ひのきみ通信 第90号

2003年7月4日


目次

「9・11」から、「6・6」以後へ 近 正美・生浜高校分会
「有事法制」成立に対する高校生の反対意見
 ──県立I高校3年生へのアンケート結果から──
組合員I・I
研修賃金カット攻撃には、きちんと反撃すべきである
 渡部さん、県人事委員会に措置要求提出へ
渡部さんの研修賃金カットを撤回させる会
 代表 新納 秀朗(国分分会)
6・28教育基本法改悪阻止緊急集会に参加して 渡 部 秀 清(船橋東高校分会)
私たちは日教組に「教育基本法に関する請願書」
 署名運動の即時中止・撤回を求めます
教育基本法の改悪に反対する教職員と市民の会
 「教育基本法改悪反対6・21学習会」参加者一同
お知らせ

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「9・11」から、「6・6」以後へ

近 正美・生浜高校分会

 2001年9月11日、ニューヨークから、2003年6月6日、トウキョウへ。
いきなり何だ? わたしにとって、「6・6」は日本国憲法が死んだ日に見える。国会議員の90%の賛成で、有事立法3法が成立したからだ。
 日本国憲法は、長年蔑ろにされ、瀕死の状態であったが、ここにとどめを刺された。
 「言論の府」である国会で粗雑な論理が展開された結果、憲法違反を合法化するという、デタラメが行われた。
 憲法だけでなく、「小泉改革」の名の下に、無原則な原則の転換、それも180度の転換が次々と行われている。教育基本法、労働基準法などの基本法がことごとく「改悪」されようとしている。最近の小泉流の言い方をすれば「こんなに原則てきなことはないでしょう!無原則という原則があるんですから!!」ということになろう。このレベルの粗雑な論理?がまかり通っている国会に幻滅を感じるのはわたしだけだろうか。
 そして、いよいよ、タダの国に成り下がろうとしているこの国で、わたしたちはなにをよりどころとして「平和教育」を進めていくべきか。
 今までは、曲がりなりにも「平和主義」を看板に日本国憲法をよりどころにしてきた。しかし、この有事3法が成立した今、平和教育の中身を改めて考え直す必要があろう。
 この国の姿を正しく認識すること、国際的な視野で考えること、無原則を原則化するようなやり方を明らかにすること、国民がなぜ「しかたがない」と沈黙しているのかを考えること、若者たちにとっての「未来」とはどのように見えているのかなどについて、真剣に子どもたちと考え、未来を生み出していく覚悟が必要だ。たとえば、改めて「非武装中立」を現実させる手段を考えたり、憲法そのものの役割を再認識する運動を繰り広げるとか、アジアや世界規模での平和構築の具体的方法を議論するとかという積み重ねが今まで足りなかったのだろう。そのような、積極的護憲運動のようなものが不足していたがために今日の状況を迎えるに至ったと思う。
 いまこそ、平和教育の意味が問われるとともに、必要な時代になっている。将来、子どもや孫から「なぜ、戦争に反対しなかったの?」と言われたとき、答える言葉を失いたくない。

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「有事法制」成立に対する高校生の反対意見

──県立I高校3年生へのアンケート結果から──

組合員I・I

  1. 「戦争してはいけない」という反対意見が多く今まで作らせなかったのに、成立してしまった事は恐ろしい。皆、いざという時のことをちゃんと考えているのか、不安に思う。
  2. 有事法制とは戦争を仮定した法律だと知って、「戦争はもう絶対しない」と憲法で決めた当時の国民の気持ちと全く違う感じがする。「戦争があるかも知れない」と考えるようになるは間違っていると思う。戦争はしたくないのです。
  3. 有事法制を決めない方が良かった。「もし戦争が起きたらどうするか」ではなく「これから戦争をなくすためにはどうしたら良いか」を話し合うべきだと思う。自衛隊は活躍や強くなるのを望むよりも、必要なくなるようにするのが一番良いのだから。
  4. この法律は戦争がいつでもできるよう準備するみたいで嫌だなと思った。戦争が起きたら、結局、強制的に家や土地が奪われ徴兵され多くの人が死ぬだろう。本当に国民の命を守ってくれるのか。国民の命を守りたいなら戦争が起きないよう努力したらいい。
  5. 日本は憲法で「戦争しない」と決めたし、今まで有事法制を決めないできたのだから、今更決めなくていい。独立した時に日米安保条約を結んだのだから自衛隊も作る必要はなかったしアメリカに守ってもらえば良い。
  6. 「戦争がいつ起きても大丈夫」みたいですごく嫌だ。日本は本当に、この先、戦争に巻き込まれていくのではないかと心配。
  7. 憲法に照らせば、有事法制はおろか自衛隊を作るのもおかしい。だいたい湾岸戦争で日本が批判されたからといって自衛隊派遣を認めるなんて間違っている。
  8. 日本がしなければならないのは憲法制定時の「軍隊持たない・戦争しない」の平和主義の理念に戻ることです。そうすれば、世界中の国々が少しでも見習ってくれ戦争はなくなっていき、平和な世界に近づくと思います。
  9. 成立したのだが国民の協力の義務づけはやめて欲しい。強制的に命令されて自分が嫌だと言ったらどうなるのか不安だ。協力しなかったら逮捕され「非国民」扱いされるかもしれないと思うと有事法制はなくしてもらいたい。
  10. 戦争が起きた際のことを考えなければならないなんて、なんだか悲しい。また日本もいつか戦争をするのだろうか…。こんな法律を作ると本当に戦争が起きるんじゃないかと不安になります。
  11. 戦争の準備を進めていくのでは、昔戦争で死んでいった人々がうかばれない。だいたい、憲法第9条で日本は戦争しないようなことが書いてあるが、米軍基地があってアメリカに「戦え」と言われたらどうするつもりなのか。
  12. 「戦争はもう絶対したくない」と思っていた昔の日本人の気持ちがだんだんなくなってきてると思う。政府は人々の命が守られるよう戦争が起きない努力をして欲しい。
  13. 日本は最近、アメリカの要望なのか戦争に関わりすぎているような気がします。平和主義を目ざすはずなのに、全然平和と逆の危険な方向に向かっていると思う。
  14. このまま有事法制や自衛隊が強化されると、他の国から「日本は戦争の準備をしてる」と疑われ、かえって戦争を起こされるのではないか不安である。
  15. 日本は他の国並みに海外の戦争に参加したくてこういうのを決めるのだろうか。日本の売りは平和主義じゃなかったのか。
  16. 改正自衛隊法などが優先され国民保護法制が後回しにされたのはなぜだろう。逆じゃないのか。本当に国民を守ってくれるのか、疑わしい。
  17. 国会だけで決めるのは良くない。国民全体の意見を聞いて欲しい。戦争に反対し、この有事法制に反対する人もたくさんいると思う。
  18. 憲法で定めた平和主義の精神がどんどん壊されていく気がする。今、本当に日本人に必要なのは、武力での解決ではなく絶対戦争に参加しないという意思だと思う。
  19. 日本は戦前に逆戻りしてるのではないか。「備えあれば憂いなし」などと言ってるが、有事法制=戦争準備のようなものだ。自分の住む町が戦場になるなんて許せない。そうならないよう外交など平和的解決に努力をそそぐべきだ。
  20. 私は武器を一切持たない国になって欲しい。侵略された時、武器を持たず有事法制も何も決めてないのは不安だろうが、そこを頑張って平和主義を世界に広げて欲しいです。
  21. 日本は戦争の恐怖・悲惨さを一番知ってるはずなのに、また戦争の準備をしてるようにしか思えない。そして、最終的に犠牲になるのは国民である。
  22. 国民の協力義務って? こんなのえらい人たちだけで決めないで欲しい。たとえ民衆が平和を願っても、きっとえらい人たちだけで戦争が始まってしなうのだろうな…。
  23. 憲法制定時は戦争のない日本や世界にしようとしてたのに、どんどん「戦争になったら」と考えさせる方向になっている。再びたくさんの人が血を流すと思うと悲しい。「その うち日本も徴兵制になるのでは」と有事法制が成立した時に思いました。
  24. 何から何までアメリカの言いなりで再び戦争への道を歩んでいるように見える。平和主義の理想を無視して戦争を前提にした法律を作るとは呆れる。まだ、日本はアメリカに占領されたままなのではあるまいか。


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研修賃金カット攻撃には、きちんと反撃すべきである

渡部さん、県人事委員会に措置要求提出へ

渡部さんの研修賃金カットを撤回させる会
代表 新納 秀朗(国分分会)

 昨年、千葉県教育委員会は教員の自主研修に対する校長の承認権を無視し、彼らの「メンツ」をつぶしてまで、自主研修を極端に矮小化する暴挙に打って出ました。
 「教特法」に明確に規定されている研修権を否定はできず、表向き「奨励する」という姿勢は崩せないものの、様式の煩雑化と、自主研修を直近の授業に具体的に役立つものや、学校でどうしてもできないものに範囲を勝手に限定し、校長を通じての「窓口指導」といういつもの手口でその方針を貫徹しようとしてきたのです。
 交渉の中で明らかになった彼らの研修像は、「@職務研修A職免研修B年休研修の3本立て」で、官製研修をメインとして教育委員会にとって都合のいい情報を伝達しつつ、(否定しきれない)自主研修を極端に制限して、なるべく個人の領域に位置づけようとしているかのようです。自主研修の制限は、この間増えてきた10年研や悉皆英語研修、情報免許研修などと軌を一にしているといえます。
 昨秋、高教組は、「付箋」による「越権行為」に対して「原則書き直しに応じない」という方針で闘いました。この闘いは、後の対県交渉で「自主研修奨励の姿勢」や「校長の承認権」を再確認させたり、いくつかの職場で自主研修を維持させたり、一定の歯止めをかけた点で評価できると思います。しかし、一部校長の「確信犯」的な否定や「嫌がらせ」にも似た執拗な書き直し要求が続いた場合、対県交渉で確認した「教育委員会による調査」を求めることによってそのおかしさをあぶり出すなど、当該者を孤立させない闘いも必要ではなかったかと思います。
 そうした中で起きた、今回の渡部さん(船橋東分会)の冬休みの研修賃金カットは、創立記念日や夏休みにも認め、直後の春休みにも認めざるを得なかった同様の自宅研修に対して、冬休みだけは執拗に承認を拒んだ、ある意味では「見せしめ」的な措置であったと言わざるを得ません。教育委員会と密接な連絡を取った上での今回の措置を、一校長の判断として黙って見過ごす訳にはいきません。おかしな対応に対してはきちんと反撃を加えるべきであると考えます。

 従来の研修には、文字通りの「研究と修養」の他に、日常の休日勤務や超過勤務に対して、テスト期間や長期休業などに「軽微な勤務」で埋め合わせをして鋭気を回復させるという「どんぶり勘定」的な意味合いがあったことも事実でしょう。そしてそれは教員個人の判断に相当程度ゆだねられていました。これは全く根拠のないことではなく、「給特条例の施行について」にも述べられています。

 「教育職員に時間外勤務をさせる場合は、健康と福祉を害しないように考慮するとともに、学校の運営が円滑に行われるよう関係教育職員の繁忙の度合いを勘案し、その意向を十分尊重して行うようにすること。また、教育職員の勤務時間の管理については、教育が特に教育職員の自発性、創造性に基づく勤務に期待する面が大きいこと及び夏休みのように長期の学校休業期間があること等を考慮し、正規の勤務時間内であっても、業務の種類・性質によっては、承認の下に、学校外における勤務により処理しうるよう運営上配慮を加えるよう、また、いわゆる夏休み等の学校休業期間については教育公務員特例法第19条(研修)及び第20条(研修の機会)の規定の趣旨に沿った活用を図るように考慮すること」

 にもかかわらず、教育委員会はこの規則を全く無視し、5日制になって急増した超過勤務や休日勤務を放置しながら、一方では研修についてのみ「服務の厳正化」を主張するという「ダブルスタンダード」を演じています。従来の牧歌的な「どんぶり勘定」が時代に合わないのであれば、少なくとも他県で実施されているような部活動や超過勤務に対する振り替え措置が講じられるべきであって、そうした点で本県が遅れていると言わざるを得ません。渡部さんの措置要求ではこの点も考慮するよう主張しています。

 高校教育が様々な矛盾点を持ちながらも、現場の教職員の「熱意と善意」に支えられた主体的な教育活動によって成り立っていることは紛れもない事実です。しかし、「サービス残業」にも似た超過勤務の放置は全身を過労状態に追い込んでいます。その上、強制的な官製研修で頭脳を「麻痺」させるばかりでなく、自主研修の否定でフレッシュな酸素供給をも断ち切って、教育を死滅させようというのでしょうか。

 ★自主研修権を積極的に行使しよう
 ★渡部さんの措置要求へのご支援ご協力をよろしくお願いします。(現在、撤回させる会では、措置要求の「代理人」を募集しています)

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6・28教育基本法改悪阻止緊急集会に参加して

渡 部 秀 清(船橋東高校分会)

 6月28日、千葉高教組主催で開かれた上記集会に参加した。参加者は60数名。一般の参加者も多かった。集会では最初に、千葉大学の三宅晶子さんが「教育基本法『改正』の危機とはなにか」というテーマで講演した。話は非常に具体的で分かりやすく大変参考になったので、以下その概要を紹介する。
 まず、「改正」の危機の第一に挙げられるのは「メディアの沈黙・後方支援」ということだ。改正問題、「心のノート」、「国立大学法人法案」などについては、全国紙はほとんど沈黙している。最終答申が出た時にも、「沖縄タイムス」などはその問題点を的確に指摘したが、全国紙はほとんどなかった。逆に「心のノート」に対し批判的な記事を書き左遷された記者もいる。国立大学法人法案では7月初旬にも国会で採決されようとしているのに、ほとんど問題点が記事にされていない。「国立大学が国から独立するからいいのでは」などと思っている人が多いようだが、これが通れば大学の自治は否定され大学は官僚=国の統制化に置かれることになる。
 第二には、教育基本法をめぐる危機である。まず、基本法はこれまで「権力を拘束する規範」としての性格を持っていた。それは10条に規定されていた。しかし、今回の最終答申では、この10条の「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」の中に「教育内容等も含まれる」という文言(中間報告まではなかった)が入り込んできたのである。これにより、基本法は「個人を拘束する規範」になろうとしている。しかもここに「教育振興基本計画」(閣議決定だけでOK)が位置づけられることになり、基本法は理念法から行政施行法になる。国家の教育への全面的な介入であり、それに反対する者は「不当な支配」をしようとする者と位置づけられることになる。
 また、第1条に「日本人としての自覚」「国を愛する心」などという言葉を入れることによって、心の内面まで国家が踏み込み、評価や処分という形で「日本人」の在り方を強制しようとしている。それは、「学習指導要領」では不足していた「日の丸・君が代」強制などの法的根拠を与えるものともなる。
 結局、教育基本法の「改正」は、「非国民」を排除する装置に最後のスイッチをいれることになる。これは国民精神総動員体制作りである。しかも、有事法制下では「戦争ができる国民」作りとなる。
 第三には、「心のノート」というものが既にあるということが体現する危機である。
 このノートは、憲法19条で定められた「思想・良心の自由」、教育基本法10条で定められた「教育条件の整備」、地方教育行政法48条で定められた「教育に関する事務の適正な処理」、の一線をすでに踏み越えて作成・配布・使用されている。作成について言えば、事実上の「国定教科書」である。配布について言えば、検定も採択もないノーチェック体制下、全小中学校に1200万部も配布され、「調査」の名の下に配布が強制されている。使用について言えば、道徳の時間だけでなく、全教育活動において使用、家庭や地域でも使用されている。しかも「心のせんせい」を招いて全国1000校で「心の授業」を実施している(9年間続く)。
 さらに最終答申には、「『公共』に主体的に参画する意識や態度の涵養」「道徳心」「日本の伝統、文化の尊重」、「郷土や国を愛する心の涵養」「日本人であることの自覚」という言葉もある。これらの言葉を教育基本法や進行基本計画に書き込むことは、国家の「心への介入」を法的に導き入れることに他ならない。
 したがって、「心のノート」の現状を許している状況は、教育基本法の「改正」を許してしまう状況そのものではないか。
 今後の運動について言えば、「改正」阻止の運動はゼロからの出発ではなく、マイナスからの出発であることをはっきりさせることだ。「今こそ教育基本法を生かそう」、生かそうと思えば生かせるというのは幻想だ。生かせなくなっている現状をこそ教育基本法を使って批判していくことだ。また、この間日教組は<請願署名>に取り組んでいるが、その要求項目(@国会に「調査会」設置、A教育振興基本計画を基本法「改正」と切り離して財源措置)は問題だ。これでは「改正」に手を貸すことになろう。
 その後の意見交流では約10人程が発言したが、紙面の都合で省略する。
 ただ、日教組の<請願署名>に関しては、6月21日に東京で行われた「教育基本法改悪反対6・21学習会」(首都圏の教職員や市民、約60人が参加)で、「私たちは日教組に『教育基本法に関する請願書』署名運動の即時中止・撤回を求めます」という決議(三宅さんもそれに触れたので)が採択されたことが報告された。
 そして、最後に再び三宅さんが発言したが、彼女はその中で、名古屋での「教育基本法改正フォーラム」の会場の前に行った在日朝鮮人の中学生の「感想」を読み上げた。それは教育基本法「改正」問題の本質を突いたものだった。
 「会場の前には『日本人』とか『21世紀』という言葉がたくさん書かれた立派なパンフレットがたくさんあった。私は『たくましい日本人の育成』というパンフレットを見たとき、心臓がどきどきした。私は21世紀の教育からは外された、前提として“いない”存在なんだと思うと、その後ろに潜んでいる『日本人』の姿が少し目に浮かんでぞっとした。・・・私は、『私は在日朝鮮人です。この「たくましい日本人の育成」から排除されています』と書いて、なるべく警察の人や、会場の周りにいる人に見えるように立っていた。足が少し震えた。『日本人ではない』ということを言うのに、こんなに怖い思いをしなくてはいけないのかと、くやしかった。周りの人のまるで商品を品定めするような目を、私は多分忘れないと思う。」

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参考資料

私たちは日教組に「教育基本法に関する請願書」署名運動の即時中止・撤回を求めます

 日教組は最近、国会の両院議長にあてた上記「請願書」に対する署名運動を始めました。そして、その「請願書」には<請願事項>として、以下の二つだけが述べられています。

  1. 教育基本法は、準憲法的な性格を有していることから、そのあり方については広範な議論を通して国民的な合意形成をはかるとともに、国会に「調査会」などを設置し慎重に対応すること。
  2. 教育振興基本計画については、教育基本法の改正と切り離し、教育条件整備を推進するものとし、財源措置の伴った実効ある教育改革をすすめるものとすること。


 しかしここには、「教育基本法改悪反対」という文字が無いばかりか、むしろ教育基本法の「改正」を前提とした姿勢が前面に出ています。
 なぜなら、第一に、「国会に『調査会』などを設置し」ということは、すでに教育基本法の「改正」を前提とするものだからです。そのことは、この間、国会に設置された「憲法調査会」の性格にはっきりと現れています。この「憲法調査会」の設置については、かつて日教組も「憲法改悪につながる」として反対したのではないでしょうか。しかも、4月2日に開かれた国会の文部科学委員会で河村文部科学副大臣は次のようなことまで述べています。「憲法を見直すということは、これは憲法調査会でも真剣に今議論をされておるところでございますから、当然それとの関係もあるわけですね。・・・これから憲法改正がされたときに、教育の問題についても当然あるでしょう。しかし、今までの基本的なことは残っていくでしょう、しかし、教育基本法が先に決まれば、この精神こそやはり今度は逆に憲法の中にも当然必要なものは入っていくでしょう」。つまり、政府・文部科学省は、教育基本法と憲法改悪を一体のものとして考えています。こうした中で「調査会」の設置を要求することは、日教組自ら、教育基本法改悪だけでなく憲法改悪にまで手を貸すことになるでしょう。
 第二に、「教育振興基本計画」についてです。日教組は『中間報告に対する日教組見解』(2002、11、14)では次のように述べていました。
「教育基本法に教育振興計画を位置づけることで教育基本法の理念を根本から変えようとしている。(中間)報告では、教育振興基本計画に教育のあり方や内容についての施策を盛り込み、その根拠規定を教育基本法10条に位置づけようとしている。これは教育内容へ国が介入することに法的な裏づけを与えることになる」。
 最終報告でも、「教育基本法に教育振興計画を位置づけることで教育基本法の理念を根本から変えようとしている」ことは全く変わっていません。したがって、「これは教育内容へ国が介入することに法的な裏づけを与えることになる」ものです。しかも、その具体的な内容まで最終答申には盛り込まれ、教育の国家統制が強められようとしているのです。したがって、このような性格を持つ「教育振興基本計画」に対しては、中間報告に対する「見解」のように、はっきりと反対することが重要です。
 それを、このような形で請願項目とすることは、これまでの日教組の姿勢を大きく転換し、「教育振興基本計画」に対しても日教組は手を貸すことになるでしょう。
 たしかに、請願書では「教育振興基本計画については、教育基本法の改正と切り離し」と述べていますが、それならばなぜ他方で「調査会」の設置を要求するのでしょうか。全く筋の通らない話です。
 したがって、この請願署名は「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを掲げる日教組としては自殺行為に等しいものです。
 以上から私たちは、日教組は早急に請願署名を中止し、撤回することを強く要求します。

 2003年6月21日

教育基本法の改悪に反対する教職員と市民の会
「教育基本法改悪反対6・21学習会」参加者一同

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お知らせ

7月4日(金)
12:30〜
13:30〜
15:00〜
16:15〜
17:30〜
19:00〜
NO!イラク出兵法 NO!イラク占領 7月4日ピース・ラリー
 衆議院院内集会
 内閣府(イラク特措法所轄部門)申し入れ
 外務省申し入れ
 防衛庁申し入れ
 ベクテル抗議アクション
 集約&報告集会

衆議院
内閣府
外務省本庁舎(三田線芝公園2分)
防衛庁(市ヶ谷5分)
ベクテル日本支社前(丸の内)
京橋区民館
7月4日(金) 14:30〜
15:00〜
不利益不遡及裁判第1回口頭弁論
学習&報告集会
千葉地裁
千葉県教育会館301
7月4日(金)
 〜5日(土)
19:15〜 「ヒバクシャ-世界の終わりに」特別有料試写会 なかのゼロ(中野南口7分)
7月5日(土) 12:00〜 辺見庸講演会 文京シビックホール(地下鉄後楽園3分)
7月5日(土) 13:30〜 元日本軍兵士の証言を聞く会 早稲田大学小野講堂
7月5日(土) 13:30〜 平和を学ぶワークショップ 川島啓一 埼玉教育会館303(JR浦和西口10分)
7月5日(土) 13:30〜 「河野差別図書」弾劾東葛集会−アイヌ民族連帯運動を 柏市中央公民館4F会議室(柏東口)
7月5日(土) 17:30〜 学習会「体育教育と国体」 工藤英三 所沢文化会館
7月5日(土) 18:15〜 劣化ウランの危険性とアメリカでの反対運動 ルーレン・モレ エル大阪(天満橋5分)
7月5日(土) 18:45〜 「Mardiyem 彼女の人生に起きたこと」上映会 キャンパスプラザ京都(京都北口)
7月6日(日)   アフガニスタン国際戦犯民衆法廷東海公聴会 名古屋市中区役所ホール
7月6日(日)
 〜14日(月)
  戦争遺跡を訪ねるスタディツアー(ハルピン・虎林・鶏西)
 問合:ABC企画委員会 Fax:042-348-1127 締切:5月20日
 
7月6日(日) 13:30〜 関東大震災80周年、有事立法を考える 豊島勤労福祉会館
7月6日(日) 13:30〜 とめよう戦争への道! 7.6集会 朴慶南 三番町コムズ(松山市三番町)
7月7日(月) 14:30〜 「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」院内学習会 参議院議員会館ロビー集合
7月7日(月) 18:30〜 「日本の現状と平和運動のこれから」を探る集い 西川重則 文京シビックセンター
7月7日(月) 18:45〜 WORLD PEACE NOW 七夕ピースパレード 宮下公園(渋谷)
7月8日(火) 10:30〜 戦争に税金を使わない! 市民平和訴訟 東京地裁706
7月8日(火) 18:30〜 オイコスフォーラム特別セミナー「停電?問題と原子力」 環境パートナーシップオフィス
 コスモス青山B2F(地下鉄表参道)
7月8日(火) 18:30〜 2003夢の向こうに・金剛山歌劇団 船橋市民文化ホール(船橋南口)
7月8日(火) 19:00〜 草の根学習会「北東アジアの安全保障と沖縄・米軍基地」
 内田雅敏
南大塚社会教育会館第4会議室
 (JR大塚南口7分)
7月9日(水)
 〜14日(月)
9:30
〜21:30
写真展「記録と記憶のトライアングル
 -韓国、在日、沖縄を撮る10人の眼」 13,14日は17:00まで
大阪市立総合生涯学習センター
 (大阪駅前第2ビル5F)
7月9日(水) 10:00〜 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟口頭弁論 名古屋地裁
7月9日(水) 19:00〜 日本民衆にとっての朝鮮半島の戦争と平和 文京シビックセンター
7月10日(木) 18:30〜 ビデオアクト上映会「ブレイクした日本の反戦運動」 飯田橋セントラルプラザ10F(飯田橋1分)
7月12日(土) 13:30〜 「つくる会」教科書採択を許さない
 教科書問題シンポジウム 俵義文,小森陽一,梁美康
メモリアル・ホール
 (広島平和記念資料館地下)
7月12日(土) 14:00〜 7.7盧溝橋事件記念集会 明治学園大学白金キャンパス本館
7月12日(土) 14:00〜 沖縄学習会 千葉県教育会館
7月12日(土) 14:30〜 東京地理教育研究会例会「川が語る東京」 JR綾瀬駅集合
7月12日(土) 17:30〜 Stop War! World Action 7.12 宮下公園(渋谷)
7月12日(土) 18:00〜 ピース・フェスティバルCHIBA2003 千葉市文化センター
7月12日(土)
 〜13日(日)
18:00〜
浜岡原発ツアー たんぽぽ舎前集合
7月13日(日) 14:00〜 2003平和のための戦争展プレ企画 お話:小森陽一
 今また「愛国心教育」? 教育基本法「改正」と「心のノート」
日本青年会(銀座線外苑前10分)
7月14日(月) 18:30〜 学習会「憲法調査会-有事法案審議の現実」 西川重則 文京区民センター(地下鉄春日)
7月14日(月)
 〜21日(月)
  歴史が止まっている民族・在韓朝鮮人(日本軍性奴隷被害者) 早稲田奉仕園(東西線早稲田7分)
7月15日(火) 13:00〜 靖国参拝違憲訴訟 東京地裁103
7月16日(水) 10:15〜 渡壁えんざい裁判判決 抽選9:45 東京高裁725
7月16日(水) 12:30〜 NO!イラク出兵法 対政府異議有り! 7/16アクションラリー
 参議院院内集会,内閣府,防衛庁,外務省,市ヶ谷駅前宣伝行動
参議院議員会館
7月17日(木) 18:30〜 ダグラス・ラミスさんのお話を聞く会 小金井公会堂(JR武蔵小金井)
7月18日(金)
 〜23日(水)
  写真展「記録と記憶のトライアングル
 -韓国、在日、沖縄を撮る10人の眼」
新宿文化センター
7月18日(金) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
7月18日(金) 14:00〜 石川中裁判 東京地裁八王子支部401
7月19日(土)
 〜21日(月)
  ピースサイクルちば2003 問合:043-253-5610  
7月19日(土) 13:30〜 千葉8月の会学習会「心と戦争」 高橋哲哉 船橋中央公民館(船橋南口7分)
7月19日(土) 13:30〜 船橋の教育を語る集い「平和と戦争」 船橋中央公民館(船橋南口7分)
7月19日(土) 14:00〜 戦争はなぜ違法なのか?〜国際法の考え方と現実 阿部浩己 中野区商工会館(中野北口5分)
7月19日(土) 14:00〜 都教育委員会主催:拉致事件を見つめて
 〜国際社会・報道・家族の立場〜 要申込(7/8締切)
都総合技術教育センター(水道橋2分)
7月19日(土) 18:30〜 イラクに派兵するな! 集会 宮下公園(渋谷)
7月20日(日) 10:00〜 千葉県給食まつり 松戸市民会館(松戸東口5分)
7月20日(日) 13:30〜 WorldPeaceNow 7.20ピースパレード 宮下公園(渋谷)
7月20日(日) 13:30〜 骨はどうしてほしいか?-戦争犯罪とその被害回復を考える ペアーレ新宿2F(JR新大久保7分)
7月21日(月) 10:00〜 アフガニスタン国際戦犯民衆法廷第1回公判 日本教育会館ホール
7月21日(月) 13:00〜 教科書を検証する歴史研究者シンポジウム 2003
 ―韓国の新しい教科書との対話―
ハートピア京都(地下鉄丸太町すぐ)
7月22日(火) 15:30〜 韓国太平洋戦争犠牲者遺族会訴訟判決 東京高裁813
7月22日(火) 18:30〜 もう戦争はいらない! イラク新法にNO! 集会 社会文化会館(地下鉄永田町)
7月23日(水) 13:30〜 水戸(アカス紙器)事件民事裁判 水戸地裁302
7月24日(木)
 〜28日(月)
10:30
〜18:00
2003平和のための埼玉の戦争展 コルソ(JR浦和西口)
7月24日(木) 18:30〜 シンポジウム 東電原発停止と首都圏の電力問題 神保町区民館(ひまわり館)
7月25日(金)
 〜27日(日)
  第45回自治体学校in徳島  
7月26日(土)
 〜28日(月)
13:00〜
〜12:00
全国民主主義教育研究会第34回大会 西熱海ホテル(熱海温泉)
7月26日(土)
 〜28日(月)
14:30〜
〜11:00
第33回平和と民主主義をめざす全国交歓会
 問合・申込:info@zenko-peace.com
志賀ハイランドホテル
 (志賀高原蓮池)
7月27日(日) 13:00〜 グランワークショップ2003 豊田直巳,宮台真司,荻野晃也他 社会文化会館(地下鉄永田町)
7月30日(水) 16:00〜 田畑先生再雇用拒否裁判判決 東京地裁722
7月31日(木) 10:30〜 千葉靖国訴訟 千葉地裁501
8月1日(金)
 〜7日(木)
  原爆の絵展 新習志野図書館
8月1日(金)
 〜4日(月)
  地理教育研究会第42回三瓶山大会「中国山地に生きる」
 申込:Fax.03−5626−1052
国民宿舎さんべ荘
8月2日(土)
 〜3日(日)
12:30〜
〜15:30
日本母親大会 2日全体会(あきたスカイドーム) 川畑純四郎
 3日分科会(秋田経済法科大学,秋田経済大学短期大学,高校)
 
8月3日(日)   靖国神社・遊就館見学会 講師・ガイド:吉田裕(一ツ橋大教授)
 要事前申込:7/1〜7/31 Fax:03-3366-8262
 
8月5日(火) 18:30〜 「地域を元気にする」研究会2 労働組合の取組み
 山口哲雄(千葉労連)
自治体福祉センター
 (千葉県立中央図書館前)
8月6日(水) 12:00〜 8.6ヒロシマ大行動 広島県立体育館小アリーナ(予定)
8月6日(水)
 〜9日(土)
  地人会「この子たちの夏」 問合:03-3354-1279  
8月7日(木) 14:00〜 水俣セミナー「未認定患者の運動と水俣暮らし」 高倉史朗 環境パートナーシップオフィス
 (青山学院前コスモス青山B2F)
8月8日(金)
 〜10日(日)
  原爆の絵展 サンペデックモール
 (JR津田沼南口)
8月9日(土)
 〜11日(月)
  原爆の絵展 市川市民談話室
8月9日(土)
 〜14日(木)
  原爆の絵展 東習志野図書館
8月9日(土)
 〜10日(日)
  徹底討論・教育基本法改悪阻止実現のために 夏の全国合宿
 in名古屋 大内裕和,小森陽一,三宅晶子,高橋哲哉
 
8月9日(土) 13:30〜 旗と歌をおしつけないで!集会 姜尚中,小森陽一他 文京区民センター(地下鉄春日)
8月10日(日) 15:00〜 平和ミニコンサート サンペデックモール(JR津田沼南口)
8月13日(水)
 〜22日(金)
  写真展「記録と記憶のトライアングル
 -韓国、在日、沖縄を撮る10人の眼」
韓国電力プラザ(ソウル)
 大ギャラリー、小ギャラリー
8月15日(金)
 〜17日(日)
10:30
〜19:30
2003平和のための戦争展
 17日〜18:00
新宿スペース・ゼロ(新宿南口5分)
 ギャラリー展示室
8月16日(土) 10:00〜 被爆者との交流会「あの日のヒロシマ」 大久保公民館AB教室(京成大久保)
8月16日(土)
 〜17日(日)
  原爆の絵展 大久保公民館(京成大久保)
8月17日(日) 13:00〜 反核平和コンサート 習志野市民会館(京成大久保)
8月23日(土)
 〜24日(日)
  揚水発電所調査・見学ツアー
 要申込 問合:たんぽぽ舎
東京電力・葛野川発電所
 (山梨県大菩薩峠付近)
8月23日(土) 10:00〜 千葉県統合教育研究集会 千葉県教育会館501
8月23日(土)   「Mardiyem 彼女の人生に起きたこと」上映会 14:00〜.17:00〜 天神アシベホール(福岡)
8月23日(土)
 〜24日(日)
  「ほうせん花-朝鮮女子勤労挺身隊」 名古屋市芸術センター
8月27日(水) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
8月30日(土)
 〜31日(日)
11:00〜
〜16:40
関東大震災80周年記念集会 山田昭次他 亀戸文化センター(亀戸1分)
9月3日(水)   都営地下鉄・中山さん年休裁判  
9月4日(木)
 〜6日(土)
  草の根:沖縄スタディツアー 申込Fax:03-5319-7229  
9月6日(土) 13:15〜 連続学習会「教育基本法よ、何処ヘゆく?」 大石和雄 横浜開港記念会館(関内)
9月12日(金)
 〜15日(月)
  劇団銅鑑公演No.31「Bigbrother」 東京芸術劇場(池袋西口)
9月17日(水) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
10月6日(月) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
10月18日(土)
 〜19日(日)
夕方〜
〜夜
浜岡原発ツアー 参加費\6800 問合:03-3238-9035(午後) たんぽぽ舎(水道橋)集合
10月27日(月) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
10月31日(金)
-11月3日(月)
  水俣への旅 参加費:\44000 問合Fax:03-3208-3052  
11月21日(金) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104
11月27日(木) 18:30〜 青年劇場公演「真珠の首飾り」 朝日生命ホール(新宿西口5分)
12月13日(土)
 〜14日(日)
  アフガニスタン国際戦犯民衆法廷第2回(判決)公判 九段会館
12月16日(火) 13:15〜 国労5.27臨大闘争弾圧裁判 傍聴券交付〜12:30 東京地裁104

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