ひのきみ通信 第141号

2008年5月10日



2008年 5.3憲法集会(東京・日比谷公会堂)

目次

「9条世界会議」に15000人
 ─ 5/4全体会報告 ─
みつはし ひさお(船橋西高分会)
『丘を越えて』3題 (T_T)0424(千葉高教組東葛支部
 「ひょうたん島研究会」)
お知らせ

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「9条世界会議」に15000人
─ 5/4全体会報告 ─

みつはし ひさお(船橋西高分会)

 5月4日より3日間、千葉市の幕張メッセで開催された「9条世界会議」の、第1日全体会に参加した。その熱気に満ちた会場風景を報告したい。
 13時30分の開会より1時間近く前に会場に到着した。入口にはすでに長い列ができている。会場に入ると、ボランティアの若者たちが座席の誘導をしている。すでに8割がた満席で、ドーム屋根の天井に近い席に通された。ここからでは、メインステージまでは遠いし、ステージを横からのぞき込むような形になり、けっして良い席ではない。まあ、もっと早く家を出るべきであったか。
 このイベントホールの大きなアリーナに満席の参加者の熱気の中、実行委員を代表して「ピースボート」の吉岡達也さんが開会を宣言した。
 第1部では、まず北アイルランドの平和運動家でノーベル平和賞受賞者のマイレッド・コリガン・マグワイアさんが基調講演し、北アイルランド和平の体験から、暴力によらずに紛争を話し合いで解決することの重要性を強調した。アメリカの平和運動家で国連平和ビューローのコーラ・ワイスさんがこれに続いて基調講演した。
 海外ゲストの“GPPAC”(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)、“IADL”(国際民主法律家協会)の紹介のあと、「9条ピースウォーク」が会場に到着した。同ピースウォークは、71日前に広島を出発し、各地で平和を訴え、前日には日比谷で憲法集会に参加して銀座をパレードし、その後もここまで歩き通して来たものだ。
 さらに、「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さん、元日弁連会長の土屋公献さんのあいさつにつづき、池辺晋一郎さんの指揮による「ねがい」「第9」の大合唱で第1部を閉じた。
 第2部では、ガーナから西アフリカ平和構築ネットワークのエマニュエル・ボンバンデさん、憲法第25条を書いたベアテ・シロタ・ゴードンさん、韓国弁護士の李錫兌さん、コスタリカから国際反核法律家協会のカルロス・バルガスさんによるトークを挟んで、ピースボート・ダンスプロジェクト、高橋竹山、ナターシャ・グジー、AINU REBELS、普天間かおり、亀渕友香らによるパフォーマンスが演じられた。
 最後に、イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんを中心に、アメリカの反戦活動家アン・ライトさん、イラク人道支援ワーカーのカーシム・トゥルキさん、アメリカのイラク帰還兵エイダン・デルガドさん、作家の雨宮処凛さんによる、「イラク、アメリカ、日本」と題するトークセッションが行なわれた。
 この時点で、すでに19時を回っていた。6時間もの濃密な時間を過ごしたわたしは、ここで挫折して帰宅の途についた。
 第3部は、UA、原田真二、FUNKIST、加藤登紀子によるミュージック・ライヴが開催されたはずだ。T.T.氏によると、すべてが終了したころには、22時を回っていたとのことである。
 この日の入場者数は、延べ1万2000人。外には、入場できなかった人たちが、3000人も自主交流集会を開いていたそうだ。あまりの参加者数のため、かろうじて高教組のUさんや「戦争はいやだ!市川市民の会」のYさんを見かけたが、ほかにも参加していたであろう知人たちには会うことができなかった。
 「日本国憲法第9条」を足がかりに、世界の憲法に非武装条項を加えようという今回の呼びかけは、これまでとかく「9条を守ろう」という(もちろんこれも大切なのだが)守勢になりがちだった日本の平和運動が、逆に世界に向かってその意義を呼びかけ広めて行こうという、日本のそして世界の平和運動にとって画期的な意味を持つものであったと思う。さらに、この呼びかけに多くの若者たちが答え、運動を担ってくれたことは、これからの日本の平和運動にとって、たいへん明るい展望を開いたことになる。参加者の若者が「9条ってカッコイイ!」と言っていた。この言葉こそ、これからの平和運動の新しいスタンスになるのではないだろうか。

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『丘を越えて』3題

(T_T)0424(千葉高教組東葛支部「ひょうたん島研究会」)

 もはや旧聞に属することになってしまったが、3月21日夜、錦糸町・すみだトリフォニーホールで行なわれた『矢野顕子リサイタル』を、今年3回目のコンサート(的なもの含む)として観た。76年のデビュー作『ジャパニーズ・ガール』−米バンドのリトル・フィートが参加、個性的な矢野の歌唱や楽曲との共演が話題を呼んだ−を、生ピアノの弾き語りで再演したものである。
 ・・・などとエラそうに書いたが、この部分は、音楽評論家・今井智子のステージ評(朝日4/4夕刊)からパクったものである。ぼくは音楽のことなど当然知らないから、オリジナルな文を書くと次のようになる。

 (以前「新宿ピットイン」の公演に行った)浅川マキと同じで、ぼく、矢野顕子の歌って、ほとんど知らないことに気づきました。76年のデビュー・アルバム『JAPANESE GIRL』の曲を中心に歌ったのだけれど、たぶん『丘を越えて』し
か知らないと思いました。
 あと、墨田区での演奏ということで、「春のうら〜ら〜の、す〜み〜だ〜がわ〜」というのもやったけど、ぼくの表記は原曲通りだけど、矢野のアレンジは完全にぶっ壊しちゃってるので、別の曲みたいです。
 まあ、ホールも立派で、眼福というか聞福(ぶんぷく?)というか、優雅な夜でした。

(翌3/22未明配信のメール『支部連絡』より)

 『丘を越えて』もメチャクチャなアレンジではあるが、最後が「いざゆけ〜、遙か希望の丘を越え〜え〜て〜」という明るい曲だから、まあ良しとしよう。

 ぼくの話は、丘も越えるが時空も越える。「矢野コンサート」から一月(ひとつき)以上経った4月26日夜、ぼくは新宿の紀伊國屋ホールにいた。今年5回目のコンサート『小沢昭一歌のステージ/唄って語って僕のハーモニカ昭和史』を観るためである。
 小沢も『丘を越えて』を歌ったが、こちらは「正調」なので、この曲については書くことがない。『ひのきみ通信』の原稿なので、ドサクサにまぎれて「軍歌」について書く。まず、小沢の公演以前に書かれた紹介記事から引用する。

 「ハーモニカ昭和史」は伴奏は木藤義一のピアノだけ。小沢が戦前・戦後の流行歌や童謡を歌い、社会の移り変わりや自らの戦争体験を語る。中に2曲だけ軍歌を挟む。
 「今軍歌を歌うと、何でこんな馬鹿なことを言っていたんだろうと思いますよ。反戦を訴えるのに一番簡単なのは軍歌を歌うこと。」

(朝日4/21夕刊)

 コンサートで実際に歌われたのは『海ゆかば』−「海〜ゆかば〜、水漬くかばね〜、山〜ゆかば〜、草むすかばね〜」という例のヤツである。歌った後、小沢は言った。「海で死ね! 山で死ね! そして、大君のそばでも死ね! 最初から最後まで死ね!と言っている歌だ。」
 次に歌った『同期の桜』だって、「咲いた花な〜ら〜、散〜るの〜は覚悟、見事散りま〜しょ〜、国のため」。ここでも「死ね!」−というよりむしろ、自ら「死ぬ!」と歌わせている。

 4月27日、今年11本目の映画として、銀座・シネスイッチで『さよなら。いまにわかること』を観た−といっても、この映画自体は、この雑文の主題とは何の関係もない。
 主題は、予告編で流れた映画『丘を越えて』の中にある。高橋伴明監督(高橋恵子−というより、ぼくらの世代にとっては関根恵子だが−の連れ合い)・西田敏行主演の映画である、主題歌は当然ながら同名の『丘を越えて』であり、つじあやのという歌手が歌っていた。明るく、ノリの良い曲で、「観てもいいかな?」と思った。
 でも、ぼくがこの映画を観ることは、絶対にないであろう。高橋にも、西田にも、つじにも、そして脚本の今野勉(TVマンユニオンか?)にも、まったく何のウラミもない。
 ただ、原作者だけはいけない。猪瀬直樹。アノ石原都政の副知事をやっている人間とは、ぼくは映画の中でさえ、付き合いたいとは思わない。

(08/05/06)

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お知らせ

5月10日(土) 10:00〜 講師のつどい 論文・模擬授業・面接対策&演習 千葉県教育会館304
5月10日(土) 10:00〜 Thai Festival 2008 代々木公園イベント広場
5月10日(土) 13:30〜 ハンセン病市民学会「療養所の社会化の意義を考えよう」 日本教育会館一ツ橋ホール
5月10日(土) 19:00〜 琉球センターどぅたっちライブ「ポスティング判決NO!緊急ライブ」  
5月11日(日) 9:30〜 ハンセン病市民学会 9:30〜分科会 13:00〜フィールドワーク 多磨全生園
5月11日(日) 13:00〜 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会 横浜市教育会館
5月11日(日) 13:30〜 勤労者自主講座「チベット問題と中国の社会体制」 豊島勤労福祉会館(JR池袋7分)
5月13日(火) 15:00〜 「君が代」解雇裁判第3回口頭弁論 14:30集合 東京高裁101
5月13日(火) 15:00〜 強制連行長野事件訴訟 東京高裁805
5月14日(水) 18:30〜 沖縄戦と基地・そして… 講師:柴田健 寸劇「ザ・教科書」 文京シビックセンター4F
5月15日(木) 11:00〜 海南島戦時性暴力事件 東京高裁
5月15日(木) 13:30〜 「ここから」裁判 最終弁論 東京地裁103
5月15日(木) 13:30〜 横浜条件附採用者退職強要事件判決 横浜地裁502
5月16日(金) 13:00〜 たんぽぽの会例会「私の年金はどうなるの…」 曽我浩 今井町診療所(JR蘇我18分)
5月16日(金) 18:30〜 見つめよう!沖縄・沖縄戦の真実を 朗読:原田鮎子 講演:山田朗 武蔵野公会堂
5月17日(土)
-6月1日(日)
  731部隊展 小平市中央公民館プロムナード
 (西武多摩湖線青梅街道5分)
5月17日(土)
 〜18日(日)
   地理教育研究会関東ブロック集会「福島県泉崎村を訪ねる」  
5月17日(土) 13:30〜 憲法・平和研究会「立川反戦ビラ事件最高裁判決を批判する」
 報告:内田雅敏
専修大学神田校舎7号館(大学院棟)784
5月17日(土) 14:00〜 人びとが創るもうひとつのアジア 韓国YMCA B1ホール(JR水道橋6分)
5月17日(土) 14:00〜 門真市の「君が代」起立強制職務命令に講義する!
 「日の丸・君が代」強制ホットライン報告集会
大阪国労会館中会議室(環状線天満2分)
5月17日(土) 18:30〜 市民憲法講座「自衛隊海外派兵恒久法について」飯島滋明 文京区民センター3C
5月18日(日) 13:00〜 パッパーズ「母の日」コンサート 千葉市民会館大ホール(JR千葉7分)
5月18日(日) 13:00〜 神奈川証言集会 証言:絵鳩毅 講師:金子マーティン かながわ県民センター305
5月19日(月) 11:00〜 増田さん分限免職取り消し裁判 東京地裁631
5月20日(火) 9:00〜 もんじゅ西村裁判 東京高裁
5月21日(水) 18:30〜 「壊憲・国民投票法体制を撃つ」集会 文京区民センター
5月23日(金) 17:30〜 沖縄修学旅行学習会 神奈川県高校教育会館(相鉄線西横浜10分)
5月23日(金) 19:00〜 琉球センターどぅたっちライブ「皮に刻まれた物語4」
 舘野公一,中川龍也
 
5月24日(土) 10:30〜 「月桃の花」大学生による自主上映 10:30〜,14:30〜
 講演:大城将保 12:30〜
大田区民センター(JR京浜東北線蒲田10分)
5月24日(土) 13:00〜 講師のつどい 一般教養対策1 千葉県教育会館304
5月24日(土) 13:00〜 第22回憲法フェスティバル
 鳥越俊太郎・井筒和幸・澤田若菜・澤田昭子・寿
九段会館大ホール(地下鉄九段下3分)
5月24日(土) 13:00〜 「アルメニアの日」VTR&講演&ダンス教室 新宿スバルビル(新宿西口)
5月24日(土) 13:30〜 検定制度改革の方向をさぐる 豊島区生活産業プラザ(池袋7分)
5月24日(土) 14:00〜 ノーモア南京の会2公開学習会
 「父の語った戦争、語らなかった戦争」 報告:坪井顕雄
亀戸文化センター美術室
 (カメリア・プラザ6F:JR亀戸北口2分)
5月24日(土) 14:30〜 現代の理論・社会フォーラム総会記念講演
 「グローバリゼーションと東アジアの地域統合」
専修大学神田校舎1号館8A
5月24日(土) 18:00〜 六ヶ所再処理工場ともんじゅ―反対運動の展望―
 対談:広瀬隆&槌田敦
文京区民センター
5月25日(日) 11:00〜 大城将保さん特別集中講義「沖縄の歴史と文化」 青山学院大学14号館14509
5月27日(火) 19:00〜 社民党政治スクール「沖縄基地問題と社民党の平和政策」
 山内徳信(参議院議員)
保坂展人事務所(小田急線経堂3分)
5月28日(水) 13:30〜 田畑先生再雇用拒否理由捏造控訴審 東京高裁808
5月28日(水) 16:00〜 豊中「日の丸・君が代」処分撤回裁判口頭弁論 大阪地裁809
5月29日(木)
-6月1日(日)
  平和のための戦争展inよこはま かながわ県民センター(横浜西口5分)
5月29日(木) 15:00〜 板橋高校卒業式事件控訴審 14:30過ぎより傍聴抽選 東京高裁102
5月29日(木) 19:00〜 レスター博士(バターン死の行進生存者)来日講演会 テンプル大学三田校舎
5月31日(土) 13:30〜 障がい児の公立高校進学相談会 千葉市民活動センター(モノレール市役所前)
5月31日(土)
-6月1日(日)
  第11回平和教育交流会議
 31日14:00〜「南京事件をめぐる記憶と対話」笠原十九司
 1 日 9:00〜「小村寿太郎家の系図から
          ―日中関係の研究を考える」今井清一
総評会館(千代田線御茶ノ水3分)
5月31日(土) 16:00〜 「君が代不起立」上映会 千葉市生涯学習センター(JR千葉北口7分)
5月31日(土)
-6月1日(日)
  東京演劇アンサンブル「明日を紡ぐ娘たち」 前進座劇場
6月1日(日) 12:00〜 反弾圧・反警察集会 代々木八幡区民会館(小田急線代々木八幡)
6月1日(日) 13:30〜 アフガンの地から平和憲法を考える 講師:中村哲 千葉県教育会館大ホール
6月1日(日) 18:00〜 琉球センターどぅたっちライブ「歌と映画と新曲披露」趙博  
6月2日(月) 13:10〜 東京「君が代」裁判第一次訴訟 東京地裁103
6月2日(月) 13:30〜 鉄建公団訴訟(JR東海会長尋問) 東京高裁101
6月5日(木) 14:30〜 不採用裁判第1回控訴審 東京高裁817
6月5日(木) 18:30〜 青年劇場「族譜」 神奈川青少年センターホール(桜木町10分)
6月6日(金)
 〜8日(日)
  東京演劇アンサンブル「明日を紡ぐ娘たち」 ブレヒトの芝居小屋
 (西武新宿線武蔵関北口7分)
6月7日(土) 10:30〜 子どもと教科書全国ネット21結成10周年記念講演
 報告:小森陽一 講演:藤田英典
文京区民センター3A(地下鉄春日)
6月7日(土) 13:00〜 講師のつどい 一般教養対策2 千葉県教育会館304
6月7日(土) 19:00〜 琉球センターどぅたっちライブ「黄秀彦さん、自作曲と韓国民謡」  
6月13日(金) 19:00〜 琉球センターどぅたっちライブ「不破大輔(渋さ知らズ)ベースソロ」  
6月15日(日) 13:00〜 千葉市「ちゅうおう・九条の会」2周年の集い
 記念講演:松本悟 映画:「殺人狂時代」
千葉ハーモニープラザ女性センター
 2F研修室A1
6月20日(金) 19:00〜 憲法劇「がんばれ!日本国憲法」 神奈川青少年センターホール(桜木町10分)
6月21日(土)
 〜22日(日)
  歴史・紀行プロジェクト「公害の原点 足尾・渡良瀬探訪ツアー」
 参加費:15000円〜20000円 問合・申込Fax:03-3264-2483
 
6月21日(土)   憲法劇「がんばれ!日本国憲法」 13:30&17:30〜 神奈川青少年センターホール(桜木町10分)
6月21日(土) 17:30〜 つながる歌つながる舞つながるいのち―戦争と女性の人権
 博物館建設のためのコンサート― 安聖民・李政美・趙寿玉
エル・シアター(大阪・天満橋5分)
6月23日(月) 16:00〜 チチハル遺棄化学兵器訴訟 東京地裁
6月26日(木) 16:15〜 東京「君が代」第2次訴訟 東京地裁506
6月28日(土) 13:00〜 憲法講座 講師:福嶋裕彦 千葉県教育会館
6月30日(月) 15:00〜 靖国・天皇制問題情報センター全国活動者会議
 「『拉致』と日本民族主義」(仮) 太田昌国
日本基督教会館6F会議室

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