ひのきみ通信 第65号

2001年5月11日


目次

千高教組「日の丸・君が代」強制反対の
 総括集会に参加して
渡部秀清(浦安高校分会)
9条を育てるために行動を!
 ─2001年5.3憲法集会に参加して─
川鍋光弘
憲法改悪阻止の声、東京に渦巻く
 〜2001年憲法記念日報告〜
「ひのきみ」憲法問題特派員
小泉内閣をどう見るか 戸田 玄
足立16中増田さんに、「研修」延長命令
 土屋都議や産経と結託する都教委に抗議の声を!
酒井(東京都学校ユニオン執行委員)
編集後記 素直な天邪鬼
お知らせ

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千高教組「日の丸・君が代」強制反対の総括集会に参加して

渡部秀清(浦安高校分会)

 4月21日、上記集会が教育会館で開かれた。参加者は職務」命令該当校を中心に20名。はじめに、本部より文書での「総括」が出された。その中では、まず職場を軸とした取り組みについて、以下のように整理されていた。
 「職務命令の撤回を求めて、組合員が未実施校のみならず、実施校も含めて全県的に立ち上がり、それぞれの職場で撤回を求めて立ち上がることができた・・・実施校の中には、該当校への激励行動に加えて、自らの分会で取り組める課題を職場会等で話し合った分会もありました。・・・これまで何回も行ってきた「君が代」の練習を今年から止めさせた分会や、卒業生入場で誰もいない正面に礼をすることを廃止させた分会等・・・。
 該当校では、職場会などを通して、組合員が互いに議論しながら問題の共有をはかり、分会としての取り組みを前進させました。その上で、分会内の情宣活動を強化させ、職員会議での積極的発言、当日にいたるまでの根気づよい校長交渉等を重ねて取り組みをすすめてきました。」
 次に、県民世論を喚起した取り組みとして、11・19松戸集会、2・16市川集会、3・4柏集会などが上げられ、市民や小中の教職員との連隊を深めたことが紹介されていた。そして、「新聞意見広告」には昨年を大きく上回る2647名の賛同(うち氏名公表1446名)が得られたこと、しかもこの取り組みは他県にも波及しつつあること、さらに「2・25千葉県民集会」は、講演内容が良かったこと、該当校分会の教員・保護者の発言では生徒の姿が」生き生きと語られ、今回の職務命令が「生徒が主役」の民主的教育を壊すものであることへの理解が深まったこと、などが述べられていた。また、県内各層からの参加を得、「非常に励まされた」との意見が多かったことも報告されていた。
 最後の方では、3月末の千葉県知事選挙にも触れ、次のように述べられていた。「日の丸・君が代」の強制に反対することを公約に掲げた堂本暁子知事が誕生し、「日の丸・君が代」実施強制を掲げた岩瀬候補の当選を阻む県民世論を形成することができました。」
 この提起を受けて、該当校から報告があった。
 A校からは、今度の人事で7人の組合員が転出、転入組合員はゼロだったこと、新校長は入学式には生徒全員を入れて「君が代」をやると言い出し、生徒と話し合いを持ったが平行線のままだったので、生徒たちは当日保護者席に「アピール」を、新入生にもプリントを配布したこと、PTA会長は挨拶で「新しく来られた先生方は、自由というものをご理解してください」と述べたこと、さらに生徒たちは新入生歓迎会に向けて生徒自治を説明したパンフを作成したこと、新しく来た教員の授業に不満を持つ生徒が増え「授業改善委員会」がつくられつつあること、などが報告された。報告者は最後に「生徒たちの成長は素晴らしい、厳しくはなったが絶望はしていない」と述べた。
 B高校からは実現はしなかったが、入学式に向けて生徒たちが「入学式の司会」「式の中での生徒代表歓迎の言葉」を要望したこと、また、入学式前のHRで生徒たちによる1分間の説明を要望したことなどが報告された。人事については10名の組合員が転出、転入はゼロだった。PTA役員に多くの人が立候補していることも報告された。複数になった教頭は校内を回っているようだ。
 C高校からは、2人教頭はヒマそうにしている、ムカツク、税金の無駄遣い、という意見が出された。春休みに生徒会と校長との話し合いが2回持たれた。「君が代」については、「開式のことば」の前に行うことになった。人事では、7名転出中5名が組合員、転入は結果的に組合員ゼロとなった。まさに不当労働人事だ。また、教頭は昨年まで4時間の授業を受け持っていたが、授業に対する生徒の評判が悪かった。そのせいか今年は授業を持たなくなった。PTAは引き続き生徒の自治を尊重する役員が選ばれるだろうと報告された。
 D高校からは、入学式で「君が代」がテープで流れたが、校長・教頭・PTA会長は歌わなかったようだが、教員の中に歌っている者がいたという報告。E高校からは、「君が代」の練習を止めたという報告。F高校からは入学式で初めて生徒が一人座ったという報告、等など。
 これらの報告を聞いて私は、日本の植民地時代、朝鮮の教師たちや生徒たちが「日の丸・君が代」に面従腹背で抵抗している映画のシーンを思い出した。
 法制化の際、首相も文部大臣も「強制しない」と言った「日の丸・君が代」は、すでに一部の権力者が国民を従わせるための踏絵となっている。しかし、抑圧があれば反発がある。今後、面従腹背の抵抗が広がり、一部の権力者の国民支配が問われる日が来るだろうことは避けられない。

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9条を育てるために行動を!

─2001年5.3憲法集会に参加して─

川鍋光弘

2001.5.3憲法集会後、日比谷をデモ行進する千高教組船橋支部
2001.5.3憲法集会後、日比谷をデモ行進する千高教組船橋支部

 加藤周一・澤地久枝・土井たか子・志位和夫(集会での発言順)の顔ぶれ──加藤周一・澤地久枝の話を直接聞きたいと集まったのか、土井たか子・志位和夫はじめての同席を祝して集まったのか、あるいはまた、このところの小泉ブームとその改憲発言に危機感をもった人々が立ち上がったのか──何れにしても、予想をはるかに超えた大集会であった。主催者発表で場内2800、場外2000余、久方ぶりの日比谷公会堂を市民がとり囲んだ熱気であった。「入りきれないから別の集会に行く」と引き返した日・君の人たちと二度すれちがった。そのような人たちも多かったようなので、5000人を超えたというのは確かであろう。
 各々の持ち味を生かした演説の中で、土井たか子氏は、若い人々に向けて尺貫法の解説から始めて、戦前の斉藤隆夫の反軍演説を紹介、今や国会の状況は斉藤隆夫の心境に立たされざるを得ない程になっているとし、危険な状況は芽のうちに刈りとらねばならないと訴え、六月の参議院選挙では党派の別にこだわらないと結んだ。場内から「オタカサーン」の黄色い声も飛んでいたが、やはり、尺貫法を熟知している白髪の方が目立ったのはやむをえないかもしれぬ。
 志位和夫氏は、わけもわからずに集団的自衛権行使・9条改憲のパフォーマンスをくり返す小泉首相を、ユーモアたっぷりに批判しながら、山崎拓自民党幹事長・中谷元防衛庁長官の体制が、アメリカ仕込みの軍事優先の論理で固められた実務体制である点を厳しく指摘した(ところで、中谷氏は憲法66条の文民条項に違反しないのでしょうか?)。会場からは一・二の「安保廃棄はいわないのかー」と野次が飛んだが、志位氏は「憲法9条を守る国民的共同と団結の闘いのなかで、安保廃棄にもちこむ」と結んだ。
 はじめて聞く加藤周一氏の話は、「明治憲法は70年、今の憲法は50年、まだまだ新しい」「押しつけられた男女平等を今更男女不平等に変えたら、日本中の女性たちが黙っていないだろう」等々、改憲派の論点を一つ一つわかり易く論破して会場を沸かせながら「憲法を育てて行く」必要を強調し、自国への誇りは、強兵の誇りではなく「平和憲法の誇り」を世界に示すことにあるとした。
 沖縄であつらえたという和服姿で登場した澤地久枝氏は、琉球大学での留学体験から、米軍基地の全廃・自衛隊の国際救助隊化、全ての国との二国間平和条約の締結を訴えて、軍事同盟の解消を主張した。
 年の功か、入場制止の声をすり抜けて、超満員の会場にもぐり込んだものの、立ちっぱなしの約三時間は多少こたえた。夕刻、日比谷公園から鍛冶橋駐車場まで約1.5kmの銀座通りをデモ。組織動員というよりも、改憲発言に奮起した一般民衆の自然なデモといった感じで、これにもっと熱気を加えたら60年安保になるかなァ、あの時は霞が関から新橋までの大通りをフランス・デモで占拠したっけ等々と思いうかべていた。数寄屋橋の交差点では、右翼の街宣車が4台程、警察の車に包囲されながら交通を妨害、スピーカーでがなり立てていた。沿道では、メガホンで叫ぶ右翼特攻隊が警官達にとり押さえられていたが、全体的には平穏な、しかし久しぶりに味わった5000人の街頭デモであった。
 「9条を世界の憲法に」「非核不戦国家宣言を」「全ての国と二国間平和条約を」などと、多少の違いはあるが、憲法9条の維持を世界に訴え拡げようという点が強調されたことも、9条を守る国民的な統一の訴えとともに、運動の方向を示すものと評価したい。何はともあれ、人々が集まり、行動することの喜びを感じた一日ではあった。

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憲法改悪阻止の声、東京に渦巻く

〜2001年憲法記念日報告〜

「ひのきみ」憲法問題特派員

 「生かそう憲法、高くかかげよう第9条─2001年5.3憲法集会」を取材するために、日比谷公会堂に出かけた。混雑を予想して、集会開始の30分前には会場に到着。ところが、その時点ですでに入場を待つ人々の長蛇の列が延々と続いていた。列の最後尾に並んだのだが、なんと列は日比谷公会堂とは逆の方向に進んでいるではないか。どうやら、はるか遠方で折り返しているらしい。どこまで行くのだろうかと思いながら進んで行くと、折り返し点は日比谷野外音楽堂の先のほうであった。折り返し点を過ぎ、ようやく再び日比谷公会堂が見えるところまで到達したころ、主催者側からアナウンスがあった。「会場はもう満杯で入場できない」とのこと。並ぶこと30分。この時点でもまだ数千人の人々が日比谷公会堂を取り囲んでいた。
 というわけで、集会の報告については、幸運(強引!?)にも入場することができた川鍋さんにお任せすることにする。取材に失敗した記者は、やむなく方針を変更し、「21世紀に憲法を語ろう、子どもの権利を語ろう─施行54周年憲法記念日集会」が行なわれている日本教育会館に向かった。こちらのほうは600人ほどの集会で、幸い入場することができた。
 集会は、「日本国憲法」と「子どもの権利条約」をメインテーマとするもので、それぞれに関する2本の講演を中心に構成されていた。
 まず、「21世紀と憲法─比較憲法的視点から見た日本国憲法」と題する植野妙実子氏(中央大学教授)の講演があった。氏は、「日本国憲法」と同じく戦力不保持の規定を持つ中米コスタリカの憲法を例に、非武装という手段がいかに現実的な外交手段かということを明らかにした。1949年に制定された「コスタリカ憲法」は、第12条において永久的制度としての軍隊を廃止した。以来半世紀以上にわたって、紛争の絶えない中米諸国の中にあっても非武装中立政策を堅持し、しかも紛争に巻き込まれることを回避して平和を維持することに成功してきた。そして、軍備に回すべき予算を福祉・教育に回し、中米第一の豊かな国民生活を実現している。いまやこのコスタリカの政策は、中米諸国の目指すべき手本とされている。コスタリカ政府観光局日本事務所のホームページには「世界で唯一の非武装永世中立国」とあるそうだ。日本が世界に向かってそのように主張できないことは、残念な限りである。
 つぎは、「21世紀の子どもと子どもの権利条約─『子どもの権利基本法』と『子どもの権利条例』の必要性と課題」と題する荒牧重人氏(山梨学院大学教授)の講演である。氏は、「子どもは権利の全面的な主体である」という「子どもの権利条約」に定められた国際基準をもとに、「少年法」改悪にみられるような危険な方向を批判する。そして、子どもと直接に接する自治体の取り組みとしての「子どもの権利条例」の重要性を強調する。氏が関わった、川崎市の「子どもの権利条例」を例に、子どもがいかに主体的に条例制定に関わることができたか、その意義がいかに大きなものかが示された。さらに、条例制定の運動のうえに、氏は「子どもの権利基本法」の必要性を強調する。日本政府は、「子どもの権利条約」批准にあたって、国内法改正の必要を一切認めなかった。しかし、「体罰」「虐待」等、子どもをとりまく状況は深刻である。すでに日本教育法学会では「子どもの権利基本法」要綱案をとりまとめている。これからの運動の大きな課題であろう。
 日本教育会館の集会終了後、再び日比谷に向かった。日比谷公会堂前に到着すると、ちょうどデモ行進が始まったところであった。そして、偶然にも、千葉高教組船橋支部の旗の下に、記者を含めて3名が結集することができた。おそらく、この混乱の中、千葉からの参加者はほかにも多数いたのではないだろうか。東京駅までの行進の途中、沿道からの声援が、いつになく多かった。小泉首相の改憲発言が報道される中、危機感を持っている人々がいかに多いか、肌で感じることができた一日であった。

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小泉内閣をどう見るか

戸田 玄

 森内閣では参院選が戦えないと考えた自民党は、総裁選挙を前倒し実施した。
 人材がいないと言われる中で、最大派閥の橋本派は橋本氏を出し、当初氏の当選はまず間違いないと考えられていた。しかし、同じく候補にたった4人の中で、唯一小泉氏が「派閥の解消」と「構造改革」を前面に打ち出すことによって、地方の自民党員(各地の県知事選挙などで相次いで破れ、危機感と閉塞感を抱いていた)の圧倒的な支持を受け、他の候補を大差で破り、一気に自民党の総裁となり、4月26日、首相となった。
 その夜、新内閣発足にあたり、彼は次のようなことを述べた。
 「自民党総裁選で言ってきたとおり、派閥にとらわれず、適材を適所に起用した内閣をつくることができた」
 「小泉内閣は改革断行内閣だという気持ちで取り組んでいきたい。改革には必ず抵抗する勢力、反対する勢力が出てくる。その戦いは今日から始まった。抵抗にひるまないように、断固、改革に立ち向かっていきたい」
 ところで、前者の「派閥にとらわれず」であるが、確かに、最大派閥の橋本派からの入閣は2人だけで、第二次森内閣発足時の5人からは大幅に減った。また、橋本派は党3役からもはずされた。橋本派はずしとも言えるくらいだ。また、非議員や女性の登用が目立った。だが、彼が最後まで会長だった森派からは3人が入閣した。したがって派閥に関していうならば明らかな森派閥人事である。森首相は、就任早々、「天皇中心の神の国」という発言をし、その右よりの体質を暴露したが小泉首相も、総裁選挙中、また、総裁就任後に憲法の政教分離に抵触する「靖国神社」への公式参拝に意欲を示し、同じ体質を暴露している。さらに、彼は集団的自衛権の行使、憲法「改正」なども公言している。これは明らかに党内タカ派の森派の主張である。つまり「派閥解消」でできた内閣は、森派の意向がかなり反映されているのである。だから、前首相も機嫌がいいのである。
 後者の「改革断行内閣」についてであるが、これについて彼は繰り返し「構造改革なくして景気回復なし」ということを言っている。しかし、具体的にはどういうことをやろうとしているのか。
・不良債権の早期処理 ・財政構造改革 ・郵貯の民営化 ・行政改革
などがそれであるが、これらを「断行」するにあたっては、「やるべき改革をした場合、マイナス成長になるのはやむをえない」と述べている。
 「不良債権の早期処理」ということは、簡単に言えば、潰れそうな企業などは、一気に潰してしまえということである。だから、当然、企業の倒産、リストラ、失業の増加が考えられる。
 「財政構造改革」について言えば、「国債」発行の抑制であろう。これまで、これにより「公共事業」などを作り出し、景気刺激をやってきたが、これを抑制するわけである。当然、ここでも、倒産や失業が増大する。
 「郵貯の民営化」は、これまでここで集めた資金の多くを今度は民間金融機関に回し、儲かるところにはどんどん投資してもらい、儲からないところには投資しないということであろう。また、民営化すれば「合理化」首切りもしやすくなる。だから、日経連の奥田会長(トヨタ自動車会長)に入閣を打診した。
 「行政改革」についていえば、公務員に対する大「合理化」である。また、福祉の大幅切り捨てである。その結果、民営化が進行、資本が儲ける一方、官民を問わず労働者の賃金や労働条件はさらに低下するだろう。福祉の切捨ての結果、弱いものはますます苦しい生活を強いられることになろう。
 つまるところ、これらを断行すれば、実際には倒産、リストラ、合理化、福祉の切捨てが進行し、失業や不安定雇用も増加し、国民の多くはその分「貧困化」するだろう。その結果、当然、景気の冷え込みも考えられる。しかし、それはやむをえないと言っているのである。
 以上が、小泉内閣の基本的な政治方向である。つまり、更なる右傾化と露骨な民間資本優先の政治である。当然、国内外の諸矛盾は激化してくるだろう。だから、中国や韓国に対する緩衝材として、日中国交回復時の首相の娘である田中真紀子氏を外相に起用したのである。
 だが、いずれにしても、国内における諸矛盾の激化は避けられない。教育に関して言えば、「日の丸・君が代」強制、教科書改悪、奉仕活動の義務化、教職員への管理強化、教育基本法の改悪などが段階を画して強まろう。
 こうした矛盾の激化にどう対応するか。「さらなる右傾化と露骨な民間資本優先の政治」に対決する、働く者の団結の教科と国民的な規模での統一戦線の形成である。すでにその芽はこの間の闘いで生まれつつある。それを大事にし、闘いの中で発展させることが求められている。

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足立16中増田さんに、「研修」延長命令

土屋都議や産経と結託する都教委に抗議の声を!

酒井(東京都学校ユニオン執行委員)

●3月23日、足立16中の高橋校長が東京都教育研究所に訪れ、増田さんに「後1年ここで研修するように」との都教委の意向を伝えました。増田さんは、99年の9月からここでの「研修」を強いられていますが、これをさらに1年これを続けろ、というのです。
 高橋校長は、増田さんの質問に、研修延長の何の合理的な根拠も挙げることはできませんでした。それもそのはず。当の高橋校長自身、3月9日に、「異動は保留となった。学級増があれば、異動もありうる」と伝えているのです。しかも、この伝達は、都教委が増田さんに研修の「反省」を書くように求め、その上で研究所の指導主事を前に、「検証授業」させた上で、なされたものなのです。
 つまり、都教委は、いったんは、「研修の成果はあった」と認めておきながら、2週間もたたないうちに、まったく正反対の命令を伝えてきたというわけです。
●なぜ都教委は、こんな不合理なことを命じるのでしょうか。それは、この「研修」が、どんな教育上の配慮も、合理的な根拠もなしに、だだただ「外部からの介入」に追随して出されたものにすぎないからです。
 「研修」に先立つ2度の戒告処分と同様、この「研修」も、「増田さんは「偏向教育」、反米教育をしている」という土屋都議や田代都議はじめ反動議員と産経新聞、「正論」などの右翼ジャーナリズムによるデマ攻撃に追随してなされたものにすぎません。
 だから今度も、都教委はもしもここで、増田さんを現場に復帰させたら、また都議会で土屋都議らに追及されたり、産経新聞にたたかれることになりかねないとの思惑から、増田さんに、「研修」の延長を命じることにしたとしか考えられません。
●というより最近の都教委は、国立の2小、5小問題を見ても、増田さんの問題を見ても、産経新聞や土屋、田代、古賀ら反動都議らとまったく癒着しています。
 国立の17人の教員への処分は、5小校長の「報告書」の産経新聞への漏洩、それにもとづく、「児童が土下座を要求」等々の「偏向教育」キャンペーンに端を発しています。 増田さんの問題では、都教委は、増田さんが情報開示を請求しても明らかにしなかった個人情報まで、土屋都議らに漏洩しています。昨年、彼らの出版した本に、それが掲載されていますし、右翼的な団体のホームページには、学校ユニオンの役員名簿まで掲載されています。
●都教委は、2月8日には市町村教育委員会に、教科書採択に関する通知を出しましたが、これも、「愛国心の育成」という指導要領の目的に合致した教科書を採択するようにしろ、そのために採択は教委が行えというもので、ようするに「つくる会」の歴史教科書を採択させるよう求める土屋都議や石原都知事、右翼団体などの意向に完全に沿ったものです。
●増田さんへの「研修」延長の命令は、都教委の姿勢から出されるべくして出されたものといえるでしょう。私達学校ユニオンは、26日の辞令手交の際には、都庁に1500枚のビラを配布するなど、反撃を開始しています。増田さんの職場復帰のために、「ひのきみ」の読者のみなさんにも、これまで同様熱い支援を寄せていただくよう、お願いします。

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編集後記

 この間、ある高校の前を通ったら、醤油で煮しめたような「日の丸」が端からほつれて、赤丸の部分まで浸食されている学校があった。この高校は卒業式にも入学式にも「日の丸」も「君が代」もやっている。きっと、校長先生は式の時には「日の丸」に深々と礼をするのだろう。しかし、彼は「日の丸」を大切だとは思っていないのだ。醤油で煮しめられようが・赤丸までほつれようが、そんなことは知ったことではないのだ。これが、県内の多くの「日の丸・君が代」校長や管理職の実態ではないか。そんな「日の丸」なら掲揚しないほうがよつぽどましであるが・・・。
 でも、いい教材になるので揚げ続けてください「×」高校の校長先生!
素直な天邪鬼

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お知らせ

5月11日(金) 12:50〜 南京虐殺の生存者・李秀英さんの名誉毀損裁判 東京地裁玄関前集合
5月11日(金) 13:30〜 居住権裁判・原告証言 千葉地裁松戸支部501
5月11日(金) 18:15〜 青年劇場「真珠の首飾り」 松戸市民会館
5月11日(金) 18:30〜 ハンセン病・西日本訴訟・熊本地裁判決報告集会 東京弁護士会館2F
5月12日(土) 13:00〜
14:00〜
女性の人権にかかわる活動に学ぶ]
 −横浜女性フォーラムと「みずら」−
JR戸塚駅改札口集合
京急神奈川駅改札口集合
5月12日(土) 14:00〜 「文(ふみ)の京(みやこ)」文京区の図書館があぶない!
 本当にいいの?図書館出張所化計画 酒川玲子(日本図書館協会)
文京区民センター3A会議室
 (三田線春日)
5月12日(土) 18:00〜 市民集会 安田裁判とわたしたち 文京区民センター(三田線春日)
5月12日(土) 19:30〜 「骨のうたう」音楽会 横須賀市立文化会館中ホール
5月13日(日) 10:30〜 第11回・団結祭り 千葉公園運動広場
 (雨天時:国労会館)
5月13日(日) 12:00〜 外登法・入管法と民族差別を撃つ 全国研究交流集会 横浜市教育会館
 (桜木町・京急日ノ出町10分)
5月13日(日) 13:30〜 地域から平和をつくろう!よくわかる新ガイドライン 佐倉市臼井公民館
5月13日(日) 14:00〜 高校進学を実現させる会 習志野市谷津公民館
5月14日(月) 18:30〜 学習するぞ!第1回 教育改革関連法を批判する 文京区民センター(三田線春日)
5月15日(火) 18:00〜 司法改革に"NO"5.15シンポジウム 港勤労福祉会館(地下鉄三田)
5月15日(火) 19:00〜 5.15「復帰」を問う!軍人犯罪続発を許すな!
 軍用地強制使用と名護新基地建設との闘いの場から
労働スクエア東京
 (日比谷線・京葉線八丁堀)
5月17日(木) 13:30〜 中国・山西省性暴力被害者裁判口頭弁論(本人尋問) 東京地裁527
5月17日(木) 19:00〜 チェチェン戦争とは何か−その歴史と今を語る 文京シビックセンター
5月18日(金) 18:00〜 排除の論理〜教育6法案反対集会と国会デモ! 社会文化会館(地下鉄永田町)
5月18日(金) 18:00〜 あぶない教科書をとめよう!船橋市民のつどい 船橋勤労市民センター
5月18日(金) 18:30〜 「日の丸・君が代」強制の今を考える5.18集会 神奈川県民サポートセンター604
 (横浜西口5分)
5月18日(金) 18:30〜 タイからやって来た生きるための歌を聞く会 船橋市勤労市民センター
5月18日(金) 19:00〜 地位協定・損害賠償法学習会 すみだ産業会館9F(錦糸町3分)
5月19日(土) 14:00〜 まちがった教科書を採択させない千葉集会─教科書を私たちの手で 千葉県教育会館
5月19日(土) 14:00〜 なぜ?変える教育基本法! どう変わる?教科書! 講師:俵義文,映画上映
 〜奉仕活動の義務化・危ない教科書で子どもが狙われている〜
四街道市文化センター
 (JR四街道10分、市役所隣)
5月19日(土) 14:00〜 平和の息吹、地域から!─「日の丸・君が代」強制許しません 藤沢カトリック教会
 (藤沢南口3分)
5月19日(土)
 〜20日(日)
18:00〜
〜12:00
第31回反天皇制運動全国交流合宿 矢田解放塾
 (近鉄南大阪線矢田15分)
5月19日(土) 18:30〜 青年劇場「真珠の首飾り」 彩の国さいたま芸術劇場
5月20日(日) 10:30〜 立川基地駅伝大会 立川市役所砂川支所前広場
5月20日(日) 12:30〜 パーソナル・アシスタンス「とも」設立イベント 浦安市民プラザWave101
 (京葉線新浦安5分)
5月20日(日) 14:00〜 青年劇場「真珠の首飾り」 平塚市民センター
5月22日(火) 10:00〜 安田弁護士裁判 東京地裁104
5月23日(水) 10:00〜 安田弁護士裁判 東京地裁104
5月23日(水) 14:00〜
16:20〜
18:50〜
「郡上一揆」上映会 千葉市文化センターホール
 (千葉7分、ツインビル2号館)
5月24日(木) 14:00〜 バンザイ訴訟(即位礼・大嘗祭違憲神奈川住民訴訟) 東京高裁822
5月25日(金) 10:30〜 都タクシー労災闘争裁判 京都地裁
5月25日(金) 『君が代』立たねば招かぬって何?!─来賓排除問題を考える─ 品川きゅりあん(大井町駅前)
5月26日(土) 13:00〜 日の出・水俣・三里塚から、わたしたちの暮らしへ 杉並区立勤労福祉会館
 (JR西荻窪15分)
5月26日(土) 18:00〜 止めよう!スターウォーズへの道 白鳥紀一、吉川勇一 渋谷勤労福祉会館(渋谷5分)
5月27日(日) 11:00〜 ゆめあーる祭り すずらん公園(JR市川南口5分)
5月27日(日) 12:00〜 5.27全国総決起闘争 芝公園23号地
5月27日(日) 13:00〜 高校進学を実現させる会 船橋市勤労市民センター
5月27日(日) 14:00〜 前・沖縄県副知事 吉本政矩氏講演会 千葉県労働者勤労福祉会館
5月27日(日) 14:30〜 第5回憲法とあゆむ市民の会・私たちと沖縄をつなぐ平和憲法 市川市勤労福祉センター分館
5月28日(月) 18:30〜 青年劇場「真珠の首飾り」 朝日生命ホール(新宿西口5分)
5月29日(火) 14:00〜 青年劇場「真珠の首飾り」 朝日生命ホール(新宿西口5分)
5月29日(火) 18:30〜 第2回千葉市地域官民労働者交流集会 京葉工業高校2F会議室
5月30日(水) 13:10〜
18:30〜
中国人元「慰安婦」裁判第一次訴訟判決
報告集会
東京高裁712
シニアワーク東京(飯田橋)
5月30日(水) 14:30〜 歴史歪曲・排外主義にNO! 多民族・多文化共生社会にYES! 5.30行動 日比谷野外音楽堂
5月30日(水) 18:30〜 青年劇場「真珠の首飾り」 アミュー立川
6月1日(金) 18:30〜 青年劇場「真珠の首飾り」 調布グリーンホール
6月3日(日) 14:00〜 青年劇場「真珠の首飾り」 船橋市民文化ホール
6月6日(水) 13:30〜 名古屋三菱朝鮮人勤労挺身隊訴訟第8回口頭弁論 名古屋地裁

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