ひのきみ通信 第54号

2000年10月6日

国家から解き放たれて(シドニー五輪)
 五輪憲章は『オリンピック競技大会は個人種目もしくは団体種目での選手間の競争であり国家間の競争ではない』と定める。…「南北行進」と「アボリジニー」と「東ティモール」…結果としてスポーツが「国家」から解放されていく…。日本選手団はどうも国に縛られている感が強い。…JOCの『日本代表選手団編成方針』は「礼儀と規律を遵守し活力ある日本を代表するに相応しい選手役員をもって編成する。選手は国民の期待に応えうる競技力を持つ者の中から…十分な活躍が期待できる者を選考する」。伸び伸びと競うのが難しそうな文面だ。
(朝日新聞 9/4「社説」より要旨)

目次

四街道南小・渡壁さんに分限免職攻撃 近 正美(佐倉高校分会)
声を上げ始めた人々
 〜9・25国立集会に参加して〜
ひのきみ特派員B
9・25国立集会アピール
ジェンダーの視点で「日の丸・君が代」を考える 羽山 圭子(市川北高校分会)
第39回全国平和教育研究シンポに参加して 小幡 勉(県立京葉工業高校分会)
お知らせ

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四街道南小・渡壁さんに分限免職攻撃

近 正美(佐倉高校分会)

 「日の丸・君が代」問題(渡壁さんは、「日の丸・君が代」ホットラインや「日・君」被処分者ネットワークなど「日の丸・君が代」問題の全国区の活動を担ってきました)や子どもの人権など様々な活動を積極的に職場、地域、全国で闘ってきた四街道南小の渡壁さんに分限免職を求める攻撃が仕掛けられています。
 この8月に渡壁さんが現在勤める四街道南小の小山彰男PTA会長が、四街道市教委と千葉県教委に「渡壁教諭の転出を求める」陳情を行いました。
 そして、この陳情を受けるかたちで、学区の坂本弘幸市会議員(自由クラブ)が9月19日の四街道市議会一般質問で教育長をただしました。
 これに対して佐久間文成四街道市教育長は、「親の切実な要望は生かしたい」「教員として不適格なので県教委に処置を要求したい」「子どもたちに悪い影響を与える教員は排除したい」などと答弁しました。
 これは、渡壁さんをクビにするために仕掛けられた茶番劇です。一教員に対して、校長、地域ボス(PTA会長)、議員、県・市教育委員会がウラで話をまとめ、一部マスコミ(サンケイ)と一緒になって攻撃する理不尽極まりない卑劣なやり方です。
 四街道市の「処置要求」に対して、千葉県の教育委員会は10月中旬に開かれ、ここで渡壁さんの「分限免職」(悪いことをしたわけではないが、教員にふさわしくないのでクビ)、解雇が決定されそうです。
 以前から渡壁さんを持て余していた校長、市教委はその権力の本性をあらわにして、ついに渡壁さんをクビにする作戦に出たのです。
 「分限処分」は権力の恣意的な判断で行われる処分です。「懲戒処分」には一応それなりの理由があるのですが、「分限処分」は権力の都合で作り出される処分です。まず、処分することが先に決められ、その後から理由を積み上げていくのです。
 あまり身近に行われることがないので、実感がない方が多いと思いますが、公務員の身分について、最も理不尽で苛酷な処分が「分限免職」によるクビです。
 残された時間は多くありませんが、下記の千葉県教育委員会の担当課へ「問い合わせ」「処分取り消しのお願い」などなど工夫してアクセスお願いします。

総務課    Tel.043−223−4002
義務教育課 Tel.043−223−4040 Fax.043−225−2374
指導課    Tel.043−223−4059

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声を上げ始めた人々

〜9・25国立集会に参加して〜

ひのきみ特派員B

 9月25日夜、国立市の一橋大学で開かれた「知りたい、伝えたい、本当のこと〜国立2小卒業後の出来事〜」集会に参加してきた。
 集会には、主催者の予想を大きく上回る384名が参加した。主催者が用意した資料は不足し、会場は超満員となった。
 集会では、最初に、「青年法律家協会弁護士学者合同部会(青法協)東京支部」から『国立2小卒業式後のできごと』という「聞き取り調査報告書」(2000年9月25日)にもとづく報告があった。
 この調査は、今年3月の国立2小の卒業式以来、『産経新聞』による「土下座」報道を始めとする一連の報道、それと連動した右翼による街頭宣伝、学校への脅迫状などにより、子どもたちの生命さえも脅かされるような事態を憂慮した弁護士たち(11名)によって、8月末から9月上旬にかけて行われたものである。聞き取りは、子ども14名、保護者4名、教職員14名の合計32名から行われた。また、校長と教頭にも協力依頼をしたが、断られたとのことであった。
 「報告書」では、「調査の結果認められる事実」として、

  1. 国立2小の教育及び卒業式の特色
  2. 卒業式当日の日の丸掲揚と子どもたちの反応
  3. 校庭におけるやり取り
  4. 屋上におけるやり取り
  5. やり取りを聞いていた教職員、保護者の受けた印象

が、詳しく整理されていた。
 その上で、問題となった「卒業式後の子どもたちの行動」については、次のようにまとめてあった。「子どもたちは、自らの頭で、子どもが主体となって取り組む学校行事のあり方や日の丸強制の問題点について考え、礼儀正しくていねいに、校長との間で、質問や意見の表明を続けた。そして教職員と保護者は、そういう子どもたちの成長した姿を、感動を覚えながら見守っていたのである。」
 また、「産経新聞報道の内容上の問題点」として、次のように述べてあった。「校庭におけるやり取りの最後の方で、子どもたちが校長に日の丸降納を希望したのもていねいな言葉でなされ、これに対し校長はあっさりと子どもたちの希望を受け入れたのであり、記事の『詰め寄った』という表現は、明白な誤りである。」、「『謝れ』、『土下座しろ』などという発言は、仮にあったとしても子どもが校長に対し直接言った言葉とは考えられないものである。(筆者注:都教委も「確認していない」としている)また、子どもたちは、校長に謝罪を希望するときにも、冷静に敬語を使って発言していたのであるから、『児童は興奮し、涙ながらに…校長に謝罪を求めた』というのは、明らかに屋上での子どもたちの発言をねじ曲げた表現と言う外ない。」
 この報告を受けて、3人のパネラーからの発言があった。一橋大学の福田教授は、「子どもの『土下座しろ』発言はいけないのか」と問題を提起、子どもに大人と同じ人間像を当てはめてはいけないこと、また教育の場での子どもの発言を教育委員会への報告書に記し、それを『産経新聞』に流したこと(記事はほとんど報告書を丸写ししたもの)こそ大問題であること、を述べた。弁護士の小笠原さんは、学校は単に勉強だけではなく、人間は仲間のなかで育つこと、また「国連子どもの権利委員会」でも日本の学校では子どもの参加がないと指摘していることを述べた。記者の山口さんは、『産経新聞』の記事は報告書の丸写しであり、これは記者の倫理にも反する無責任なものであること、他のメディアの沈黙もおかしいこと、を述べた。
 その後、2小教員と保護者からの発言があった。2小教員は、どこで声を上げたらいいか分からなかったが、集会に多くの人が参加し励まされたこと、物言わぬ教師にならないこと、を述べ、2小職員有志の『アピール』を発表した。これは感動的なものであった。また、保護者は『産経新聞』の記事がいかに事実と違うかを、怒りを込めて強調した。
 集会は最後に「私たちは、子どもの自主性を尊重し、自分の頭で考える子どもを育てている、国立2小をはじめとする国立の教育の姿を、広く強く訴えていきます
」という『集会アピール』を採択し、終了した。なお、12月には大規模な全国的な抗議集会がもたれる予定だということである。
 国立の人々は、怒りと確信をもって、声を上げ始めた。

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9・25国立集会アピール

アピール

 東京都教育委員会は、八月十一日、二小の教職員に対して、戒告六名、訓告七名の処分を行いました。
 私たちは、傷つけられた子どもたちの心を思い、学校と子どもたちが政治的に利用されたことを考えると、この処分をけっして許すことはできません。
 私たちは、まず第一に、卒業していった子どもたちに、自分の意見をきちんと言えた君たちは立派だった。君たちは決して悪いことなんかしていない。自分たちの行動に誇りを持っていいんだよ。と呼びかけたいと思います。
 産経新聞が「国立二小で卒業式後に約三〇名の児童が校長に土下座を迫り国旗をおろさせた」と連日書きたてました。右翼は多数の街宣車で国立に押しかけて中学校の前では「二小の卒業生出てこい」と騒ぎ、市議会・都議会・国会の場で保守系議員がわが校の問題を次々にとり上げました。職員はもとより子どもの誘拐・殺害に言及した脅迫まで行われました。市と都の教育委員会は、学校教育への権力的介入と職員への見せしめ的な処分をねらって授業時間でも教職員を呼びだして事情聴取を行いました。
 実際に二小であったことは、卒業式の終了後に子どもたちが、なぜ日の丸を校舎にあげたのか質問にいき、校長先生もそれに答えたということです。日の丸がおろされたのも強要ではなく、校長先生の判断によるものです。子どもたちはていねいな言葉を使い、話し合いは終始おだやかに行われました。自分の考えをはっきりと言える子どもたちの姿はむしろ素晴らしいものではないでしょうか。「約三〇名の児童が校長に土下座を迫り」などという報道はまったく事実に反するものです。
 民主的教育をこわし、国の言うとおりの教育を行わせることをねらう勢力が攻撃を強めています。君が代・日の丸の押しつけはその集中的な現れです。二小はその攻撃の道具にされているというのが問題の本質です。
 彼らは一体となって、教育活動の一場面をあたかも異常な事態、重大な問題であるかのごとくねじ曲げて描き出し、よってたかって大騒ぎをしました。そして、処分なしにはすまないと言って、「卒業式にリボンをつけて参加した。」「校長室に話をしに行った。」など本来処分の理由になどならないことをむりやり理由にして、二小の教職員に処分を行い、その処分を教育への統制をいっそう強化するためのテコとして全国レベルで利用しようとしているのです。
 私たちは、あくまで子どもたちの人権を守り、真実を伝え広げていきます。ぜひ人権と民主主義をまもる多くの仲間が私たちと共に立ち上がっていただくことをお願いいたします。
 私たちは、不当処分に反対し、処分の撤回を求めてたたかいます。私たちのたたかいへのご支援を心からお願いいたします。
 私たちは、二小はすばらしいところもあり、不十分なところもあるごく普通の学校だと思います。保護者にみなさん・地域のみなさんの声もたくさん寄せていただいて、子どもたちの笑顔あふれる学校づくりをめざしていっそう奮闘したいと思います。

二〇〇〇年九月二五日
国立市立国立第二小学校職員有志

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ジェンダーの視点で「日の丸・君が代」を考える

羽山 圭子(市川北高校分会)

 昨年度、沖縄に修学旅行に行ったとき、高里鈴与さんに「沖縄の基地を、ジェンダーの視点で考える」という題で講演をしていただいた。基地があるがゆえの米兵の暴行事件については、サミット直前(7/3)にも米兵が自宅に押し入って、女子中学生にわいせつ行為を行う事件が明るみに明るみにでたばかりだが、泣き寝入り件数を入れると相当数に上り、表面化するのはほんの氷山の一角であるそうだ。一番ひどかった頃が、ベトナム戦争の時で、ベトナム帰りの米兵と寝ていて、夢でうなされる米兵に首をしめられて殺されそうになった女性や、実際殺された女性も多くいたそうである。国家権力の下に男が公然と人殺しをやると、殺された人数に匹敵する人数の女性が、性的奴隷にされたり、レイプされたりしたと言っても過言ではないと言うような話だった。近代国家が形成されることと並行して、性的役割分担が強化され、その中で女性の性だけが、人格と一体化され、それに伴って女性の2分化が行われた。子孫の繁栄のために選ばれた産む女性(例えば「靖国の母」とか)と、男らしさ(強さ)の裏返しである性的欲求の対象となる女性(例えば「娼婦」と呼ばれたりする)である。男が作 った構造化された社会のなかで女性が女性を差別する構図も組み込まれている。戦争下の性的役割分業の最たるものが、暴力とセックス(快楽だけでなく、子孫を残すことも含めて)である。また、私が「日の丸」を拒否する理由のひとつは、従軍慰安婦(性的奴隷)として日本軍に従属させられた人たちが、レイプの最中、目の前に視たものは「腰に巻き付けられた日の丸だった」、と言う話を聴いたからである。この問題に対する佐久間さんの、激しく不安な感情は、公然と権力でもって女性達の尊厳を奪い傷つけるという快楽によってのみ、人殺しの恐怖から逃れようとする構造的システムに対して、と説明できるのではないか。
 先日、本屋で立ち読みをしていて、「国を売る人々」という本があった。その本の帯に“日本を解体へと導く妖しげな言葉を撃つ──人権思想、平和主義、フェミニズム…
”。とあって、不快さ以上に、おかしかった。国を誰にいくらで売るのかわからないけれど、確かにこの三つで、戦前から続いている国家主義を解体に導けるかもしれないと思うし、彼らもそれを恐れていると思うと、思わず笑ってしまった。“フェミニズムはナショナリズムを超えそう”な気がしたからである。
 千高教組の方々はフェミニズムもジェンダー・フリーもまあ時の流れ、仕方がないとかわからないとかで、あまり触れないようにしようと言う方々が多いように思われる。しかし、巷では、石原都政が躍起になってフェミニズムを排除し、家父長制家族制度を復活させよう躍起になっていること、家庭科の教科書検定問題(家族の多様化を認めようとしない)、教育基本法の改悪の中に国を愛する、などの後に家族愛をいれることにこだわっていること、挙句の果てには、市川北高での多数派を無視した混合名簿阻止する校長決裁現象、など弾圧が続いている。これらは、彼らが、それほど変わるかもしれないと思い、実際変わっていくことを恐れている証拠である。天皇制は、その信仰の仕方のスタイルとして家父長制家族主義を基盤にしているから、家族制度が壊れると、天皇家は特異化するだろう。しかし、佐久間さんの指摘の通り、大日本婦人翼賛会(?)ならぬ「君が代フェミニズム(?)」ないしは「帝国フェミニズム」は、天皇制を相容れるものらしく、時の権力と結びがちである。千葉県の「男女共同参画骨子案」を読むと、千葉県はそっちの方に流れていきそうである。なぜなら、女性の人 権から始まったはずの男女平等政策が、将来に影を落としている少子化や終身雇用制の崩壊を始めとする経済構造の変化に妙に対応しまた、問題解決策でもあるからである。
 「冷や奴と梅干しがあればいい」、などと男らしさの感傷に浸っているときではない。私は、冷や奴も梅干しも、あまり好きではないし、ジェンダーの視点のない「ひのきみ」は、少なくとも国民の半分の人間の同意は得られないのではないかと心配である。

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第39回全国平和教育研究シンポに参加して

小幡 勉(県立京葉工業高校分会)

 さる9月23〜24日法政大学で開催された日本平和教育研究協議会と東京実行委員会主催のシンポに「ひのきみ」委員長の渡部さんと参加しました。それは特別分科会に「国家と『日の丸・君が代』問題」が設置され、レポートを依頼されたからです。レポートは、全部で6本。報告と討論は1日目の午後から2日目の午後まで行われました。以下概略を報告します。

(1)「日の丸・君が代 新たなる教育内容の創造」(花田修/広島庄原小)

  1. 今年4月「卒業式・入学式を終えて心に残ったことは」と作文聞き取りをしたところ、回答の中心は、君が代・日の丸への抵抗感や反感を表すもので、国歌斉唱の号令の瞬間、自分や周囲の人達の行動や状況を記した生徒が多かった。
  2. すべての児童が感動できる卒業式の創造のためには日々の集団づくりや学級・学年の仲間づくりの取り組みを大切にしていくことを職員間で確認した。
  3. 「君が代」問題を子どもの学びの場にしっかり位置付けることが必要。
  4. 日の丸・君が代を通して、平和を希求する心情を養うことは譲ることができない。
  5. 日の丸・君が代の教育内容化を通して、子どもたち自身が自らの生活を変革したいという願いを持ち、行動化できる主体の確立を図るという大目標に向けた実践を今後積み上げる。
  6. 所沢高校生徒会の実践から学ぶ。

(2)「国旗国歌法のもとでの初めての卒業式」(河合美喜夫/東泉都立永山高)

  1. 都教委が学校名をあげて実施状況を公表し、『産経』がそれを報道するなど、なりふりかまわぬ強制と圧力のなかで迎えた。
  2. 都教委が「通達」(職務命令)や「Q&A」(手引書)を作成し、君が代のCDの全校配布、掲揚塔設置など約1億円を支出した。「日の丸・君が代に反対するなら今すぐ教員を辞めるべき」との保護者の手紙を掲載したパンフ「入学式・卒業式の適正な実施について」を発行。
  3. 「卒業式を考える会」を生徒会が中心になってつくり、インターネットを活用して資料を作成し、学習会を積み重ね、その成果を「『国旗・国歌』に対しての考え」として発表した。
  4. 「会」は、校長及び教職員に対して卒業式についての要望書を出し、フリートークを行ったが、校長をはじめ、こうした動きに疑問がおこった。しかし女子生徒が全教職員に手紙をかき、訴えた。
  5. 卒業式前2度にわたる話し合いの結果、校長は「君が代」を断念した。卒業式では校歌ととも生徒が選曲した「旅立ちの日に」の大合唱となった。
  6. 国旗・国歌法の成立は、「国旗・国歌はどうあるべきか」「なぜ学校に強制されるか」とか、良心の自由や内心の自由の問題など、日の丸・君が代問題がかつてない形で議論されるようになってきた。
  7. 納得いかない強制や圧力に対して、学び、討論し、抗議のリボンをつけたり、君が代に代わる歌を合唱したり、創意あふれる卒業式をつくりだすなどの意見表明を行ったことで、新たな局面における新たな可能性が作りだされてきた。

(3)「『国旗・国歌に対応するシート』と私たちの運動」(日暮裕/横浜市立南高)

  1. 全国組織に加入していない組織率ほぼ100%の組合の下、日の丸100%、君が代0%だった。
  2. 校長会で君が代のCD配布、実施率の低い政令指定都市への文部省の指導を受けて教育長からの強い要請。
  3. 組合に相談もなく対応シートを配布、組合の闘いと市民団体の運動のひろがり。
  4. 「備忘録」だとしていた対応シートの公文書化による管理抑圧体制の強化と研修権の剥奪等、諸権利への攻撃。
  5. 公文書として公開の対象になれば矛盾も出てくる。
  6. 「国民常識とかけ離れた教師“国際人”の養成もままならず」との『産経』報道によって実施率等が明らかにされる。

(4)「『日の丸・君が代』の強制に反対する意見広告運動と2.11県民集会の成果と教訓」(小幡勉/千葉県立京葉工業高)
  については、「ひのきみ通信」で明らかにされているのでカットする。

(5)「国立の子どもと教育の自治を守るたたかい」(川原泰寛/東京国立二中)

  1. 『産経』・『正論』・日本時事評論・『諸君』等が国立の卒業式をセンセーショナルに報道。
  2. 60数台もの右翼街宣車による教職員・児童への執拗なアジ攻撃と脅迫状。
  3. 「偏向教育」「学習指導要領に沿っていない」「不登校が多い」など教育内容や組合活動への監査請求、会議室問題、ながら条例、給与減額など、教職員組合に対する市議会・都議会・国会での攻撃と教職員への不当処分。
  4. 都教委が「国立市立学校教育問題改善検討委員会」を設置し、新たな攻撃の出撃基地を設置した。
  5. 市内の市民団体の大同団結による幅広い市民団体を結集して、4つの教職員組合の共闘による「日の丸・君が代」の押しつけ反対、実力行使はしないで一致し、「『日の丸・君が代』を考える会」を結成し、市内全域への全戸配布、駅頭宣伝、市民のつどい開催などの運動を展開。
  6. 国歌斉唱は式次第に入るが、国旗は三脚や屋上ポールのみとするなど粘り強い話し合いが展開された。
  7. 各学年も手作りによる装飾作品やフロアー形式による国立2小の感動的な卒業式。
  8. 土下座発言は卒業式の後の校長と卒業生との話し合いのなかで、児童の独り言発言をことさら誇張して報道したことが真相。教育委員会とマスコミも関与。
  9. 市内民主団体や保護者有志が「子どもの発言を守る2000年有志の会」を結成するなど反撃を開始する。
  10. 土下座発言とは全く関係ないところで、政治的見せしめ的処分が決定された。
  11. 問題の本質は、子どもの人権・教育の自治の視点から、教育基本法改悪、教育改革をすすめる国家的な攻撃の視点から捉えていく必要がある。

(6)「『日の丸・君が代』問題〜思想良心の自由から考える)(梅田有滋/広島府中一中)

  1. 「日の丸・君が代」強制に抗していくためには、国旗国歌法の内容や君が代の解釈の徹底、憲法と精神的自由権の問題を検討していく必要がある。特に個人の思想・信条にかかわる問題については、国家中立性の原則、親を中心とした社会の側が教育権をもっており、学校にできることは、子どもが判断できるように素材を提供するだけという原則が尊重されなければならない。
  2. 「日の丸・君が代」の果たした役割、現在の動き、日本社会をどのように見ていくか、一人一人が大切にされ、差別がなく平和で民主的な社会にしていくためには、どうしていけばよいかを考えるように「日の丸・君が代」指導案を学年団で検討し、作成し、2回にわたって指導した実践が報告された。
  3. 広島県教委は市町村教委が「処分の必要がない」としているのに府中の校長16人を処分したことに校長たちが人事委員会に不服申し立てをし、場合によっては行政訴訟も辞さない局面と支援する会の結成とアピールが紹介された。

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お知らせ

10月8日(日) 13:30〜 ともに育つ教育を進める千葉県連絡会−就学相談会− 千葉県教育会館本館303
10月8日(日) 19:00〜 韓国慰安婦被害者の映画を見る会「息づかい」 アミュゼ柏(柏駅東口5分)
10月10日(火) 10:00〜 「ゴー宣」上杉氏名誉棄損裁判(被告・小林よしのり) 東京地裁722
10月10日(火) 13:10〜 中国人「慰安婦」第一次訴訟・結審 東京地裁103
10月10日(火) 18:30〜 中国人「慰安婦」訴訟原告・劉面煥さんの証言集会 シニアワーク東京
10月11日(水) 10:00〜 国労本州採用差別事件判決 東京地裁101
10月11日(水) 11:30〜 東京都「皇太子結婚祝賀行事」住民訴訟 東京地裁606
10月12日(木) 18:30〜 石原的なものをどう批判するか 文京区民センター(三田線春日2分)
10月13日(金) 10:30〜 平頂山事件訴訟 東京地裁709
10月14日(土) 13:00〜 ウカウマ集団に聞く 「コンドルの血」「鳥の歌」上映
 講師:サンビネス監督
カンダパンセホール(JR水道橋8分)
10月14日(土) 14:00〜 元「慰安婦」の声にどうこたえるのか 一橋大学東2号館(JR国立7分)
10月14日(土) 14:30〜 アジアフォーラム10月学習会「奇跡の生還
 ・ビルマに連行された元「慰安婦」を北朝鮮に取材して」
法政大学大学院402(市ヶ谷7分)
10月15日(日) 13:00〜 国際シンポジウム「今なぜ、真相究明なのか」 日本青年館中ホール
 (銀座線外苑前7分)
10月19日(木) 15:30〜 元「慰安婦」宗神道さん謝罪補償請求裁判結審
 14:45集合(傍聴券配付)
東京高裁813
10月19日(木) 18:30〜 元「慰安婦」宗神道さん謝罪補償請求裁判報告集会
 −宗さんおおいに歌い・踊る−
東京ウィメンズプラザ
 (地下鉄表参道8分)
10月20日(金) 12:30〜 恩寵園・大浜浩(元園長)傷害罪刑事裁判 千葉地裁(整理券配付)
10月20日(金) 18:20〜 『週刊金曜日』創刊7周年記念講演会
 「言いたいことは やまほどある」
きゅりあん大ホール
 (JR大井町1分)
10月20日(金) 19:00〜 水俣セミナー「水俣の授業実践から教育と国家を問う」
 高嶋伸欣講演会
環境パートナーシップオフィス
 (地下鉄表参道10分)
10月21日(土) 13:30〜 8月の会学習会「ジュネーブで何が問題となったか」
 −国際社会における「従軍慰安婦」問題− 講師:前田朗
船橋中央公民館(船橋7分)
10月21日(土) 14:00〜 印旛支部教研「これからどうなる学校教育?」
 講師:矢野高教組委員長・都高教福井祥先生
佐倉高校セミナーハウス
 (京成佐倉8分)
10月22日(日) 9:00〜 ピース・フェスティバル 三笠公園(京急横須賀中央15分)
10月22日(日) 10:00〜 二和健康まつり 船橋二和病院
10月26日(木) 18:00〜 BC級戦犯横浜裁判を考えるシンポジウム
 講師:内海愛子・高橋哲也
横浜弁護士会館5F(JR関内8分)
10月28日(土) 13:00〜 「日の丸・君が代」の強制にNo!の意思表示を10.28集会
 「ゆんたんざ沖縄」上映 講師:知花昌一 主催:意思表示の会
武蔵野公会堂(吉祥寺5分)
10月28日(土) 17:30〜 大人・子どものいじめ問題を素人の目から語る集い9 調布市文化会館たづくり
 (京王線貼付南口3分)
10月28日(土) 18:00〜 南京虐殺・事件の事実をみんなのものに−東京集会− 南大塚ホール(JR大塚3分
 南大塚社会教育会館隣)
10月28日(土)
13:00〜
13:30〜
15:10〜
「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会第1日
 開会行事
 映画「ひなたぼっこ」完成試写会
 千葉からの報告
千葉市民会館
 (JR東千葉3分
 ・JR千葉7分)
10月29日(日)
9:00〜



13:30〜
「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会第2日
 分科会
  [1]「高校へ行こう」新館501会議室
  [2]「障害児の高校生活・進級・卒業」本館303会議室
  [3]「希望者全入に向けて」本館304会議室
 「みんな違って、みんないい」 講師:安積遊歩・新館501
千葉県教育会館
 (京成千葉中央7分
 ・JR千葉10分)
10月29日(日) 14:00〜 宮台真司講演会 四街道市文化センター(四街道10分)
11月1日(水) 12:30〜 恩寵園・大浜浩(元園長)傷害罪刑事裁判 千葉地裁(整理券配付)
11月1日(水)
 〜7日(火)
  21世紀へ伝える歴史の旅・ベトナムとカンボジアを行く
 問合:Fax.03-3962-8478 Tel.03-3962-8475
 
11月3日(金) 10:00〜 守れ、平和と人権を! 許すな、首切り自由を!
 11.3団結まつり
亀戸中央公園
 (JR亀戸、東武亀戸水神)
11月4日(土)
 〜17日(金)
9:00〜 科学者として「笑顔と告発」 BOX東中野(JR東中野3分)
11月4日(土) 14:30〜 所沢高校教諭不当処分口頭審理 未定
11月5日(日) 12:00〜 全国労働者総決起集会 日比谷野外音楽堂
11月9日(木) 11:00〜 オランダ人元捕虜・民間抑留者損害賠償等請求訴訟
 第6回口頭弁論
東京高裁812
11月10日(金) 18:30〜 「日の丸・君が代」なんて押しつけられてたまるか・連続学習会2
 講師:田中伸尚 主催:神奈川の会
かながわ県民センター304
 (横浜西口5分)
11月10日(金)   釜山従軍慰安婦・女子挺身隊公式謝罪等請求訴訟結審 広島高裁
11月11日(土)
 〜12日(日)
  55年後の「松代大本営」を訪ねる旅
 参加費:13000円(宿泊費・見学バス代・保険料)
 問合:043-253-5640
11日12時長野駅集合
11月11日(土) 14:00〜 マツシロ11・11のつどい 松代大本営象山地下壕内

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