るのはひどいじゃないか”とか、中には、“「職務命令」が出ているのに不起立を重ねるからひどい処分が下される”という意見さえある。これらは善意であれ、揶揄であれ、無力だ。正面から訴え行動する一言・一歩こそが未来をつくる。
我々教職員が先述したように行動の可能性を追求するとともに、各界、各層の運動、特に改憲に反対する運動と結合することが重要であると思う。そのためには、事態の緊急性を内外に明らかにし、被処分者を経済的、精神的に救援するとりくみを提起しなければならない。
この拙論が、皆さまの参考となり、抵抗の歴史を紡ぐための一筋の糸となれば幸いです。ご批判、ご意見、よろしくお願いいたします。
(完)
〜12月7日(日) | 「戦争と市民」 14:00〜,19:00〜 | 下北沢・スズナリ | |
11月29日(土) | 13:30〜 | 東京・教育の自由裁判をすすめる会 総会&記念講演 講師:醍醐聰 |
日本教育会館7F会議室 (地下鉄神保町6分) |
11月29日(土) | 13:30〜 | 高岩仁監督追悼上映「戦争案内」 | 市川教育会館(市川南口7分) |
11月29日(土) | 18:30〜 | 沖縄・反戦地主の闘いと展望 照屋秀伝(反戦地主会会長) | 中野商工会館3F |
11月30日(日) | 9:30〜 | 水俣―言葉が邪魔する世界―石牟礼道子の世界を想いながら 講師:最首悟 11:00〜対談:阿木幸男 13:30〜話し合い |
代々木オリンピックセンター セ-307 |
11月30日(日) | 午後 | 六ヶ所再処理工場に首都圏からNO! | 上野水上音楽堂 |
11月30日(日) | 12:00〜 | 「家族・私有財産・国家の起源」を読む | 船橋中央公民館(船橋南口) |
11月30日(日) | 13:15〜 | 教育問題リレー討論「大学の現在から見える、 小・中・高教育のゆくえ」 講師:高橋一行 |
金町地区センター(JR金町北口3分) |
11月30日(日) | 13:30〜 | 人権とジャーナリズムを語る 講師:山口正紀 | かながわ県民センター1501 |
12月1日(月) | 13:10〜 | 増田都子さん不当解雇撤回裁判 | 東京地裁601 |
12月1日(月) | 18:30〜 | 湯浅誠さんと考える格差・貧困問題 | 港区立勤労福祉会館(田町駅三田口5分) |
12月1日(月) | 18:30〜 | 「哀しみの南京」上演 | くにたち市民芸術小ホ-ル(国立南口よりバス) |
12月2日(火) | 「哀しみの南京」上演 14:00〜,18:30〜 | 三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹駅よりバス) |
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12月2日(火) | 18:30〜 | 五単産共闘平和集会 | 千葉市民会館3F会議室 |
12月4日(木) | 10:00〜 | 普通学級で学ぶ障害児の中学進学相談会 | 千葉市民会館3F第6会議室 |
12月5日(金) | 8:30〜 | 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 東京金曜行動 | 品川駅新幹線口集合 |
12月5日(金) | 14:30〜 | 渡辺厚子さん「長期勤続休暇」裁判 | 東京地裁723 |
12月5日(金) | 18:30〜 | 千葉県憲法集会「武力による国際紛争の解決はない」 | 千葉市文化センター5F |
12月5日(金) | 18:30〜 | 「哀しみの南京」上演 | 日野市民会館小ホール(中央線日野15分) |
12月5日(金) | 18:30〜 | 「戦争反対・壊憲反対」集会 講師:内田雅敏ほか | 文京区民センター(地下鉄春日) |
12月5日(金) | 18:30〜 | これ以上アフガニスタンを忘れないために 柴田和重,前田朗 | 東京しごとセンター講堂(飯田橋) |
12月6日(土) | 13:00〜 | 千葉高教組県教研・各教科別分科会 | 千葉県教育会館 |
12月6日(土) | 13:00〜 | がんばって、仕事も家庭もゲットする 講師:宮本まき子 | 八千代市総合生涯学習プラザ |
12月6日(土) | 13:30〜 | 政治の変革をめざす市民連帯千葉懇話会 「非核非武装中立宣言運動」 講師:安藤洋 |
船橋勤労市民センター(船橋南口5分) |
12月6日(土) | 13:30〜 | NPO現代の理論・社会フォーラム・シンポジウム 「『アイヌ先住民族国会決議』を考える」 藤岡美恵子,島崎直美,星野工氏 |
専大神田校舎1号館3F |
12月6日(土) | 14:00〜 | 世界金融危機はなぜ起きたのか 鎌倉孝夫 | 千葉県教育会館304 |
12月6日(土) | 18:00〜 | アジアフォーラム横浜・証言集会2008 | かながわ県民センター・ホール |
12月6日(土) | 18:30〜 | 「日の丸・君が代」をめぐる情景 朗読劇と歌の夕べ | 東京しごとセンター |
12月7日(日) | 19:00〜 | 「トラ・トラ・トラ」 佐渡山豊、中山ラビ、遠藤ミチロウ | ZHER THE ZOO YOYOGI(代々木1-30-1 代々木パークビルB1F) |
12月8日(月) | 18:30〜 | 戦争はなぜ起きたのか、今も戦争の危機は続く 上野健一 | 千葉市文化センターセミナー室 |
12月9日(火) | 14:00〜 | 千葉高教組県教研・国語分科会「音読・朗読の力」 | 千葉県教育会館202 |
12月10日(水) 〜28日(日) |
10:00 〜20:00 |
水俣・千葉展 | 千葉県労働福祉センター (モノレール市役所前5分) |
12月10日(水) | 18:30〜 | NPO現代の理論・社会フォーラム「現代の労働研究会」 「グローバルゼーションと労使関係」講師:田端博邦 |
専修大学神田校舎1号館13F13A |
12月10日(水) | 18:30〜 | 南京大虐殺幸在者証言集会 | 神戸学生青年センター |
12月10日(水) | 19:00〜 | アムネスティ世界人権宣言60周年記念コンサート 鬼太鼓座×OKI |
新宿文化センター大ホール (新宿三丁目10分,地下鉄新宿苑前12分) |
12月12日(金) | 8:30〜 | 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 東京金曜行動 | 品川駅新幹線口集合 |
12月12日(金) | 13:30〜 | ちゅうおう9条の会・平和の集い 「映画『母べえ』から今を考える」講師:野口宏 |
白幡会館(千葉市中央区白幡 今井町診療所隣り,JR蘇我20分) |
12月13日(土) | 9:30〜 | 千葉高教組県教研平和・人権・民族分科会 「続・君が代不起立 あきらめない」上映 |
千葉県教育会館202 |
12月13日(土) | 9:30〜 | 千葉高教組県教研生活指導分科会 「生活指導を通して同僚とつながる」講師:塩崎義明 |
千葉県教育会館2F |
12月13日(土) | 13:00〜 | 終焉に向かう原子力 講師:小出裕章・田中三彦・広瀬隆 | 明治大学リバティタワー1001 |
12月13日(土) | 13:30〜 | 千葉高教組県教研全体会 「教員免許更新制度で学校教育はどうなるのか…」田中康彦 |
千葉県教育会館203 |
12月13日(土) | 14:00〜 | 東京地教研「池袋〜『ヤミ市』から副都心へ」 | 東京芸術劇場正面エスカレータ前集合 |
12月13日(土) | 14:00〜 | 南京事件71周年集会 野中広務 対談:笠原十九司,能川元一 | 明治大学リバティタワー3F1032 |
12月14日(日) | 13:00〜 | 国鉄闘争勝利集会 | すみだ産業会館(JR錦糸町2分) |
12月14日(日) | 13:00〜 | 難民問題講座1 クルド問題 | 新宿元気館(副都心線西早稲田) |
12月14日(日) | 13:30〜 | 南京大虐殺から71年 東京証言集会 「南京NANKING」上映 黄恵珍 上丸洋一(朝日新聞記者) |
総評会館2F(御茶ノ水8分) |
12月14日(日) | 13:30〜 | 「戦争の歴史」第1回学習会 | 平塚市富士見公民館1F第2会議室 |
12月14日(日) | 14:00〜 | ちば人権展「水俣から人権と経済を考える」川本ミヤ子,金子勝 | 千葉県労働福祉センタ-(モノレ-ル市役所前) |
12月14日(日) | 18:00〜 | 「天皇即位20年奉祝」やめろ! 12.14集会 天野恵一 | 南部労政会館(JR大崎) |
12月15日(月) | 15:00〜 | 北九州「君が代」訴訟=ココロ裁判 高裁判決 | 福岡高裁501 |
12月16日(火) | 14:00〜 | 解雇撤回裁判控訴審第5回口頭弁論 13:30集合 | 東京高裁102 |
12月19日(金) | 8:30〜 | 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 東京金曜行動 | 品川駅新幹線口集合 |
12月19日(金) | パギやん声体文藝館「青春の門(筑豊編)」 14:00〜,19:30〜 | 杉田劇場(根岸線新杉田3分) | |
12月20日(土) | 14:00〜 | 増田都子さん「多田瑤子反権力人権賞」授賞式&交流会 | 総評会館(御茶ノ水8分) |
12月20日(土) | 18:15〜 | 連続セミナー「〈ナクバ60年〉を問う」4 | 文京シビックセンター4F シルバーセンターホール(地下鉄後楽園) |
12月21日(日) | 13:30〜 | 千葉「障害児・者」の高校進学を実現させる会20周年記念集会 「自立に向かって邁進せよ」北村小夜・平本歩・仲井秀和 |
千葉県教育会館501 |
12月23日(火) 〜26日(金) |
東京演劇アンサンブル「銀河鉄道の夜」 | ブレヒトの芝居小屋(西武武蔵関北口7分) | |
12月24日(水) | 11:00〜 | 鉄建公団訴訟結審 | 東京高裁101 |
12月25日(木) | 15:00〜 | 東京「君が代」裁判第一次訴訟結審 | 東京地裁103 |
12月26日(金) | 8:30〜 | 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 東京金曜行動 | 品川駅新幹線口集合 |
1月4日(日) | 「続・君が代不起立 あきらめない」上映 13:10〜,16:25〜 「君が代不起立」上映 14:40〜 |
千葉市生涯学習センター メディアエッグ(JR千葉東口8分) |
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1月10日(土) | 14:00〜 | 東京地教研「星野さんの『バタヤ社会』の40年後」 | 西新井駅西口階段下集合 |
1月11日(日) | 18:00〜 | 政治の変革をめざす市民連帯神奈川懇話会 「韓国併合100年 友好と和解」話題提供:岡田卓巳 |
川崎市中原市民会館(武蔵小杉) |
1月18日(日) | 高岩仁監督追悼上映会「資本主義は戦争を必要としている」 上映10:05〜,11:00〜,14:30〜 講演13:30〜高嶋伸欽 |
明治大学リバティタワー1001 | |
1月18日(日) | 18:00〜 | 政治の変革をめざす市民連帯記念講演会 「憲法第9条と平和維持活動」講師:伊勢崎賢治 |
アカデミー茗台(地下鉄茗荷谷) |