右翼の街宣活動で中国修学旅行が中止 奈良県月ヶ瀬村は、ともに梅の景勝地で有名な中国の無錫市と交流を始め、「日中友好青少年海外研修」として1994年から村立中学校の中国修学旅行を続けてきた。しかし、今年2月に右翼団体が村教委に中止を要望、その後街宣車29台が村役場に集結したり13日間にわたり村内で街宣活動を展開した。結局、4月に村教委は中止を決めた。教育長の話「村の経費で義務教育の子どもを中国へ連れて行くのは、共産主義を学ばせに行くのと同じでおかしいと中止を求められた」。右翼団体代表の話「…偏向教育だ。我々の主張が理解されて中止になったと思っている」。
(朝日新聞 11/10夕刊記事より要旨)
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「日・君」強制反対集会に170人以上の参加!大成功! (11・29松戸集会) |
石井 泉(浦安南高校分会) |
行政の不当な介入続く国立の教育 ─「日の丸・君が代」では「地方分権」は名ばかり─ |
永野厚男・ライター |
行政の不当な介入続く国立の教育 ─学校教育法に違反し「日の丸・君が代」強制─ |
永野厚男・ライター |
教育長の発言と「産経新聞」への見解 | 千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会 |
右翼の不当な圧力に屈せず、教育の自由をまもることについての要請文 | 千葉県高教組松戸支部 |
9条は日本人民が政府に『押しつけ』たもの | 三橋千恵子(英語教員) |
「日の丸・君が代」と千葉県知事選挙 | 小幡 勉(京葉工業高校分会) |
お知らせ |
11/29に松戸市明市民センターにおいて「『日の丸・君が代』をなぜ強制するの?11・29松戸集会」が開催された。平日の夕方ということで参加者数が心配されたが、そんな不安を吹き飛ばす170人以上が集まり会場はあふれんばかりの熱気だった。松戸市では、今年3月以降、産経新聞による歪曲報道で、卒業式・入学式において「日・君」を実施しなかった小学校や高校などが不当な非難を浴びている。まさに、産経新聞の「国立攻撃」「札幌攻撃」「大阪豊中攻撃」同様の攻撃が千葉県でも起きている。松戸地区において、このような産経新聞の攻撃に、多くの関係者が危惧・抗議の思いを強くしていることを、参加者の数からも、またその参加者の声からもはっきりと皆で示せたことは、本当に良かった。千高教組の3支部(松戸・船橋・市川)や全教千葉の松戸市教組の方々が中心となってこのような会が催されたが、小・中・高校の教員だけでなく、保護者、市民など広範囲の参加があり、横のつながりがまた広く太くなった気がする。
「開会の挨拶」「主催者挨拶」(松戸市教組)に続き、現在最も激しい攻撃を受けている国立二小の教員からの報告だった。松戸地区を焦点に千葉も他人事ではなく、皆熱心に、真実を知りたい、闘いを学びたいと生の声を聞いた。いくつか、印象に残った点を次に述べる。卒業式前日に校長は、「校地外に警察が来る。先生方は7:30前に来ると職務質問を受けるかもしれない。市の職員と管理職で7:30に国旗を屋上に揚げた後、教職員を校内に入れる」と伝えたそうだ。この言葉は、校長がまさに子どもや教員に背を向け警察・行政を向き強制導入したことを表している。そしてこんなやり方でないと日の丸が揚げられなかったことを象徴していた。また、式当日の屋上でのやりとりについては、意図的に校長が都合が悪い或いは腹が立つと感じたものばかりを抽出し誇大に事故報告書としてまとめたようだ。真実がいかに歪曲されたかは後に作成された青法協(弁護士)による「聞き取り調査報告書」と比べれば一目瞭然である。また、校長の事故報告書は、正式手続きをへた情報開示前に産経新聞に流れていた、つまり管理職か市教委など関係者が産経新聞に情報漏洩・リークしていたらしい。この重大
な問題については今後も厳しく追求していくとのことだった。国立の先生や保護者が特に強調したいのは、国立二小の教育は間違っていないし子どもはのびのびと成長しているという自負だった。自由で思ったことが言える環境・主体的に考えていく姿勢・他人の意見を尊重し話し合いで物事を解決していく気風を今までずっと培ってきた。そのような中で卒業式も素晴らしい行事が実施されていたのである。国立二小の先生は次のように発言していた。「今回のことで一番傷ついているのは卒業生や在校生つまり子どもたちです」「産経新聞は、教員は校長に従うもの・子どもは大人に従うもの・それができない二小は悪い学校という論調でイメージ化を図っている。しかし、二小は教員も子どもも自由にものを考え発言してきた学校です。この伝統を守りたい」と。
その後は参加者からの発言だった。松戸や市川の小学校や高校の教員から、或いは地域の方から、高校の保護者から様々な取り組みの報告があった。どの方々にも共通していたのは、やはり「子どもたち中心の行事・学校作り」を是非目指していきたいという思いだった。参加者170名全員が、児童・生徒・わが子にとってどんな卒業式を作るか、どんな学校作りをするか、共通の思いを確認し勇気づけられた集会だった。
これまで児童主体の入・卒業式を続けてきた東京の国立(くにたち)市立第二小学校の2000年3月の卒業式で、澤幡勇治校長が登校してくる児童・保護者・教職員をロックアウトし、校舎屋上に「日の丸」掲揚を強行した。式終了後、7〜8人の子どもたちが「一方的な「日の丸」掲揚の理由」を校長に問うた話し合いを、4月5日のサンケイ新聞が「児童約30人が校長に詰め寄り、土下座要求。日の丸を降ろさせていた」と歪曲報道し、保守系都議らの圧力が高まったのを利用し、8月10日、都教育庁・都教育委員会は国立二小の教員に対する不当処分を行った。都教育庁は更に8月7日、庁内に「国立市立学校教育改善検討委員会」なる機関を設置、10月12日には「国立市立学校教育改善検討委員会報告書」を出した。このなかで都教育庁は処分理由として「卒業生に校長の職務権限について誤解を生じさせる発言をしたことにより、一部の卒業生が校長に不適切な発言をする事態をさえ生じている」と記し、子どもの意見表明をも「不適切」と一方的に決めつけている。
青年法律家協会の弁護士による子ども・保護者への聞き取り調査によると、「文部省・教育委員会に決められ指示されているから揚げるんだよ」と繰り返すばかりの校長に対し「民主的に意見表明をした子どもたちの成長に目を見張る思い出あり、感動した」と回りで見守っていた保護者は述べている。ところが、横山洋吉都教育長は10月13日の毎日新聞で「国立の教育は恥ずかしい、情けない現状がある」と感情的な暴言を吐いている。そして、教育庁は12月末までに「報告書」に基づく「改善」策を作成し回答せよと国立市教育委員会に強要し、更に「すべての区市町村教育委員会が「報告書」を参考に学校運営を見直せ」と主張している。
抗議先 横山洋吉東京都教育長
〒163−8001新宿区西新宿2−8−1都庁第二庁舎教育庁
TEL 03−5320−6701(秘書直通)
FAX 03−5388−1725
学校教育法第20・38・43・73条は、小・中・高・障害児学校の教育課程の領域中、文部大臣の権限が及ぶのは「教科」の領域のみと記しており、「特別活動」の領域(入・卒業式など)には学習指導要領の法的拘束力は及ばない【注1】。文部省は、この学校教育法の「教科」を「特別活動」の領域をも含むかのように拡大解訳し、省令に過ぎない「学校教育法施行規則」第25条で「小学校の教育課程については・・・学習指導要領によるものとする」と勝手に規定。これを金科玉条にして「特別活動」も学習指導要領による法的拘東力があると主張し、学習指導要領の「特別活動」の項に「日の丸・君が代」を強制する記述をしている。しかし、文部省よりと言われた故・相良惟一(元・聖心女子大学長)でさえ「文部省の拡大解釈は三百代言」と批判している。
ところが「報告書」は、上位法規の学校教育法を無視して、いきなり「学校教育法施行規則第25条」を囲みで強調している。しかも、「中学校については同法(ママ)第54条の2」と学校教育法施行規則を学校教育法と勘違いすらしている。
次に「報告書」9・10ぺ一ジには前記「特別活動」への違法な介入に加え、「社会科・音楽科において国旗・国歌に対する正しい認識をもたせ尊重する態度を育てる指導を適切に行え」としている。1976年の旭川学力テスト訴訟の最高裁判決は「教科」についての学習指導要領の法的拘東力は認めたが、「生徒に一方的に一定の理念や観念を教え込むことを強制するような場合については例外」としている。「天皇への敬愛の念を深めさせる」と明記した小学校社会科学習指導要領による「君が代」指導は明確に違法な「一定の観念の教え込み」に他ならない。これは、戦前の文部省著作国定教科書「初等科修身二」の指導書にある「『君が代』を唱和するときには、心から天皇陛下の御ために身命をなげうち、皇室のみ栄を祈り奉らずにはゐられないのである」と何らかわらず、まさに「国=天皇のために死ねる人づくり」復活を狙っていると考えられる。【注2】
なお、報告書1〜2ぺージは、候守系議員の議会質問を「保護者等から指導内容に偏りがあるのではないかとの指摘がある」と『等』の中に入れ込み、「国立市教委指導主事(通年の学校訪問を明記)・校長・教頭、更に保護者(前記『等』も?)による授業観察・参観」強制を主張している。
【注1】 これは戦前の文部省が学校行事(とりわけ儀式的行事)で「君が代」「御真影」「教育勅語」を通じて子どもたちに国家主義思想を注入し、戦場に駆り立てた反省の上に立っている。
【注2】 文相も務めた三原朝雄防衛庁長官(当時)は1977年、雑誌「国防」で「有事のことを考えると、平素から教育の場で国旗・国歌を教えることが必要」と発言。また教育改革国民会議の勝田吉太郎(鈴鹿国際大学学長)は第1分科会で「教育基本法には国家や民族などがすっぽり欠落している。ちょうど基本法の姉にあたる日本国憲法の性格に相応している。現行憲法は国家存立の根本にかかわる問題、つまり防衛問題については、『臭いものに蓋をする』かのように、国の安全を『平和を愛する諸国民の公正と信義』に、(現実には米国に)任せている。そういう憲法に、教育基本法はぴったりと歩調を合わして(ママ)いるのではないか」と発言。
他の新聞には出ていなかったが、昨日の『産経新聞』(千葉版)には、「国旗・国歌 県教育長『毅然と指導』 全校実施へ強い決意表明」という見出しの記事がトップで出ていた。記事によると、(中村教育長は)「初めて『毅然として指導する』との表現を使い、全校での実施に強い決意を表明したとある。しかも、この記事には、さらに、「他の都道府県は昨年の国旗国歌法施行を受けて指導を強化。今春の入学式では、千葉県の公立高校の国旗掲揚・国歌斉唱率が全国最下位、国歌がワースト二位に転落している」とあり、いつものパターンで、未実施校を挙げている。
ここには、幾つかの問題がある。
まず第一に、中村教育長が「毅然として指導する」と、強制をほのめかしたことである。これは、法案成立時の、・総理大臣談話(「国民の皆様に新たな義務を課すものではありません」1999、8、9)、・文部大臣談話(「学習指導要領に基づくこれまでの指導に関する取扱いを変えるものではありません」1999、8、9)、・文部省の『通知』(「学校におけるこれまでの国旗及び国歌に関する指導の取扱いを変えるものではありません」1999、9、17)、などを逸脱するものであり、許しがたい。だから、我々は今回の中村教育長の答弁に対し、強く抗議するものである。
第二に、『産経新聞』にはいつもあることだが、「毅然と指導」の表現イコール「全校実施へ強い決意表明」と一方的に決めつけ、あえて「全国最下位」「ワースト二位」などの表現を使い、かつ未実施校の名前を挙げ、脅しや圧力をかけていることである。権力を傘に弱いものいじめをしている。
第三に、この記事が『産経新聞』以外に出ていなかったことである。いかに『産経新聞』が、人々の常識から離れているかということである。「日の丸・君が代」を導入したから教育が良くなったなどという話は聞いたことがない。戦前の例を見るまでもなく、最近でも、「日の丸・君が代」が100%に近付けば近付く程、教育はますます悪くなっているのが実際である。
したがって、我々は、民主教育を守るため、引き続き、「日の丸・君が代」の強制に反対し、『産経新聞』の脅しや圧力に屈することなく、逆に彼等の常識外れを大衆的に暴露していくであろう。
2000.11.29
松戸市教育委員会御中
千葉県高教組松戸支部
そもそも、産経=扶桑社は、教科書を検定に出した当初より『歴史への招待』(付属資料・)というパンフレットをつくって宣伝を始め、執筆者の一人の西尾幹二氏も白表紙本を取り上げてTVで宣伝しています。その後、「つくる会」の会誌『史』(資料・)のような冊子も広く配布され、7月にはこれらをまとめた『新しい教科書誕生』という本まで発売されています。白表紙本もそのような宣伝の中で彼らから配布されたのでしょう。 Aさんの教科書研究は、彼らが宣伝のために配布した資料を教科書ネットや歴史教育者協議会から手に入れ、中学教員の視点から分析したものです。教員が教科書研究を行うことは、むしろ積極的な取り組みとして評価されるべきでしょう。また、その内容の問題点を明らかにすることのどこに違法性があるのでしょうか。 産経=扶桑社の教科書が独善的ナショナリズムで偏向していることについては、つとに7月頃「朝日新聞」「毎日新聞」「共同通信」配信の各新聞で紹介されました。最近では、外務省関係者も対外関係を損なう危惧をもっていたことが伝えられています。また、この教科書を採択させるための運動の問題点も、11月26日(日)の「朝日新聞」朝刊に紹介されたところです。 一部右翼の人々は、彼らの考えが正しいという思いこみから、産経=扶桑社版教科書を批判することを押さえ込むべく、個人への脅迫や学校への業務妨害を繰り返しています。これらの行為を、中学教科書を・教育委員のみで選定させ、・採択の経過を透明化(公開)させる、という「つくる会」の採択戦略と重ね合わせた場合、来年の採択期に同じことが教育委員に対して行われることは目に見えています。 教科書選定についてのこのような不当な圧力を排除し、正しい教科書選択が行われるためにも、教科書についての研究や発言の自由は保障されねばなりません。 以上のような理由から、Aさんに対する一部右翼の攻撃を、毅然とした態度で退けていただきたく要請するところです。 |
県の英語科教研の講演者ダグラス・ラミス氏は今年3月、津田塾大学教授をやめて現在沖縄在住である。専門は政治思想史。日本国憲法についての著書もあり、わたしは前任校で憲法の条文の一部を英語で読む課題を出した時に参考にさせていただいた。今回の講演は、9条を守るべきだという確信を我々にあらためてはっきりと持たせる内容だった。
1960年、彼は米海兵隊員としての3年間(偶然この3年はアメリカが戦争をしていなかった)の最後の1年を沖縄の基地ですごし、その後大阪外語大で日本語を学ぶ。当時多くの日本人学生が必ず言った言葉。「私たちは戦争を経験した。もう私たちは戦争をしない。だから日本国憲法に9条がある。」主語は1人称、『私たち』であった。(十数年後の日本人の言葉では、この主語が『憲法』になっていたという話も興味深かった。今の私たちも含め、1人称で語れる現実感を持てなくなっていったのかと。)彼はその時「この論は国際関係上成り立たない。ロマン主義だ。現実的ではない。」と反発したという。しかしその後バークレー校へもどり、ベトナム反戦運動が起こるアメリカで「戦争の現実を知らずに主張した、ロマン主義は自分の方だった。」と気付く。戦争に行ってみたいと言うのは戦争に行ったことのない兵士で、朝鮮戦争を経験した兵士は(将校でさえ)心の中では戦争が起きないことを望んでいたのだ。
「だらしない生徒は自衛隊に入れればいいのだと言う教師がいるのだが」という質問に答えて、軍の教育力を信じるのも、軍は自国民を守るものだというのもロマン主義だと氏は言う。軍は、ものを考えず命令に従うこと、反射的に人を殺すことを訓練する。アメリカでは、戦争から戻った人の犯罪率が高い。また20世紀100年で国家によって殺された人は2億人、その圧倒的多数が自国民だという現実から見ても、軍は決して国民を守らない、と。
日本政府は9条を生かして平和を追求しようとしていない。だからアメリカで9条の良さ、効果は説明しにくい、理解されない、という。
また「9条は素晴らしい」というだけの漠然とした中身のない平和主義はもろい。津田塾のある学生がアメリカに留学し、ゼミで「9条はすばらしいんだ」と発表すると、具体的な場面をあげての質問が殺到し、彼女は答えに窮してしまったという。軍があって、戦争をすることを当然と思う人々に対して、具体的な論拠を持って9条を押し出せる教育が必要なのだ。
日本の若者が戦争ごっこのようなゲームに熱中し、『戦争論』に簡単に影響されてしまうのも「戦争」に現実感がないからだろうか。参加者からの質問に答えての話からも、教師も親も戦争を体験していない今、戦争をせずに反戦を継承していく説得力ある方法が必要だと強く感じた。氏の言う、「大人になれば戦争で自分が人を殺すのは当然と思っていない今の日本の『常識』」を何としても継承したい。
ラミス氏は言う。日本国憲法は、国民が占領軍と一緒になって政府に対して『押しつけ』たもの。「憲法」とは政府に対して国民が制約を課すものなのだと。私たちはあらためてこの意識を確認し、当時の民衆が平和、民主主義を強く望みそれに向けて取り組んだ事実を伝えていかなくてはならない。
講演後、氏と参加者10名ほどで行った喫茶店でも、講演内容に関連した話が続いた。個人的には陪審制、日本の司法についての考えも聞きたかったが、この日の内容とはずれるので、陪審制について肯定派か否定派かだけを尋ねた。「肯定派です。おもしろい判決がでますから。」機会があれば司法についての話も聞いてみたい。
私は、昨年と今年の高教組定期大会で、革新県政を実現する(革新知事誕生)ために、高教組が千葉県のあらゆる団体のなかで積極的な役割を果たす方針を確立すべきとの加筆修正案を提案した。昨年は、あと一歩ではあったが、「少数否決」された。しかし今年は、その修正案が本部によって基本的に受け入れられた。これは画期的なことだった。
前回4年前の沼田現職知事に対して、「明るい民主県政をつくる会」から河野泉候補が立候補した。高教組本部は最終盤になって、ようやく支持を決めた。これは遅すぎた。もっと早く決定していたら、県内の世論を引き寄ることができたことは否定できないだろうと確信する。高教組の果たす役割からみて、大きな影響を与えたであろうことは疑いない。それは約50万票を獲得し、あと一歩まで沼田候補を追い詰めたこと、船橋など、県西北部では沼田候補の得票を上回ったことなどから、もっと早く推薦・支持を表明していたら、河野候補への風が吹き、さらに得票が伸びたことが予想される。高教組の果たす役割や期待については、今年開かれた「2.11『日の丸君が代』強制反対県民集会」や意見広告運動で見事に証明されている。4年前は、沼田知事の高齢と多選批判があったし、ゼネコン優先による大型公共事業への批判も強まっていた。また90年代に入ってから、自民党は、都市部を中心に退潮傾向が続いていたという局面があったのだ。大変惜しかった。「逃がした魚は大きかった」というのが、その後の県政や教育現場をみると思わざるを得ない。
さて今回、高教組本部は定期大会で革新県政誕生のために、一定の動きをとることを決定した。これをどのように具体化していくか、本部、及び組合員の動きが試されている。そもそも政府・県当局の「財政危機」「教育改革」を口実とした教職員や生徒・保護者への様々な攻撃を、職場と県民との共同で断ち切るためには、きたるべき県知事選挙で、自民党県政を転換し、革新県政を実現していくことが重要である。そのためにも「財政・教育危機突破、県民生活向上・民主教育実現・憲法擁護」の一致点で大同団結できる候補者を擁立するか、推薦・支持を表明して、県内のあらゆる団体・個人に対して、高教組が積極的な役割を果たすことが、自らの要求を実現するためにも必要である。とりわけ「日の丸・君が代」の強制について、中村教育長が、今年2月の見解を一歩踏み込んだ発言を9月議会で答弁した。また県教育委員会は、生徒自身の手による手づくりの、「日の丸・君が代」のない卒業式を実施している「特色ある学校」の校長を呼びつけ、その実施を迫っている。だからこそ千葉県政を握ることは必要最低限の条件である。県政を転換する必然性がここにある。
こうしたなかで、先におこなわれた総選挙における自民党の得票率と議席の後退、東京21区の補欠選挙の敗北、長野県や栃木県のように、現職候補か、現職の禅譲候補を擁立した自民党などオール与党の保守候補が、いわゆる無党派候補に敗北した。長野県では、田中知事が、公共事業の見直しなど、県民との公約を実現しようとしている。また宮城県においても、警察の情報公開をめぐって知事と警察当局が対立している。このように、昨今の出来事をみるまでもなく、知事が代わることによって、県政にどんな変化が生まれるか、それは一目瞭然である。沖縄県については、稲嶺知事と大田知事の違いがはっきりした。またかって70年代には30%を越える革新自治体が生まれた。そして75年以降の学校増設や老人医療費を無料にしてきたことは周知の事実である。この遺産が、この間、誰によって崩されてきたこともまた事実である。
千葉県においても、1兆7千億円もの借金をつくってきた張本人が「勇退」することとなった。県民生活や教職員の生活、そして中途退学者、不登校、いじめなど、どれをとっても全国的にはワースト記録を続けている子どもの状況、そして21世紀の千葉の教育ビジョンを見ると、革新県政実現の必然性は、前回の知事選挙の時以上に、いっそう政治の革新と県政の転換を求めている。「もはや待ったなし」である。
県知事が自治体首長として、その許認可権限を1000件所持している事実を確認すべきである。その中には人事委員会・教育委員会委員長もある。私たちが県民の立場に立つ県知事を手に入れることがどれほどの力になるか、それは、少人数教育問題でも、現業問題でも、家庭科教員問題でも、「日の丸・君が代」強制問題でも明らかである。それはこの間の運動を担ってきた一人一人の組合員や教職員の共通の願いになることは明らかである。
来春に行われる県知事選挙に向けて、高教組は県内のあらゆる団体に向けて、以上述べてきた立場から行動を意識的・積極的に起こしていかなければならない。
特に沼田現知事の勇退後の候補者として、中村教育長、浜田幸一氏、岡島元自由党県連会長、岩瀬元教育長・現参議院議員などの名前があがっては消えてきている。自民党千葉県連は女性候補も視野にいれて検討しているようである。民主党も検討中である。公明党は自民党と強調するとの方針のようである。また自民党は県知事選挙をめぐって分裂している。まさに国民の声が、流動化した情勢をつくっている。彼らは国民が怖いのである。また労働組合や市民団体、民主団体、そして共産党も加わっている「明るい民主県政をつくる会」は河野候補を擁立することを決定し、本人も了承した。今まさに千載一遇のチャンスである。「風」は従来の枠を超えた幅広い統一戦線を求めている。今こそ高教組が、先に述べたスローガンで広く県民に呼びかけ、県民の声に応えていく時である。最大の壁はセクト主義である。教職員や生徒・県民の声に応えられない組織に未来はない!
12月8日(金) | 10:00〜 | 731部隊細菌戦被害国家賠償請求裁判 | 東京地裁103 |
12月8日(金) | 11:00〜 | 憲法9条ポロシャツを口実にした発表妨害暴行事件(カオル裁判) 第1回控訴審 |
福岡高裁502 |
12月8日(金) | 12:30〜 | 恩寵園・大浜浩(元園長)傷害罪刑事裁判 | 千葉地裁(整理券配付) |
12月8日(金) | 18:00〜 | 教科書問題学習会〜あぶない教科書ってどんな中身〜 主催:歴史教育者協議会松戸支部 |
松戸市民劇場会議室 |
12月8日(金) | 18:30〜 | アジアフォーラム横浜2000年証言集会 証言:蕭雲 「私の村は日本軍によって消された!」 講師:高嶋伸欣 |
かながわ県民センターホール (横浜西口5分) |
12月9日(土) | 10:00〜 | 「ひなたぼっこ」上映会 | 千葉市文化センターホール(千葉7分) |
12月9日(土) 〜11日(月) |
10:00 〜18:00 |
2000平和のための戦争展ちば(初日は午後から) 千葉県と戦争−南北朝鮮和解の機運をふまえて− |
千葉市文化センター(ツインビル2内) |
12月9日(土) | 14:00〜 | 平和のための戦争展ちば 懇話会「アジアの平和と私たち」 第1部「アジアの情勢の中で」 秋庭稔男(AALA連帯委理事長) |
千葉市文化センター(ツインビル2内) |
12月9日(土) | 14:00〜 | インクルージョンフォーラム「あたりまえに普通学校に行く」 主催:障害者の教育権を実現する会 |
文京区民センター (三田線春日、丸の内線後楽園) |
12月9日(土) | 17:30〜 | 新聞と「日の丸・君が代」 講師:山口正紀(新聞記者・「人権と報道・連絡会」世話人) |
埼玉県労働会館 (北浦和西口5分) |
12月9日(土) 〜10日(日) |
「開かれた学校づくり」全国交流集会 | 高知大学 | |
12月10日(日) | 10:00〜 | 習志野市母親大会 | 習志野市勤労会館(京成線大久保5分) |
12月10日(日) | 13:00〜 | 高木仁三郎さんを偲ぶ会 | 日比谷公会堂 |
12月10日(日) | 13:00〜 | ノーモア南京2000年東京集会 | 星陵会館(地下鉄永田町7分) |
12月10日(日) | 14:00〜 | 平和のための戦争展ちば 懇話会「アジアの平和と私たち」 第1部「朝鮮と私たち」 各務敬(コリアの会) |
千葉市文化センター(ツインビル2内) |
12月11日(月) | 15:00〜 | 高嶋教科書裁判 | 東京高裁101 |
12月12日(火) | 10:00〜 | 千葉高教組社会科教研 10:00〜分科会 14:00〜講演「社会科にとって総合学習とは?」 |
千葉県教育会館(分科会202,301,302 全体会608) |
12月12日(火) | 12:20〜 | 長編記録映画「百万人の身世打鈴」上映会 | 中野ゼロ(中野8分) |
12月12日(火) | 13:30〜 | 文京七中早川さん職業病解雇撤回訴訟 | 東京地裁619法廷 |
12月13日(水) | 14:30〜 | 所沢高校教諭不当処分撤回埼玉県人事委員会審理最終陳述 | 埼玉県庁第3庁舎講堂(JR浦和12分) |
12月15日(金) | 10:30 〜21:00 |
また戦争をしますか? −アジアで今起こっていることを知り、日本の未来を考えよう− 「教えられなかった戦争・マレー編」上映 三菱化成の放射能公害を元社員が報告・監督挨拶 「教えられなかった戦争・フィリピン編」上映 ミンダナオ島・モロ族NGO活動家の現地レポート |
青葉公会堂 (東急田園都市線市ヶ尾) |
12月15日(金) | 18:30〜 | 生きとし生けるものが共に生きる 武器の無い世紀へ | 渋谷勤労福祉会館(渋谷7分・パルコ前) |
12月15日(金) | 18:30〜 | 「日の丸・君が代」なんて押しつけられてたまるか・連続学習会3 講師:山中恒 主催:神奈川の会 |
藤沢市民会館第2会議室 (藤沢南口10分) |
12月16日(土) | 14:00〜 | 徹底検証!憲法違反の「あぶない教科書」 講師:君島和彦、渡辺治、俵義文 |
全水道会館(水道橋東口3分) |
12月16日(土) | 「ひなたぼっこ」上映会 14:30〜 18:00〜 | 船橋市勤労市民センターホール | |
12月16日(土) | 15:00〜 | 講演「いま、大人たちは何をすべきか 最近の少年事件を考える」 能重真作 主催:日本共産党千葉県文化後援会 |
千葉県教育会館303 |
12月16日(土) | 17:30〜 | <沖縄サミット>対抗運動の検証−次のステップへ | 文京区民センター |
12月16日(土) | 17:30〜 | 大人・子どものいじめ問題を素人の目から語る集い12 | 調布市文化会館たづくり (京王線調布南口3分) |
12月16日(土) | 18:00〜 | また戦争をしますか? −アジアで今起こっていることを知り、日本の未来を考えよう− 「今、なぜ憲法改悪・軍事大国化へ日本は進むのか」 講師:渡辺治 |
シニアワーク東京(飯田橋7分) |
12月17日(日) | 12:30〜 | グラン・ワークショップ 講演:このままで良いのか日本!? 河宮信郎・安藤多恵子 トークライブ:21世紀の社会運動を展望する 鈴木正文他 |
三宅坂ホール (社会文化会館5F・地下鉄永田町5分) |
12月17日(日) | 13:30〜 | 国際シンポジウム「21世紀の公共事業のあり方を求めて」 アメリカ・オーストリア・オランダ・日本からの報告 鼎談:筑紫哲也、菅直人、亀井静香(交渉中) |
九段会館(地下鉄九段下3分) |
12月18日(月) | 18:00〜 | また戦争をしますか? −アジアで今起こっていることを知り、日本の未来を考えよう− 「教えられなかった戦争・マレー編」上映 三菱化成の放射能公害を元社員が報告 |
シニアワーク東京(飯田橋7分) |
12月19日(火) | 18:00〜 | また戦争をしますか? −アジアで今起こっていることを知り、日本の未来を考えよう− 「教えられなかった戦争・フィリピン編」上映 ミンダナオ島・モロ族NGO活動家の現地レポート |
シニアワーク東京(飯田橋7分) |
12月20日(水) | 13:30〜 | 厚木爆音訴訟第25回公判(原告本人尋問) | 横浜地裁 |
12月20日(水) | 18:00〜 | また戦争をしますか? −アジアで今起こっていることを知り、日本の未来を考えよう− 「教えられなかった戦争・沖縄編」上映 製作報告:高岩仁監督 |
シニアワーク東京(飯田橋7分) |
12月21日(木) | 憲法調査会参考人意見聴取 午前:村上陽一郎 午後:未定 | ||
12月23日(土) | 13:30〜 | なぜ?どうして?「日の丸・君が代」に反対してはいけないの? 校長に意見を言ってはいけないの? 〜国立市教職員への不当処分を問う〜 講演:西原博史 |
小金井公会堂 (中央線武蔵小金井5分) |
12月23日(土) | 14:00〜 | 厭戦庶民の会<結成の集い> | 神奈川サポートセンター |
12月23日(土) | 14:00〜 | 教科書を良くする千葉県議員連盟第4回研修会(右派議員の集会) 講師:小山孝雄参議院議員(自民党教育改革実施本部) |
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12月23日(土) | 17:30〜 | 大人・子どものいじめ問題を素人の目から語る集い13 −企業内いじめ裁判をした労働者の話しを聞く集い− |
調布市文化会館たづくり (京王線調布南口3分) |
12月25日(月) 〜29日(金) |
沖縄・平和の旅 講師/案内:謝花悦子・松岡和夫・ 知花昌一・高里鈴代・平良修・島田善次 主催:日本キリスト教主義学校教職員組合 03-0422-53-2256 |
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12月26日(火) | 14:00〜 | 増田都子さん東京都人事委員会審理 | 都庁第一庁舎北39F |
12月26日(火) 〜30日(土) |
第1回:平和の旅・南京事件日中交流集会 問合:Fax.03-3234-4703 Tel.03-3234-4700 |