![]() 改悪教育基本法の強行採決に 抗議する人々(12/15国会前) |
教育基本法改悪と私たちの闘いについて | 船橋東高校分会・渡部秀清 |
今年の目標、みたび | T.T.0381(千葉高教組東葛支部 「ひょうたん島研究会」) |
編集後記 | *ソフィーの愛人* |
お知らせ |
2006年12月15日、政府・与党は参議院で教育基本法改悪法案を強行採決した。
国会審議の過程で、タウンミーティングでの「やらせ」問題が発覚した。しかも一つや二つではない。あきれるほどの数である。本来なら、<法案の白紙撤回>、<責任者の厳重な処罰>、<審議やり直し>が当然である。世論も「今国会での成立を望まず、もっと審議を尽くせ」というのが過半数を越えた。にもかかわらす、政府・与党は法案を強引に通した。
戦前教育の反省の上に作られ、59年間にもわたり戦後民主教育の柱となってきた教育基本法が、「やらせ」と「強行採決」で可決されたのである。これは日本議会史上、大きな汚点である。当然、改悪教基法にも汚点がついた。
改悪教基法には「国を愛する態度」が盛り込まれたが、この日同時に「防衛庁」を「防衛省」に格上げする法案も成立した。「戦争できる国作り」に一歩大きく踏み出したと言える。しかも、安倍首相は平和憲法改悪のための「国民投票法案」を今通常国会で成立させようとしている。
また改悪教基法では、教育は「国民全体に対し直接責任を負って」という部分を「法律の定めるところにより」と変え、反対する者には「不当な支配」とレッテルを貼ろうとしている。しかもその対象は、学校だけではなく全社会である。
改悪教基法のもう一つの特徴は、「エリート育成」「市場原理の導入」である。すでにその先取りは「学校選択制」「習熟度別授業」「中高一貫校」などで展開されている。
2007年1月1日には、日本経団連が「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を発表、「日の丸・君が代」強制を社会全体に広げることを明らかにした。そして1月19日には、「教育再生会議」が第一次報告案を提出、「高校での奉仕活動の必修化」「教員免許更新制導入」「給与体系の格差」「副校長・主幹等の設置」などを提案した。
今通常国会には改悪教基法関連法案が多数提案される。
こう見てくると、戦後民主教育が「国家主義とエリート育成」教育という大きな津波によって呑み込まれ、息の根を止められようとしていることがよく分かる。今後、現場は管理強化と多忙化で息もつけないような状態に置かれてくるであろう。
では、私たちに展望はないのか。否、展望はあるのである。それは次のようなところに見ることができる。
第一に、この数年間にわたる教育基本法改悪反対闘争の中で、これまでの党派・組織を越えた新しい闘いと連帯が生まれてきたことである。それは特に、2004年4月の『教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会』の結成とその運動に見られる。この「全国連絡会」の運動は、教組運動が「日教組系」と「全教系」に、市民運動も社民党系、共産党系に分裂する中で、それらの分裂を乗り越え、全国・各県・地域レベルでの共闘を作り出す契機になった(パートナー路線の日教組中央は結局最後まで入ってこなかったが)。また、この間東京で闘われた「日の丸・君が代」強制反対闘争では、組合統制を越えて有志たちが始めた「予防訴訟」で画期的な「9・21東京地裁勝利判決」を勝ち取った。
確かに、教育基本法は改悪された。しかし、ここで培われた闘いと連帯は堅持されている。すでに大阪では、11月9日、「教職員の評価・育成システム」について、<自己申告票の提出義務はない、自己申告票不提出者に対して給与上の不利益処分を行ってはならない>と、大阪地裁に集団提訴がなされている。「全国連絡会」は解散されるが、新しいメーリングリスト(まもなく立ち上げられる)により、引き続き全国的なネットワークは維持されようとしている。東京では、来る2月3日、卒・入学式の闘いを発展させるため、都内・首都圏の主な闘う人々が総結集して『2・3総決起集会』(18時より、日本教育会館にて)が開かれる。また、2月9日には、約150名の被処分者たちが、処分撤回を求めて東京地裁に集団提訴する。さらに最近、『2003年〜2006年 抵抗する教員たちのドラマ 君が代不起立』というドキュメンタリー映画(約60分)が作成され、2月23日には「東京大上映会」(18:30〜 中野ゼロ・ホール)が開かれる。
第二は、改悪教育基本法が推し進めようとする教育政策は、戦前の日本の「国家主義教育」や最近のイギリスの「教育改革」で、すでにその破綻が実証されているということである。改悪を先取りしている東京都の実態(物も言えない職場、現場段階における様々な混乱、教職員の疲弊とモラールの低下等)もすでにそれを実証しつつある。東京では主幹制度が導入されたが定員が埋まらず、教員採用試験の倍率もどんどん低下している。このような教育政策が社会全体に広げられれば、いずれその破綻は各方面にも広がるだろう。
太平洋戦争が始まった時、多くの国民は政府に踊らされ、「勝った、勝った」と浮かれていたが、その時点ですでに「日本は負ける」と見通していた人たちはいた。今も同じである。安倍首相は「美しい国、日本」「教育再生」などと言っているが、彼がそれを強調すればするほど、現実は「醜い国、日本」「教育破壊」となって行く。
だから私たちには展望がある。何も恐れることはない。物事は行き着くところまで行くと反転する。また、季節も時代も冬の後には春がくる。歴史の歯車を逆転させることは誰にもできない。
要は、民主的な職場と教育を守るための闘いを堅持していくことである。
正月だからといって、取り立てて大それたことはしないのだが、末っ子であるぼくとしては、生きていることを兄貴たちに証明するために、実家に帰ったりはする。その実家は東京の日野市にあるのだが、「日の丸・君が代」対策委員会で長年活動しているせいか、「ひのし」と打って漢字変換すると「『日の丸・君が代』市」となってしまう変なワープロを使っていたりもする(ここだけの秘密だが、ここまで去年とまったく同じである)。
一昨年・昨年の冒頭、この『ひのきみ通信』で、「今年の目標」という題で、数値目標を上げて新年の抱負を書いたので、その総括をしながら、「みたび」今年の目標を書くことにする−といっても、ぼくは「生活保守主義者」である。数値目標を変えたりはしない。目標は、一昨年・昨年と同じ「50冊・50デモ・50万馬(車)券」である。
まず、過去3年の実績(04年分も記録があった!)と、今年も始まってから20日以上経ってしまったのだからその分も含めて、一覧表にしよう。
04年 | 05年 | 06年 | 07年(1/20まで) | |
本 | 不明 | 44 | 30 | 0 |
デモ | 47 | 30 | 41 | 0 |
万馬券 | 21 | 29 | 24 | 3 |
まず、この『通信』の読者に一番関係のなさそうな「万馬券」について。3年続けて20〜30回の間なんだな。でも、今年の目標も50回、夢は大きい方がよい。
実はここだけの話だが、1月6日(土)、「競馬元日」の「金杯」の日、「金杯」でなく別のレースでだが、今年最初の万馬券37290円を当てる。こういうのを、業界用語で「初儲け」という(今、1/22〈月〉の朝4時20分、NHKで「君が代」が流れたので、急いで消す)。
本は全然読めなかったなあ〜。みんな、小泉とチャンチャン安倍晋がいけないんだ。教基法闘争で、5〜6、10〜12月は、国会に出ずっぱりだったもんなあ。本なんか読んでるヒマ、なかったよなあ。
デモについては、自信がある。回数自体は41回で04年より少ないけど、これはデモの「定義」を、「A地点からかなり離れたB地点(ざ・ぼんちの漫才みたいだ)まで歩く」という厳密な意味で数えたからで、衆議院第2会館から首相官邸前(といっても、道を挟んでだが)まで歩いたのだってデモみたいなものだし、駅頭でギャ〜ギャ〜喚いたのだってデモンストレーションであるのは事実だから、それまで入れれば、目標の50回を大幅に超えている筈だ。
エッヘン!・・・と威張りたいところだが、本当はデモなどしなくていい世の中の方がいいんだけどね・・・。
最後に、数値目標は前述の通りだが、我が「ひょうたん島研究会」のもっと大きな今年の目標を書いて、この文を終える。
「今年こそ民衆の手に社会を取り戻そう!」
*
今、1月22日(月)朝4時35分。再びつけたNHKで、宮ア知事選でのそのまんま東の当選が報じられた。そのまんま氏には恨みはないが、「これでいいのか」と半分思い、自民党が負けて残りの半分で「ザマアミロ」と思う。
7月の参院選でも、「ザマアミロ」と言えるように、みんなでがんばろう!−と言いながら、選挙は難しいけどね!
(07/01/22未明)
1月27日(土) | アムネスティ・フィルム・フェスティバル 11:00「イノセント・ボイス」 13:30「終身刑を終えて」 16:05「踊れグローズヌイ」 17:40「ヒマラヤを越える子供たち」 18:30「ヘンニムの輝き」 |
浜離宮朝日ホール(大江戸線築地市場3分) | |
1月27日(土) | 13:00〜 | 重慶大爆撃被害者と連帯する集いin千葉 | 市川市民会館多目的ホール(本八幡8分) |
1月27日(土) | 13:00〜 | 「社会評論」読者会 | 本郷文化フォーラム・ホール |
1月27日(土) 〜2月9日(金) |
16:00〜 | 「ヒバクシャ世界の終わりに」 | ポレポレ東中野(JR東中野2分) |
1月27日(土) | 16:30〜 | 戦争は教室から始まる 「『音楽』歌い継がれる戦争の歌」北村小夜 |
かながわ県民センター1501(横浜西口5分) |
1月27日(土) | 18:30〜 | 改憲手続法に浮上した新たな問題 | 文京区民センター3C(地下鉄春日) |
1月28日(日) | アムネスティ・フィルム・フェスティバル 11:00「熊笹の遺言」 12:20「Caught in Between」 13:25「蜘蛛の巣の間から」 15:15「S21クメール・ルージュの虐殺者たち」 17:15「母たちの村」 |
浜離宮朝日ホール(大江戸線築地市場3分) | |
1月28日(日) | 13:30〜 | 「もう一つの世界へ」創刊1周年記念講演 「ベネズエラ大統領選挙現地報告」 石橋 純 発言:碓氷敏正・斉藤日出治・田所竹彦・千葉茂樹・比留川洋 |
文京区民センター(地下鉄春日) |
1月28日(日) | 13:30〜 | ノーマライゼーション相談事業研修会 | 船橋スクェア21ビル4Fエルコープ会議室 |
1月29日(月) | 14:00〜 18:30〜 |
NHK裁判控訴審判決 報告集会 |
東京高裁 東京芸術劇場5F大会議室 |
1月29日(月) | 18:00〜 | 「改悪教育基本法のもとで、どのように 闘いを構築していくのか」大内裕和 |
日本教育会館8F(地下鉄神保町4分) |
1月30日(火) | 13:35〜 | ピースリボン裁判控訴 | |
1月30日(火) | 14:00〜 | 都立高校05年卒業式人事委員会審理 | 都庁第1庁舎38階F審理室 |
1月30日(火) | 18:30〜 | パート等で働くための基礎知識 | 国分寺Lホール |
1月31日(水) | 13:10〜 | 「君が代」強制不採用撤回裁判 | 東京地裁722 |
2月1日(木) | 13:10〜 | 河原井さん&根津さん停職処分取り消せ裁判 | 東京地裁710 |
2月3日(土) | 13:00〜 | まもろう憲法!教育基本法改悪反対!集会 | 日比谷公会堂 |
2月3日(土) | 18:00〜 | 卒・入学式「日の丸・君が代」強制攻撃に勝利するための 総決起集会(都教委包囲・首都圏ネット) |
日本教育会館(地下鉄神保町3分) |
2月6日(火) | 15:00〜 | 国立二小不当処分撤回控訴審第1回口頭弁論 | 東京高裁8階 |
2月7日(水) | 15:30〜 | 岸田さん異動の人事委員会公開口頭審理 | 都庁第1庁舎39F |
2月7日(水) | 18:30〜 | カンボジア,アフガンから考える復興と平和 谷山博史,金子敦郎 | 日本基督教会館6F(地下鉄早稲田7分) |
2月10日(土) | 18:00〜 | 学校に自由の風を!集会 | なかのzeroホール(中野南口6分) |
2月10日(土) | 18:00〜 | オリンピックはいらない!東京招致の問題点 | 東京勤労福祉会館(渋谷パルコ前) |
2月11日(日) | 13:00〜 | 大阪市立北区民センター(JR天満橋) | 大阪市立北区民センター(JR天満橋) |
2月11日(日) | 13:30〜 | 9条の心をアジアに世界に「建国記念の日」反対集会 | 日本橋公会堂(水天宮3分) |
2月11日(日) | 15:00〜 18:00〜 |
「天皇中心の美しい国」でいいのか?反「紀元節」デモ 屋内集会 講師:大河原礼三・山本浄邦 |
西神田公園 全水道会館(水道橋東口3分) |
2月14日(水) | 13:10〜 | 増田都子さん都教委個人情報漏洩控訴審判決 | 東京高裁 |
2月15日(木) | 10:20〜 | 「もの言える自由」裁判(傍聴抽選) | 東京地裁620 |
2月15日(木) | 14:00〜 | 「君が代」処分撤回を求める会人事委員会審理 | 都庁第1庁舎39F |
2月17日(土) | 13:30〜 | 連続憲法講座「なぜ国民が政治の主人公になれないのか?」 本秀紀(名古屋大学) |
労働会館東館2Fホール(名古屋:金山総合8分) |
2月17日(土) | 14:00〜 | 教育基本法『改正』の意味を問い平和憲法を守る千葉県民集会 -教え子を再び戦場に送らないために- 小森陽一 |
千葉県労働者福祉センター (モノレール千葉市役所前4分) |
2月18日(日) | 13:15〜 | 立川反戦ビラ弾圧から3年「最後は勝つぞ最高裁!」 | 国分寺労政会館 |
2月18日(日) | 13:30〜 | 「日の丸・君が代」強制に反対する神奈川集会&デモ | 横浜開港記念会館6号室 |
2月23日(金) | 18:30〜 | 「君が代不起立」東京上映会 | なかのzeroホール(中野南口6分) |
2月24日(土) | 13:30〜 | 教育の今後を考える集い 三宅晶子 | 市川男女共同参画センター(JR市川北口5分) |
2月24日(土) | 13:30〜 | 多摩教組教研 講師:坂口正二郎 | 国分寺労政会館 |
2月24日(土) | 13:30〜 | 教科書とはどうあるべきか〜新中学校教科書から考える〜 | 出版労連会議室 |
2月24日(土) | 16:00〜 | ABC企画特別報告「アウシュビッツ平和博物館」の草の根活動 報告:小渕真理 |
なかのzero学習室A(中野南口6分) |
2月27日(火) | 13:15〜 | 李峰さん控訴審判決 | 東京高裁812 |
2月27日(火) | 16:00〜 | 田端先生の再雇用拒否真相究明裁判第9回公判 | 東京地裁627 |
3月1日(木) | 13:10〜 | 「君が代」不採用撤回裁判 | 東京地裁710 |
3月2日(金) | 16:00〜 | 早川さんパワハラ職業病解雇撤回第二次裁判 | 東京地裁710 |
3月2日(金) 〜4日(日) |
17:00〜 |
賑栄い塾 必予約Fax:0422-43-5971 栗原彬、野本三吉、阿木幸男、最首悟、角田妙子、岸田哲 |
石和温泉「日の出温泉」集合 |
3月3日(土) | 13:30〜 | 連続憲法講座「どうなる憲法・どうする憲法」小林武(愛知大学) | 労働会館東館2Fホール(名古屋:金山総合8分) |
3月4日(日) | 14:00〜 | カンタータ「悪魔の飽食」 入場料:4000円 | 横浜みなとみらい大ホール |
3月7日(水) 〜14日(水) |
カンボジア・スタディ・ツアー 参加費:148000円 問合Fax:0422-43-5971 |
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3月8日(木) | 13:10〜 | 増田さん「戒告・研修」処分取消裁判 | 東京地裁705 |
3月8日(木) | 19:00〜 | 前夜ブックトーク「生存権損壊の時代―教育、国家、消費文化」 講師:中西新太郎 要申込:03-5956-6111 |
ジュンク堂書店池袋本店4Fカフェ |
3月14日(水) | 13:30〜 | 重慶大爆撃裁判第3回口頭弁論 | 東京地裁103 |
3月15日(木) | 11:00〜 | 再発防止研修取消裁判 最終弁論 10:30集合 | 東京地裁103 |
4月12日(木) | 13:10〜 | 「君が代」強制不採用撤回裁判 | 東京地裁710 |
4月20日(金) 〜29日(日) |
東京演劇アンサンブル公演「明日を紡ぐ娘たち」 | ブレヒトの芝居小屋(武蔵関北口7分) |